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2009年12月11日

1168 認知症は失明よりも身体障害の重大な要因:低~中所得国の高齢者という記事があります

低~中所得国の高齢者における身体障害に寄与する最大の要因は認知症であったという記事が出ていました。

ーーー引用ーーーーー
認知症のPAPF中央値は25.1%で、それ以外の実質的な要因としては、脳卒中(同:11.4%)、四肢障害(同:10.5%)、関節炎(同:9.9%)、うつ(同:8.3%)、視力障害(同:6.8%)、消化器障害(同:6.5%)が確認されたそうです。

身体障害の地域間差は、健康に関する社会人口学的な特性の構造的な差によるところが大きかったということで、著者は、「世界疾病負担の解析では、低~中所得国の高齢者における身体障害の最大の要因は失明とされていたが、今回の実証的な調査では認知症の寄与が最も大きかった」と結論し、「慢性的な脳や心の疾患は優先順位を高くすべきである。身体障害に加え、介護者への依存にともない、ストレスの多い複雑で長期的な課題を介護者にもたらすことから、社会的なコストが膨大なものになる」と指摘しています。

Lancet誌2009年11月28日号掲載の報告で、イギリスKing’s College London精神研究所精神保健センターのRenata M Sousa氏らによる地域住民ベースの調査です。(元記事へ

(英文の元記事へ)ーーーーーーーーーーーーー
清澤のコメント:

認知症は、私のような眼科医にとっても興味のある領域です。認知症が高次視機能障害の原因となり、重篤な視覚障害を引き起こします。

Kiyosawa M, Bosley TM, Chawluk J, Jamieson D, Schatz NJ, Savino PJ, Sergott RC, Reivich M, Alavi A. Alzheimer’s disease with prominent visual symptoms. Clinical and metabolic evaluation. Ophthalmology. 1989 Jul;96(7):1077–1086

そのような見地からの研究や治療も進んではきているのですが、決定的な解決策は見つかってはいないようです。

この論文のいうところは、低~中所得国の医療水準も、やや向上し、白内障などのような手をかければ回復可能なものは既に治療が始まって、主座を認知症に明け渡したたということなのかもしれません。

日本でも米国でも低開発国における白内障手術援助キャンプなどのような運動への参加を呼びかける手紙やメールがしばらく前までは眼科医間に回っていました。

The WHO programme for the prevention of blindness and cataract in developing countries. Documenta Ophthalmologica, Volume 81, Number 3 / 1992年9月,339-344

しかし、このような話題も最近はあまり聞かなくなったようです。

 

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