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2010年1月6日

1212 抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎とは

抗アクアポリン4抗体と視神経炎の話を大学の後輩から質問されました。此処に、おばあちゃんにもわかる眼の話として説明してみましょう。

Anti-aquaporin 4 antibody (anti AQP4-Ab)
アクアポリン(AQP)は、細胞の膜上に存在し、主に水分子が通過するチャンネルとして働いています。ヒトには13種類のAQPが存在し、そのうちAQP4は中枢神経に比較的豊富に存在し、脳や脊髄と血液の間の水の出し入れに関わっていると考えられています。

これまでDevic病として知られてきた視神経脊髄炎(neuromyelitis optica:NMO)は主に視神経と脊髄を傷害する中枢神経系の重篤な炎症性脱髄疾患と考えられていました。その臨床的、病理学的特徴により重症な多発性硬化症(multiple sclerosis:MS)とか、特に日本では視神経脊髄型MSと診断されてきました。

そして、しばしば免疫調節薬であるインターフェロンβの治療が行われていました。2004年にNMO患者血清中に神経組織アストロサイトや脳室上衣細胞のアクアポリン-4(aquaporin-4:AQP4)に特異的な自己抗体(NMO-IgG/抗AQP4抗体)がNMO患者の血清中に証明されました。この抗体は脱髄疾患の初めての特異的マーカーであり、明らかにNMOをMSから区別しています。そのため、NMOの病態や治療は通常のMS とは異なる可能性があります。

視神経脊髄炎(NMO)ではこのAQP4に対する自己抗体が血中に高頻度に存在し、病態に関与していることが強く示唆されますが、詳しいメカニズムはまだ解っていません。抗アクアポリン4抗体の測定法はまだ標準化されていませんが、特異性と感受性が十分で容易に測定できる方法の確立が望まれています。

 この抗アクアポリン(AQP)4抗体は視神経炎の考え方も大きく転換させました。抗アクアポリン4抗体陽性視神経炎は失明率が高く,両耳側半盲様の視野変化を示したり、頭蓋内に視神経の病変を示したりもします。ステロイドパルス治療無効例には血漿交換治療が有効という説もあり、視神経炎の再発抑制には免疫抑制薬の継続投与が必要であるともいわれます。

表、 抗AQP4抗体陽性視神経炎の特徴 (中尾のページより
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発症は女性に多く、比較的高い年齢
中心暗点の他に、両耳側半盲・非協調性同名半盲・水平半盲も
再発回数が多く、視機能予後不良(視神経萎縮)例が多い
重症脊髄炎(3椎体以上)の発症
抗AQP4抗体が陽性
他の自己抗体の証明
発症時の治療はまずステロイドパルス、無効なら血漿交換を
再発予防はステロイド内服and/or免疫抑制薬を維持で

この視神経炎に関しては東北大学多発性硬化症治療学寄付講座のページに近畿大学中尾先生の寄稿した比較的詳しい記載がありますので、そちらにも(⇒リンク)しておきます。
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清澤のコメント:

この疾患が発見されるまでは”治りの悪い30-40代の女性の多発性硬化症で視神経が委縮に陥ってゆくもの”という感じで私が拝見していた患者さんの少なからぬ部分が、その後この抗アクアポリン4抗体を持つ視神経炎であると診断されました。(文献では高年齢とされていますが、それほど高年齢ではない例もあるのでしょう。)

現在、この抗体の検出を行ってくださる研究室は金沢大学と東北大学の神経内科であろうかと伺っています。検体受け入れの可否は不詳ですので、ネットその他でお調べの上、直接にお問い合わせください。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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