お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2009年10月28日

1106 涙腺に腫脹を示すミクリクツ病Mikulicz diseaseとは?ミクリッツ症候群Mikulicz syndromeとは?

ミクリクツミクリクツ病とは?
答:涙腺(と唾液腺)に慢性の腫脹を示す疾患であって、ジェーグレン症候群に類縁の自己免疫性の疾患です。同じ症状を示すことがある白血病,結核,サルコイドーシス(類肉腫症)などとの区別には病理組織診断が必要です。
ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ミクリクツミクリクツ博士
Mikulicz病という言葉は涙腺が腫れる疾患として教科書にも昔から記載がある疾患ですが、はたしてどのようなものなのでしょうか?長年(30年ほど)眼科医をしていても、これがミクリクツ病だという症例にはであったことがありません。眼免疫を専門に研究している後輩にも何のことだろうか?と首を傾げられました。それでこの辺りの概念を調べて、整理してみます。

札幌医科大学のYamamoto Mらはミクリクツ病を次の基準で診断しています。(Rheumatology 2005 44(2):227-234;)(i) 肉眼的に左右が対称的で持続する涙腺と主な唾液腺(耳下腺と顎下腺)のうちの2つ以上の腫大
(ii) 明らかな単核球(ひとつだけの核を持つ白血球)の浸潤が涙腺や唾液腺にある。(iii) サルコイドーシスやリンパ球が増殖する疾患で涙腺が腫脹するものを基礎に持っていないこと。(ミクリッツ病と全身性IgG4関連疾患(SIPS)参照

そこで、ミクリクツをさらにネットで調べてみますと、ミクリクツ症候群Mikulicz syndromeとミクリクツ病(Mikulicz disease)とが分けられるという記載があります。

藤田保健衛生大学耳鼻咽喉科の内藤健晴博士は、その定義・概念として:”唾液腺,涙腺に対称的な腫脹を有し,白血病,結核,サルコイドーシス(類肉腫症),リンパ系肉腫症などの基礎疾患を持つものをMikulicz症候群,持たないものをMikulicz病とする”としています。

また別の論文でも、ミクリクツ症候群は”症状の集合体であって、リンパ腫、サルコイドーシス、アミロイドーシス、エイズ、などなどの 様々な全身疾患によって引き起こされる涙腺と唾液腺に腫大を引き起こす疾患群であって、組織検査でその診断が明らかになる”と記載しています。要するに、その診断を明らかにするのには組織の破片を切り取って顕微鏡で調べる組織診断が欠かせないということです

このミクリクツ病というものを、ほかの類縁疾患と並べて考えてみましょう。目には乾燥性角結膜炎を、また管節にリウマチ様の関節の炎症を示す原発性のシェーグレン症候群に、このミクリクツ病は昔から含めて考えられていたもののようです。しかし、特徴的な涙腺と唾液腺の腫脹という症状があって、免疫学的な反応は少なく、ステロイド治療によく反応するという特徴を持つものであるとされています。

さて少しはミクリクツ病の位置づけが分かっていただくましたか?
その結論は、
涙腺(と唾液腺)に慢性の腫脹を示す疾患であって、ジェーグレン症候群に類縁の自己免疫性の疾患です。同じ症状を示すことがある白血病,結核,サルコイドーシス(類肉腫症)などとの判別には組織を切って調べる病理組織診断が必要です。
ーーーーーーーー
11月15日の神経眼科学会に滋賀医科大学から発表された症例は両側の涙腺腫大に外眼筋の腫大を伴う症例で、IgG4で染色される涙腺をもつものでした。
ミクリッツ病と全身性IgG4関連疾患(SIPS)というページに記載のある疾患に似ていると思いましたのでここにそのページ(札幌医科大学内科のページ)へのリンクを足して置きます。
http://web.sapmed.ac.jp/im1/SubPage/04_Kenkyu/Kaisetsu03.html

ーーーーーーーー
best doctors logo vertical (ベストドクターズとは)

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

管理頁
清澤眼科医院通信最新ページへ(リンク)します

相互リンクページ,相互リンクstation) 眼科眼科医フォーチュンクッキー日記&ブログ
眼医者さんのリンク集 | Ganka Links

Categorised in: 未分類