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2009年12月23日

1184 <コンタクトレンズ>MPSタイプの一部消毒液、効果不十分 という報道があります。

サクラのクリスマス(小)コンタクトレンズを消毒する液体のうち、もっともその使用頻度が高いマルチパーパスソリューション(多目的消毒液)の多くの消毒効果は不十分であるという報道がなされています。実はこの研究、保存液が不良品であると言っている訳ではないのですが、まずこの報道記事を引用し、私のコメントを述べます。当医院の職員にも誤解があるようでした。

ーーーニュース記事の引用開始ーーー(http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20091216-00000074-mai-soci)

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<コンタクトレンズ>MPSタイプの一部消毒液、効果不十分
12月16日19時34分配信 毎日新聞

テストを実施した消毒液と参考商品=国民生活センター提供
 国民生活センターは16日、ソフトコンタクトレンズ用消毒液のうち、マルチパーパスソリューション(MPS)タイプの8商品中6商品について「消毒効果が十分とはいえない」と発表した。同タイプは洗浄、すすぎ、消毒、保存が一商品ででき、普及している。センターはこすり洗いの徹底など正しい用法を呼びかけている。

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 センターによると、04年度以降の5年間でコンタクトレンズやレンズケア用品のトラブルは計448件報告された。中には「アカントアメーバ角膜炎になり3カ月入院した。洗浄液の殺菌力が不十分だったのではと言われた」(09年6月、東京都の20代男性)など深刻なケースもあった。同角膜炎は、強い眼痛が特徴で失明の危険もあり、近年症例が増えている。

 依頼を受けた日本コンタクトレンズ学会が8社8商品をテストしたところ、過酸化水素タイプやヨードタイプの消毒液と同等の効果があったのは2商品だけだった。レンズケースに消毒液をつぎ足して使うと8商品とも消毒効果が低くなった。【藤田祐子】

        ■テストした商品■

 <消毒効果が十分でない>

 コンプリートダブルモイスト(エイエムオー・ジャパン)▽バイオクレンゼロ(オフテクス)▽シードゥソフトケア(シード、日油)▽フレッシュルックケア10ミニッツ(チバビジョン)▽オプティ・フリープラス(日本アルコン)▽ロートCキューブソフトワンモイストi(ロート製薬)

 <過酸化水素などと同等効果>

 レニューマルチプラス(ボシュロム・ジャパン)▽エピカコールド(メニコン)
ーーーー引用終了ーーーー
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清澤のコメント:

 先日の講習会でもこの結果が示されていましたが、強い消毒力の消毒薬に代えよという話ではなかったと思います。

 そもそも、コンタクトレンズの消毒には加熱する方法が主流だったのですが、その取扱いの簡便さのゆえに後には過酸化水素を用いる化学的な薬剤が用いられるようになってきました。

 この過酸化水素(手足の傷の消毒に使うオキシフルの成分ですね。)と比べるとマルチパーパスソリューションは、中和しなくてもコンタクトレンズをそのまま目に載せられますし、その利用法には便利な点が多いので、消毒効果はやや弱いことは承知の上で、医師と利用者がともに納得できればという条件で広く使われるようになったものなのです。今も過酸化水素の消毒液は第一のお勧め品です。

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 実験は、アメーバの溶液を作ってコンタクトレンズを汚してから、各消毒液に一定時間浸し、無菌的に消毒されたかどうかを調べたものです。その結果、消毒効果が過酸化水素よりも弱いものが8種中6種目であったというわけです。

 一見これは大変なことのように聞こえますが、この液体でもレンズを指先で洗うこすり洗いをすることで除菌能力が増し、感染は防げるものと認定されています。

アカントアメーバという病原体は水道水のなかにも時には混在すると言われるアメーバで、細菌というよりはカビに近いものです。この感染を起こすと通常の抗菌剤が効きにくいので治癒させるには苦労します。

 また、消毒液の使用にあたって、注ぎ足しをしないことも大切な注意点です。そもそもこの液は、殺菌的というよりは静菌的なものですから、使いかけの黴菌が残った液体に新たな液を入れてはいけないのです。

 しばしば古くて黒い水垢が蓋のねじ部分についたような入れ物を使っている患者さんが見えます。本来は新しい箱には一つずつ新しいレンズケースが入っているのですが、希望をお伝え下されば何時でも新品を差し上げますので、医院の職員にお申し出ください。

 さまざまなコンタクトレンズ消毒液の種別については先に調べてこのブログでも紹介していますので、更に興味のある方々はご参照ください。(⇒リンク)

 また、フザリウムという菌が原因でコンタクトレンズに伴う角膜感染が起き、シンガポールや米国で大きな問題になった事故が数年前に起きています。今回、合格と言われた製品を供給している会社の一つは、この時の会社ですから、殺菌力を強めた製品の改良がなされたのかもしれません。(⇒リンク

 このほか、最近その利用が増えているシリコンレンズと消毒液の相性という問題もあって、もしかすると今回合格になった会社の消毒液はシリコンレンズ(オアシス、アドバンス、オーツーオプティクス、エアーオプティクスなど)には合わない可能性があります。

というわけで、なかなか難しいコンタクトレンズの洗浄液、消毒液の選択ですが、当院ではさらなる報告を待って事態を静観しようと思っています。

追記;12月16日と17日にはこのブログへの訪問者が通常の2倍の3000人を超えました。何が興味を引いたかとログ記録を調べてみましたら、フザリウム感染の記事への読者が多数であったということで、今回この記事を記載した次第です。目を大切になさって、コンタクトレンズは慎重にお使い下さい。
(当医院は日本コンタクトレンズ学会会員である眼科専門医によって管理されています。)

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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