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2010年1月9日

1217 上斜筋ミオキミアの治療について

上斜筋ミオキミアは、片方の眼球が不随意に動く事によって片方の目で見る画像がゆっくりと回転を伴って上に移動して、しばらくふらふらと揺れてから、元の位置に戻るという奇妙な疾患です。その本体は上斜筋を動かす滑車神経が被刺激性を増していて、不安定に興奮することだと考えられています。この治療について私の医療相談に寄せられた質問とそのお答を再録します。

ミオキミア
なお此処にその眼球の動きを記録したビデオ(⇒リンク)がありました。肉眼では同定が困難ですが細隙灯顕微鏡では角膜側方の結膜血管を見ると眼球が内旋と外旋を繰り返して揺れるのが見えると言っています。

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まささんからの相談  [上斜筋ミオキミアについて]

最初は10年程前に左目に症状が出てその時は点眼液で何週間かして治ったんですが、平成20年1月頃同じ左目に症状が出て同年4月に大阪市内の眼科医に診て頂いて別の総合病院の神経内科を紹介して頂いてMRIを撮って診て頂いて脳には異常なしと言うことで別の総合病院を紹介して頂いて現在診て頂いてる眼科の専門医の先生に上斜筋ミオキミアだと診断されてチモプトール0.5%と言う点眼液を処方してもらって自然に治るものだとうかがってしばらく様子をみていたのですがもう2年近くなるのですが症状がまったく治まりません。

その間に2回同じ先生に診てもらって同じ点眼液を処方してもらっています。今後どういうふうに治療を進めていけばいいのでしょうか?緊急を要する病気でもなければ痛みもないのですが、原因もわからず栄養剤等あれこれ試しても効果がなく、長く続くと気がすごく滅入ってしまいます。どんなささいなことでも構わないので教えていただければ幸いです。よろしくお願いします。

お答:
私は内服の抗けいれん薬などを使う方が、緑内障の点眼(ベータブロッカー)よりは効果が有るように感じます。
しかし、抗てんかん薬は眠気が出るであろうことが難点です。本を調べてみましたが、本田と若倉は、私も共著者である”続解決、眼と視覚の不定愁訴・不明愁訴”という医科向けの本109ページから110ページに、次のように記載しています。

”治療には内服薬として抗痙攣薬であるカルママゼピンがもっともよく使われているが、副作用が多く、海外では不快感や副作用の少ない難治性抗てんかん薬ガバペンチンを第一選択とする報告もある。

また、プロプラノロールやベタキソロール、バクロフェンやフェニトイン、クロナゼパムなどの報告があり、内服に加え局所投与としてベータブロッカー点眼が症状の軽減に役立つことががあるが、根治は困難である。しかしながら内服薬には副作用も多く、点眼による改善を期待し主に処方している”
と記載しています。

少し内服薬も加えてみてもらってはいかがでしょうか?
神経眼科を専門にしていない99%の眼科医はこの疾患の有ることも知らないのが現状です。まして一度も処方したことのないこ抗てんかん薬を処方するのには二の足を踏むことでしょう。

神経内科医などと協力して治療するのがよいでしょう。あなたの先生がこの疾患を診断できただけでも十分に尊敬できます。なお、当院まで来てくださればこのあたりを内科医と相談しつつ処方してみますが。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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