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2009年11月15日

1134 第47回日本神経眼科学会、3日目の話題から

2009年11月15日午前中で神経眼科学会が終わりました。第3日目は眼筋と眼窩の話題で症例報告が主でしたから聞いても理解しやすくコメントも出しやすいものが多くありました。いくつかを再現してみましょう。

J-55 高IgG血症を呈した外眼筋腫大症例 東山智明(滋賀医大眼科)ほか
滋賀医科大学から発表された症例は両側の涙腺腫大に外眼筋の腫大を伴う症例で、IgG4で染色される唾液腺をもつ一例でした。

清澤の感想:ミクリッツ病と全身性IgG4関連疾患(SIPS)というページに記載のある疾患に似ていると思いましたのでここにそのページへのリンクを足して置きます。(⇒リンク)http://web.sapmed.ac.jp/im1/SubPage/04_Kenkyu/Kaisetsu03.html
診断には涙腺の生検が出来れば話は早いのですが、上のページを見ますと、IgG4関連ミクリッツ病の診断基準は、涙腺唾液腺に3月以上続く対称的な炎症を持つ、血清学的に血清のIgGが135mg以上、病理で涙腺唾液腺にIgG4陽性細胞形質細胞が見られるものという事のようです。
私のブログのミクルクツ(ミクリッツ)病のページは次の通りです。https://www.kiyosawa.or.jp/archives/51349613.html

J-53 診断に苦慮した小児眼瞼下垂の一例 後関利明 ほか (北里大学眼科)

これはマーカスガン現象です。この眼瞼下垂では、筋無力症などを疑って、結局は下顎運動に伴い眼瞼挙上がおきるマーカスガン現象であったということでした。私のブログの関連した記事のページは
134, マーカスガン現象、Marcus Gunn jaw-winking phenomenon
https://www.kiyosawa.or.jp/archives/50592387.html⇒リンクです。

J-51 複視で発症し、重症筋無力症とBasedow病を認めた36歳男性例 伊佐早健司(聖マリアンナ医科大神経内科)ほか

GAD抗体陽性という単語がキーワードで、重症筋無力症とBasedow病に1型糖尿病を合わせて多腺性自己免疫症候群(APS)3型というのだそうです。
清澤のコメント:Polyglandular Autoimmune syndrome Type 3 (PAS 3) の話を書き始めるとそればかりになってしまいそうですので稿を改めますが、http://autoimmune.pathology.jhmi.edu/diseases.cfm?systemID=3&diseaseID=68⇒リンクにはそれらしい総説が出ていますが、3型の定義がよくわかりません。1型糖尿病に甲状腺疾患を伴えばよいのでしょうか?

J-44 有機ヒ素化合物中毒者の慢性期における眼球運動異常 中馬越清隆(筑波大学神経内科)ほか
2003年に茨城県で見つかったジフェニルアルシン酸(DPAA)の急性中毒ではめまい、ふらつき、高次機能障害、失調、不随意運動、眼球運動異常がみられたと言うが、その後長期で見た際に残存していた眼症状は上向き眼振が62%が、下向き眼振が12%にみられたとの報告で、カハール間質角、前庭神経核などの小脳・脳幹障害を反映しているとのことでした。
清澤の感想:まあ実際にヒ素中毒を見ることは多くはなかろうが記憶の端にとどめておこう。

J-47 先天眼振として眼科を初診したPelizaeus-Merzbacher病の女児の一例 河野尚子(宮崎大学眼科)ほか

Pelizaeus-Merzbacher病は髄鞘形成不全疾患の一つ(⇒疾患概念の解説にリンク)。経度発育遅延と筋緊張低下あり。MRIで髄鞘形成不全を指摘された。染色体検査、遺伝子検査でPLP1遺伝子(qX22)の重複が確認され、Turner症候群とPelizaeus-Merzbacher病との合併と診断されたという。(疾患はx染色体劣性遺伝なので通常は男性に見られるのだがTurner症候群なので女性に出たとの話。)眼振のある小児では髄鞘の発育が悪いPelizaeus-Merzbacher病も考えてみるべきであると。これもいま症例を収集中の先天眼振がらみで押さえておきたい。

PMD(これは別の放射線画像のページLeukodystrophy in Children: A Pictorial Review of MR Imaging Featuresの写真です

まあ今日はこのあたりで。

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