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2009年11月24日

1147 発生した時期がはっきりしない原因不明の視力低下?視神経症?

母親の右目の視力が上がりませんという質問を受けました。眼科を受診したが、全く異常は見つからないとか。前眼部から眼底までに異常がないとすれば、視神経の疾患でしょうか?

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54歳になる母のことで相談します。母は以前は視力が良く、1.0以上でした。そのため、老眼になるのは早く数年前から老眼鏡を使用していましたが、いつもめがねが合わないと言っていました。そして、今年の夏ぐらいでしょうか、それがさらに悪くなったようで、テレビを見るのもつらいという状況でしたが、めがねが合わないからだろうと思っていました。

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そしてつい10日ほど前、さらにつらい状況になり、右目がおかしいと思ったらしく、眼科に行き、視力や眼圧などの一般的に調べることを程度調べた結果、右目の視力が、全く目に異常はないにもかかわらず上がらないと診断されました。

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右目がぼやーとしているため、本を読んだりするのも難しく、車の運転も極力避けている状況です。生活に支障が出てしまっています。10日前に検査をした病院で、大学の先生が来られるからと、同じように検査をしましたが、はやり原因は分からず、母は途方にくれています。このまま目が見えなくなっていってしまうのでしょうか?原因が分かれば対処法も分かるのに、何も分からない状況で困っています。 ご助言を頂きたいと思っています。
よろしくお願いいたします。
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(上の質問文を少し整理しました)
54歳女性、生来やや遠視気味、主訴は発生した時期がはっきりしない右の視力低下(程度は不詳)、痛みや眼球運動障害はなし。前眼部、中間透光体、および眼底に異常なし。

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お答:若い時からの弱視ではなくて、少し遠視気味の目なのでしょうね。眼を前から考えてゆきます。
1)角膜表面に傷や混濁、表面の乱れがある?:これが見落とされることは少ないでしょう。円錐角膜なら見逃されることが有りますが、この場合は強い乱視があります。

2)軽い白内障?。:眼鏡視力が0.6くらい二低下したということなら、これもありえます。白内障ならば外から写した眼底写真もぼやけているはずです。

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3)網膜硝子体疾患:加齢黄斑変性や黄斑円孔ならば、眼底をそのつもりで見ないと異常は見落されることがあります。OCTで網膜断層図を見ると明らかに異常がわかります。

4)AZOORなどと呼ばれる特殊な網膜の疾患では網膜の外見は変わりませんが、視野での反応沈下があって、網膜の電気的な反応(網膜電位、ERG)は弱くなります。事に局所ERGの低下が明らかです。

5)緑内障:視野を測ると、特有な視野欠損の仕方をします野でそこから診断を推定できますが、普通は視神経乳頭にも緑内障特有な変形が見られます。

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6)視神経疾患:通常の眼科診療では分からず、ということならば、視神経炎や視神経萎縮、視神経を圧迫する腫瘍(大抵は眼ではない良性腫瘍のことが多いですが)
など視神経から視路の疾患も低い頻度野疾患ではありますが、一定頻度では起きる疾患です。この場合にもっとも参考になるのは、瞳孔の対光反応に左右の差がみられることです。これをマーカスガン瞳孔と呼びますが、これがあれば、徹底的にMRIなどで視神経から下垂体にかけての部分を調べ直します。この場合は色覚も下がるので右眼で見える赤は、左同様に鮮やかですか?と聞いてもよいでしょう。

7)視神経交叉(脳下垂体付近の視神経)より上位の視覚路の障害ならば、左右差なく両眼で視力と視野が同様に侵されるはずですからこの症例には合いません。

と、考えると6)の視神経疾患でしょうか?
治療の奏功する物も、奏功し難いものもありますが、一度見ないとこれ以上の事は考えられません。都内であれば、一日かけてこちらまで来てみませんか? 近所で解決できない悩みを持って北海道から沖縄、さらには海外まで、と医院の患者さんの住所分布は広いです。くれぐれもお大事に。

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