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2009年10月24日

1097 医薬品副作用被害救済制度の記事が出ていました

医薬品副作用被害救済制度の記事が先日の毎日新聞に出ていました。

医薬品副作用被害救済制度は、薬剤に関連して健康被害を被ってしまった場合に、薬を投与した医師や病院、それに製薬会社などを相手取って、不法を咎める訴訟を起こすのとは別のアプローチになるかもしれません。

ーーー引用開始ーーー
医薬品副作用被害救済制度:医師の認知36% 被害者放置の恐れ
 医薬品の副作用などに関する国の健康被害救済制度について、運営主体の独立行政法人・医薬品医療機器総合機構(PMDA)が認知度を初めて調査したところ、制度を「知っている」と答えた医療従事者が37%にとどまった。約半数は、書類を作るのが面倒などの理由で、被害者に申請を勧めようと考えていないことも判明。医療者側の認識や説明の不足で、救済されるはずの被害が放置されている可能性が浮かんだ。【清水健二】

 健康被害救済制度は、適切に薬を使用したのに入院以上の副作用が出た場合、製薬会社や医療機関に過失がなくても、製薬会社の拠出金から一定額(死亡一時金の場合は約713万円)が支払われる仕組み。80年にスタートし、04年には輸血に伴う感染症なども対象に加わった。08年度には690人の被害に計約18億円が給付された。
ーーー中略ーーー

 給付を受けるには、診断書作成など医師の協力が必要だが「制度利用を患者に勧めたい」とした医療従事者は半数以下の49%。勧めたくない理由は▽書類作成が複雑・面倒▽時間を取られる▽不支給になると患者から責任を問われる--などが多かった。一般国民は84%が「副作用被害に遭ったら利用したい」と答えていた。

ーーー中略ーーー

 全国薬害被害者団体連絡協議会世話人で、PMDA救済業務委員の栗原敦さんは「患者が申請するかどうかは、医療機関の対応に左右される。医療機関は多忙な医師に任せず、薬剤師らも活用して組織的に対応してほしい」と指摘している。
ーーー引用終了ーー

清澤のコメント:
勉強不足でこのような制度があること自体を知りませんでした。
眼科で対応を迫られる症例には、エタンブトールなどで視力を永続的に失う症例があると思います。

この制度に申請するには投与した医師からの投薬証明と診断した医師による副作用現認の診断書が必要なのでしょうか?毎日の記事にもあるように、担当医としては投薬照明を書いて健康被害救済制度に申請したのちに否認されたら、請求の矛先が自分に向いて来はしないかなどという心配もしてしまいそうです。

本日の日本経済新聞には”今月から接種が始まった新型インフルエンザワクチンで副作用があれば、現時点では同制度の対象となる。このため厚生労働省は制度を周知し、医療関係者に対しては患者から副作用の相談があれば説明するよう求める。”というコメントも出ていました。(私の医院には医療従事者向けの新型インフルエンザワクチンの割り当てはもらえなかったのですが、大学の同級生が作っているメーリングリストの連絡では、今回の新型インフルエンザウイルスのワクチンは結構強い副作用が出る場合が多いとも聞きます。)

ネットに出ている記事の引用だけでは能がないので、この制度を紹介するページを自ら訪ねてみますと、もっとも副作用が考えられる抗がん剤は除外薬剤になっています。また、過去にどのような例が認められ、どのような例が否認されたかというすべての症例の膨大な表が出ています。

ざっと目を通しただけでも、目に関するものでは、
ステロイドによる緑内障で失明したという例が第一例でした。
エタンブトールによる視神経委縮の例は認められなかったり認められたりです。
向精神薬による遅発性ジスキネジアの例も認められたものにあります。
従来型のインフルエンザのワクチンでギランバレー(神経の麻痺による運動の障害)という例も重症例なのでしょうが、いくつか散見されました。

ただし、精神病になにがしかの薬を使ってジスキネジアが起きたという場合には、精神科のお治療に必要があって使ってきたその薬剤がその後使えなくなるとすれば、必要な向精神薬がその後使い続けられなくなるという新たな問題が生じるかもしれないとも考えられます。

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