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2010年1月31日

1255 医薬・医療関連 の”オフラベル”について

医薬品関連の単語”オフラベル”という言葉がしばしば出てきます。 (調べ直してみましたがこの単語はオフレベルではありませんでした。)

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これは、医薬品を、医師の判断(裁量)により、承認された効能・効果以外の目的で、または、承認されていない用法・用量で使用すること。「適応外使用(または適応外処方)」と説明されています。この意味を今日は一般の方々向けに説明して見ます。薬瓶のラベルをはがして使うということでしょうか?

これは医学の進歩が速く、薬剤や器具などに関する許認可事項が現実とずれを持つようになると、必然的に出てくる問題です。

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たとえばアバスチンは最近よく話題になる薬剤です。そもそもこの薬剤は腫瘍内の新生血管の成長を抑制することで腫瘍を壊死に導くという薬品で、日本では大腸癌の治療薬として発売されているものです。ですから、通常は国内では眼科には出荷されず、入手には治療実験用としての海外からの並行輸入品を使っているのかと思われます。しかし、最近はこの薬剤を上記のオフラベルで加齢黄斑変性や網膜静脈閉塞症の黄斑浮腫等の時に眼球内に注射することが行われることがあり、その有効性を述べる学会発表や論文発表が続いています。(補追:もちろん最近は類似のルセンティスやマックジェンが眼内投与用に発売されてますが。)
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従来から医薬品をその薬品に認められている目的外に使うことは、眼科医療でもしばしばあったことなのですが、それが最近はとみに難しくなってきています。

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1)まず、最近殊に患者さんの権利意識が高まってきたことに伴って、用途外使用をした後で、病気の経過が良くない場合にはその前に行われた薬剤の用途外使用と関連して法的な補償を医師である施術者が要求される可能性があります。

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2)病院の医師にはそれほどの補償能力がない場合が多いので、その補償の支払いは診療施設の開設者に求められることが考えられ、病院や大学は組織内の医師が勝手に適応を拡張した医療行為を行うことは嫌うでしょう。

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3)同様に、製薬会社や眼科手術器械製造会社にも、疾病の経過が思わしくない場合には、薬剤や機器の用途外使用によってその状態が招来されたとして法的な製造物責任に関連して補償が求められる場合が想定されます。

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4)国民健康保険での医療費の支払い基金は当然このような治療は認めませんから、薬剤費だけではなく、注射などの手技料も請求は棄却されます。

そのような訳で、最近はこのオフラベルでの薬剤の使用は殊に制限を受けるようになりました。

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本来、臨床研究を行う際に倫理委員会の許可を得るということと、オフラベルで薬剤を使うということは全く別のことなのですが、結果の発表を伴う研究も行うような施設では学内倫理委委員会での審査を経て、臨床研究としてこの治療を行うことが行われます。

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大学などでこのような用途外使用での治療を行うには、臨床実験を行うものとして、まず学内の倫理委員会での審議を経てその許可を受ける必要があります。

その許可を得るにはその意義や安全性を述べた10ページを超える申請書を出さねばなりません。審議ののち、これに数回の修正を要求されるという大変なものですから、その治療をまとまった数で施行し結果を学会誌に発表する強い目的意識のない病院ではまず施行できません。

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その際には、もちろんその処置の安全性が説明出来なくてはなりません。さらに、費用をだれが何処まで負担するのかも明らかにしなくてはいけません。最近は、不測の事態が起きた場合に患者さんに補償をする保険に加入していることの証明書も添付が要求されます。

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最近は眼科の講演会で、新しい治療法の話を伺ったり、文献で新しい治療法の解説を読んだりした場合、このオフラベルの治療法を何処まで取り入れて良いのかどうかというところで迷う場合が少なくありません。

また自分では行わないがそれを患者さんに勧めたいという場合には、網膜静脈閉塞症に対するアバスチンでの黄斑浮腫を取る治療法など有効ではあるが適応外であると言った場合には、自分が患者さんを紹介できるどの施設で行ってくれているのかを知っておく必要があります。

それにつけても、紹介先の病院の持っている眼科治療のレパートリーというものを熟知しておくということは大変重要です。
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東京カンファレンスセンター品川内部
2010年1月30日
網膜硝子体手術をテーマとする第3回TMD眼科フォーラム(東京医科歯科大学眼科フォーラム)が開催され、大阪大学の大島雄介先生の重症糖尿病網膜症に対するベバシズマブの功罪と、名古屋市立大学の小椋祐一郎先生の低侵襲硝子体手術の話を聞いて来ました。
東京カンファレンスセンター品川
この記事はその場での議論をきっかけに記載したものです。

来年は神経眼科をテーマに行われますので、神経眼科グループ担当の臨床教授として私がオルガナイザーをお引き受けします。(関連記事”医薬・医療関連 の”オフラベル”について”続きを読む)
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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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