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2009年10月25日

1100 日本における視覚障害の社会的総負担は8兆7854億円

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(図の出典)

”日本における視覚障害の社会的コスト(日本眼科医会研究班報告 2006ー2008)”という、視覚障害の社会的総負担は8兆7854億円目であるという、目に関する話題を論ずる者にとって見逃せない冊子が日本眼科医会から送られてきています。

この内容は先日の毎日新聞の記事として紹介されていて、ネットにもしばしば引用されていますのでご存じの方も多いでしょう。775
その報告書の原本を読み直して見ますと、前書が日本眼科医会会長の三宅謙作先生によって書かれています。それを見ますと、東京医療センターの山田昌和先生と順天堂大学の平塚義宗先生が実際に研究をしたことが紹介されています。

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山田先生は先日の臨床眼科学会のインストラクションコースを一緒に行ったお相手ですし、平塚先生はつい最近まで私の診療所のすぐ近くにある江東高齢者医療センター眼科のリーダーとして特に手術室でお世話になっていた方々です。皆さんとても頑張っておられるのですね。

その報告書の要旨をさらに短縮して紹介します。
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ーーーー要旨の引用ーーー
2007年現在、日本には推定164万人の視覚障害者がいる。このうち約19万人が失明者であり、145万人がロービジョン者である。

視覚障害者50%は70歳以上であり、60歳代は22%であるから、60歳以上の視覚障害者が72%である。
人口構成の変化に伴い視覚障害者数は現在の1.3%から2030年には2.0%に増加する。

2007年の視覚障害に基づく経済コストの総額は推定2兆9217億円/年である。(内訳は、医療制度支出による直接コストが1兆3382億、間接コストは1兆5835億円である。)

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視覚障害の経済コストは
直接コスト(診療コスト、入院と外来の医療費合計)と
間接コスト(つまり有償・無償の自宅でのケアと家族などによるサービスを含むコミュニティー・ケア費用)に分けられる。

これとは別に、疾病負担コストが個人の健康年数喪失として計算され、推定5兆8636億円/年である。

経済コストと疾病負担コストを合計すると疾病の社会的総負担は1年あたり8兆7854億円である。

疾病負担コストの内訳
直接的経済コスト 15.2%
間接的経済コスト 18.0%
疾病負担コスト  65.7%

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負担する側の内訳から見ると、
個人負担 22.1%
政府負担 32.6%
社会負担 41.8%

疾病負担コストを含めた総コストの負担内訳では個人負担の割合が増えて、
個人負担 74.0%
政府負担 12.1%
社会負担 13.9%
である。

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視覚障害は多大な社会的コストをもたらしている。
医療制度支出として表に表れない間接費用や個人の疾病者負担(QOLの低下分)が多くを占める。そのコストは本人のみでなく家族や社会の負担である。

予防や早期診断に対する国民意識の向上、より積極的な治療、ロービジョン・ケア、そして研究と新しいテクノロジーの導入により、日本社会における視覚障害を減らすことは、患者とその家族の生活の質を向上させることはもちろん、同時に、日本経済の生産性増大にも大きく貢献する。
ーーーー要旨のさらに短縮終了ーーー

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清澤のコメント:
毎日新聞の記事はかなり正確にこの内容をまとめていますが、読み通してみておかしな部分があります。

毎日新聞の記事には”また、視覚障害者は、70歳以上で半数を占め、60歳以上の人の72%に達し、全年代において女性よりも男性の有病率が高かったとしている。”という部分がありますが、これは報告書の内容を読み間違えています。

”60歳以上の住民の72%が視覚障害者であるはずはなく、視覚障害者の半数を70歳以上の視覚障害者が占めていて、同様に視覚障害者の72%を60歳以上の視覚障害者が占めている。”と読まねばなりません。

このようにデータを見直してみますと、日本の国家予算の10%にも相当する金額が視覚障害ということによって毎年失われて言うということがわかりました。また2008年度の日本の国内総生産(GDP) は497兆6787億円ですからこの値は10/500として約2%ほどにもなりますか?

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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