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2009年12月10日

1167 飛蚊症?、内視現象?、光視症?、残像?

とらちゃんさんからの相談  [見え方で悩んでいます] 患者の気持ちの質問箱から

こんにちは。先生の的確なご判断には本当に感謝しております。お忙しい所申し訳ありませんが、気になって仕方がない見え方がありまして、どうかアドバイスをお願いできませんでしょうか。

今年の8月の朝、暗めの所でエレベーターを待っていながら、ふと東の朝の空を見てすぐに、視線をエレベターの階数表示(表示は赤文字ですが周りの色は黒)を見たとたんに、小さな何個もの光(白い点々)が中心あたりにきらめいて消えました。
それ以来、気にして見ると、いきなり裸電球などの光源や晴れた空を見た瞬間に、中心に黒やらグレーの点々(たとえばゴマ塩のようかもしれません)が一瞬見え、そのまま見ていると視野の中に光がきらめいて消えるのがわかります。中心に点々が見えないような、それほど眩しくない光であっても、すぐに暗い所に視線をそらしたり(目を閉じてもよく見えます)すると、少ないですがきらめく点々を感じます

で、逆に、明るい所でよく慣れた目で暗い所へ入ると、目を閉じていても開いていても、グレーっぽい残像が残る中心とその近くの視野に、黒い点々が点滅して消えていきます。ふとした生活の中で、明⇔暗の切り替えで、そういう小さな点々が見える度に落ち込んでしまいます。眼科は7月の末に眼底検査してもらい、特に中心付近をよく見てもらいましたが、きれいですよと言われ、半年後の診察となりましたが、心配で、かと言って早めに診察してもらうべきか迷っています。以前、ある大学病院で別の自覚症状で、予約外で行きましたら「見えないとかじゃないんだから、予約外に来ないで下さい」と言われて以来、行くのがひけてしまっています(大学病院で正常だという判断で、近くの総合病院に紹介状を出して、この7月からはそこにかかっています)。

眼を閉じていても開けていても見えるのはどうなのでしょうか?もし網膜の機能が低下すれば、眼底検査やOCTとかでわかりますか?どうか宜しくお願いいたします。長々と申し訳ありません。

お答:
眼底を肉眼で見て異常はないか?
アムスラー視野で中心部にゆがみがないか?
それでその次には
OCTで網膜に変化が出ていないか?、
ハンフリー視野で網膜感度の低下がないか?
などと順に見てゆきます。

その辺りまでの形態と機能に異常がないかというあたりを私の医院では見ましょう。

そのうえで必要なら、
形態面で蛍光眼底撮影、
機能面で網膜電気図や局所網膜電図が必要となれば
大学病院や県立総合病院クラスの病院に検査を依頼します。
内視現象
まず内視現象(Blue field entoptic phenomenon)という青背景でゴマが見えるような正常な現象があります。これは内視現象の項をご覧ください。

glial ring

この患者さんの訴えを見ますと、おそらくは飛蚊症黒く小さなゴミが浮いて見えて、視線を動かすとそれも付いて来る。多くは後部硝子体剥離にともなって発生したものであり、視神経に付いていたグリアルリングが加齢に伴う硝子体の液化で前方に引きはがされたものによる影)
(http://dro.hs.columbia.edu/weiss.htm:図の出典コロンビア大学HP、ダブルクリックで拡大できます)

ないし、光視症(硝子体が液化して前方に移動するときに、網膜と硝子体の後ろの膜の間に癒着があれば、網膜が前方に引っ張られるから、その刺激を暗い部屋でも光として感ずることにより光が視野の中に感じられる。)が起きている可能性が高いのでしょう。どちらも40歳代ではありますが、老人性の軽い変化です。

vitreomacular traction
この場合、OCTで網膜を写してみると引っ張っている硝子体が見える(vitromacular traction)こともありますが、見えないことも多いです。
http://www.williamsoneyeinstitute.com/theretinacenter/trc_vmt.php

網膜に穴が開いていれば、場合によっては光凝固や本格的な手術が必要であり、その時には関連病院に検査や治療の依頼をします。網膜剥離がなければあまり心配はありません。

また黄斑変性の初期である可能性もあります。その場合にはそれと説明して循環改善剤その他を処方して眼科では繰り返し見てゆくことになります。
残像
(http://blog.eplus-kumagaya.com/?eid=885298から残像を惹起する図形)
明るい所でよく慣れた目で暗い所へ入ると、グレーっぽい残像が残る”というのは単に健康人に見られる残像を見ているのか、黄斑に軽い変性があるのかが多少気になります。

このようにあなたの症状には気になるところがありますので、眼科への継続的な受診をお勧めしたいのですが、以前私が勤めていた大学病院でも、患者さんが多すぎて医師が手一杯になっておりますので、”当病院は重病人を相手にしますので手術につながらないような疾患の患者さんには興味がないのでお引き取りください”と言った不親切な対応をするのが比較的普通でした。県立病院ではまだそれに近い対応がなされている可能性があります。

その点、開業医では”一人の患者さんに来ていただいてなんぼの世界”ですから、特に質問時間が長すぎて診療の流れを止めてしまうというような方でなければ、ふつうは繰り返しでも診察を嫌がることはしません。

ですからしっかりと眼底を見られる実力のある開業医を探して定期的に見てもらうのがよいでしょう。そこで一人の医師とのコミュニケーションが成立すれば、患者さんの心配も薄らぎ、同じ質問を繰り返す必要も減ると思います。

開業医での診療で、手術や精密検査がさらに必要という疾患がみつかれば、注意点を指摘して規模の大きな病院に紹介状を出すことになると思います。

見るべき点が指摘された(私の大事な患者さんを大事に見て差し上げてくださいという)先輩の医師からの紹介状を持ってきた患者さんに対するのと、(X大学と、Y病院とC有名眼科にかかったが気にいらないというお話を持って)ドクターショッピングの果てという風情でフリーで飛び込まれるのとでは、残念ながら医師の客あしらいはずいぶん違うというのが現実です。

 当医院にはこのようにいくつかの医療機関を回ったうえでセカンドオピニオンを求める患者さんが少なくありません。やや遠いですが、よかったらご予約の上お訪ねください。

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