お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2009年12月20日

1179 網膜中心静脈閉塞症に因る類嚢胞状黄斑浮腫に対する硝子体切除と内境界膜剥離の長期効果という論文があります

網膜中心静脈閉塞ないし半網膜静脈閉塞に因っておきた黄斑浮腫に対する硝子体切除と内境界膜剥離の長期予後という論文を紹介してみましょう。

ischemic CRVO(虚血型網膜中心動脈閉塞症)
ーーーー抄訳、引用開始ーーー

網膜中心静脈閉塞ないし半網膜静脈閉塞に因っておきた黄斑浮腫に対する硝子体切除と内境界膜剥離の長期予後

Park DH, Kim IT; Retina(雑誌名:網膜) (2009年12月号)

目的: この実験の目的は網膜中心静脈閉塞ないし半網膜静脈閉塞に因っておきた黄斑浮腫に対する硝子体切除と内境界膜剥離の長期予後を調べることです。

方法: 矯正視力、OCTで測定した黄斑部の厚さ、そして蛍光眼底写真を20人(20眼)で事後に調べました。経過観察期間は平均61.2月で、毛様体扁平部からの硝子体切除とインドシアニングリーンに因る網膜の染色が全例に行われました。
non-ischemic CRVO(非虚血型 網膜中心静脈閉塞症)
結果:手術前の全20例での網膜黄斑部の厚さは6か月までに有意に減少し、60か月までその低下を持続しました。 灌流のある型の網膜中心静脈閉塞症、虚血型の中心網膜閉塞症、そして半網膜静脈閉塞症では網膜厚の有意な減少がみられ、それは60カ月まで維持できました。網膜循環の保たれた網膜中心静脈閉塞症と半網膜静脈閉塞症では虚血型の網膜静脈閉塞症とは違ってその矯正視力は術後60か月まで改善する傾向を示しました。 発症後24か月以内の灌流のある型の網膜静脈閉塞症での矯正視力は、術前よりも術後に改善がみられました。

結論: 内境界膜切除を一緒に行う毛様体扁平部から行われる硝子体切除術は、網膜中心静脈閉塞ないし半網膜静脈閉塞に因っておきた黄斑浮腫において、解剖学的な改善をもたらし、その変化は5年は有効で、矯正視力にも改善が伴います。
ーーー引用修了ーーーー

hemi retinal vein occlusion半網膜静脈閉塞症
清澤のコメント:

この網膜中心静脈に対する硝子体切除は確かに良い治療法なのですが、最近ではアバスチン(抗VEGF抗体)の硝子体内注射の方が行いやすく、また効果も明らかなのでそちらが選ばれるかもしれません。

5年間の長期予後が出て有効とわかった時にはさらによさそうな方法が出ているというのは何とも皮肉です。現在の眼疾患に対する治療の変遷には大変早いものがあります。

先日、眼科医療の調査会社から調査の依頼がありました。その内容は、眼内への抗VEGF抗体注射に関するものだったのですが、その条件は”眼内への抗VEGF抗体注射”を自分の医院で行っている医院、ということで残念ながら当医院は該当せずということになってしまいました。

当医院ではその有効性は十分に認識していますが、眼内手術に準ずるものとして全例を関連の病院に依頼しています。市販されているものとはいえ、これを自医院で行っている診療施設がどれだけあるかは大変興味のわくところではあります。

画像はhttp://www.opt.indiana.edu/ce/retvasdz/vein.htmなどから借用

Categorised in: 未分類