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2009年12月29日

1197 目に現れるサルコイドーシス

サルコイドーシス網膜白斑
眼のサルコイドーシスを患っている60歳代の弟さんをもった方から眼サルコイドーシスの治療についての質問をいただきました。そこでこの疾患の概要をおさらいしてみましょう。(図は網膜白斑(脈絡膜萎縮病変):借用メルク社の医療従事者向け英文疾患解説のページを参考に、いつもの”おばあちゃんにもわかる目の病気”の調子でまとめてみます。まずこの疾患を目の炎症(ぶどう膜炎)の側から検索し、サルコイドーシスに対する解説を見ますと
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サルコイドーシス網膜血管炎
眼サルコイドーシスocular Sarcoidosis:
サルコイドーシスはぶどう膜炎の 10 から 20% を占めています。そして、全身にサルコイドシスを持つ患者の25%がぶどう膜炎症状をを示します。そしてサルコイドーシス性のぶどう膜炎は黒人と高齢者に良く見られます。(図は網膜血管炎:借用)

角膜後面の豚脂様沈着物サルコイドーシス

実際には前部ぶどう膜炎、中間部ぶどう膜炎、後部ぶどう膜炎、そして汎ぶどう膜炎のあらゆる症状が見られます。その診断をうたがわせる所見には結膜の肉芽腫、角膜後面の比較的大きい沈着物 (これがいわゆる肉芽腫性ないし豚脂様プレチピテートです。小さな炎症を起こす白血球がくっつき合って大きな細胞を作ると言われています。マトンファットは羊の脂のことなのですが日本ではトンシ様沈着物と訳されています。図は角膜後面沈着物:借用)このほかにも、虹彩炎、虹彩肉芽腫、網膜血管炎などがみられます。

乳頭浮腫まれですが乳頭の浮腫を示す視神経炎を見ることもあります(乳頭浮腫:図借用

sarukoidosis結膜フォリクル
 最も正確な診断名を教えてくれる方法である生検、これはそれらしい場所(通常は結膜なのですが、:図は結膜フォリクル、借用)の組織を切除して顕微鏡で調べる方法なのですが、これによれば比較的簡便に確定的な診断が付けられます。しかし、眼球内からの組織は取ること自体がそれなりに危険をともなうので、眼内組織からの生検は、混濁除去の硝子体手術が行われる場合など以外では頻繁には行われません。

テノン腔内注射眼サルコイド症の治療は局所の点眼、眼球周囲組織への注射(図はテノン腔内注射です。眼球内ではなく周りに入れています:図は借用)、眼内への注入、ないし全身へのステロイド投与が行われます。そして、それには時に毛様体を麻痺させて瞳孔を開かせる薬剤の点眼が併用されます。眼の安静を保つことと、虹彩が水晶体に癒着して眼圧が高くなることを防ぐ意味があります。

中等度ないしは強度の炎症を伴う場合には 非ステロイド性の免疫抑制剤が用いられることがあります。 (つまり、メトトレキセート、マイコフェノレート、アザチオプリンなどです)
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次に全身疾患としてのサルコイドーシスを見てみましょう
サルコイドーシスは単一ないしは複数の組織に非乾酪性肉芽腫症を起こします。原因は不明です。肺とリンパ系の組織を良く冒しますがその他の組織にも見られます。肺の症状は何もないものから、肺不全までを示します。呼吸器症状で最初は疑われ、放射線画像や生検それに他の原因で起きる肉芽腫性疾患の除外で付けられます。
成因としては、生まれつき感受性がある人における環境要因に対する免疫性の反応であると考えられます。その引き金としては、1)ウイルス、細菌、マイコバクテリアの感染、2)非有機性の物質の吸入(アルミニウム、ジルコニウム)、2)有機性の物質(松の花粉、粘土など)が考えられます。

病理所見としては、現在は不明な抗原がTリンパ球やマクロファージの集積を呼び起こします。それらがサイトカインやケモカインを誘導し、反応性の細胞を肉芽組織の中に引きよせます。 家族や集団の中に集まって見られることは免疫学的な志向性があることをうかがわせますが、それ自体が感染する可能性は少ないです。

主な症状には、呼吸不全、咳、胸部不快感、疲れやすさ、体が痩せること、そして低い水準での発熱が多いです。しかし、サルコイドーシスが原因が不明な熱の原因であることは少ないです。
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さて、こうした説明でサルコイドーシスとそれに伴う眼の疾患の概要がわかっていただけたでしょうか?
サルコイドーシスはぶどう膜炎に属する疾患であって、その多くは視神経炎などの神経眼科疾患を示すことは少ないのですが、原因不明のぶどう膜炎ではサルコイドーシスが疑われる症例は少なくはありません。神経眼科の初診の診療でも、この疾患の患者に出会うことがしばしばあります。
この記載を読んでいただくと大変そうに見えますが、眼科で拝見している患者さんでは肺を含む全身症状はそれほど重症ではない場合が多いように感じます。原因不明の奇病というとらえ方ではなく、ゆっくりと病気と付き合ってゆくというスタンスが良いかもしれません。

ご来院いただければ、まず視力、視野と共に眼底を見て、サルコイドーシスが疑われる症例ならば、ぶどう膜炎の一般的採血を行って、サルコイドーシスの可能性を追い詰めてみたいと思います。
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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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