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2009年8月16日

985 後部硝子体剥離に伴う硝子体混濁の治療について、質問とお答

硝子体混濁のヤグレーザーによる破砕治療についての質問をいただきました

まずは質問から:
2月に右目の網膜剥離復位手術(バックリング)を行いました。眼底の経過は順調とのことで、裸眼視力は落ちたものの、矯正すれば以前と変わりなく見えています。

一方、術前には知覚することのなかった飛蚊症(大きな濁りとその中のリング状物体)に悩まされていまして、主治医や他のドクターに相談しても処置法はないとのことです。(※ 理論上は、硝子体内の濁りや浮遊物を手術にて除去すれば改善するのだそうですが、メリット<リスクとのことでオペによる除去は非現実的だそうです。)

清澤先生にお伺いしたいのは、米国にはYagレーザーを使って混濁(飛蚊)を除去する治療法があるそうなのですが、先生ご自身あるいは日本の他のドクターにて同様の治療を受けることが可能かどうかという点です。

どうも飛蚊は病いではないと仰る先生方が多い中、患者にとっては深刻な問題につき、ご助言をいただければ幸いです。先生の手で治療いただけるのであれば飛んで参上いたします。

ご参考までに、米国における実際のレーザー治療の動画(YouTube)と、Yagレーザーを使った治療を実際に行っている3名のドクターのURLを以下に記載致します。

このアプローチに対する先生のコメントも併せてご披露いただければ幸甚に存じます。

以上、宜しくお願い致します。

レーザー手術動画:
http://www.youtube.com/watch?v=dw0B2Ly8PFM&feature=player_embedded

米ドクター1:
http://www.vitreousfloatersolutions.com/index.html

米ドクター2:
http://www.eyefloaters.com/

米ドクター3:
http://vitreousfloaters.com/

お答:
御指摘の諸ページを拝見しました。これは、通常の後発白内障を切開するのに使う手法と同じものであって、別段の難しさはなさそうに見えました。もしかすると、眼の前につけて使うレンズが多少目の深部に焦点を持つように多少工夫されているかもしれません。

この程度のことならば日本国内にそれを行っている眼科医がいても不思議はないようにも見えるものであります。

ここで扱っている混濁は視神経乳頭からひきはがされたグリアリングと呼ばれる後部硝子体剥離の一部で、それなりに強い混濁を示すものです。

硝子体剥離を取るにはまず硝子体切除があるが、それは網膜剥離や硝子体出血を起こすこともあるからリスクと利点を比べると硝子体混濁だけの例には滅多に行われないとも述べています。
その点このヤグレーザーによる破砕は安全だというわけです。

水晶体のある眼であれば白内障を起こすかもしれないという危惧はありますが、人工水晶体眼であればその危険もないでしょう。

ヤグレーザーで細かく破砕された硝子体混濁は小さくなって前ほどには見えなくなり、数日の多少の炎症の後にはいずれは眼内で白血球に呑食され消失するのでしょう。
というわけで私にもこの処置は理にかなったもののようには見えるのです。

しかし、一般の話として医師は自分の師匠に”このような手順でこのように手術するとうまくいく”、と教えられたとおりの事しか患者さんに対しては施術しないように教えられています。

それは、アイデアとしては良くても実際に新しく試みてみると予想外のことが起きる場合が少なからずあって、とんでもないことが起こるかも知れないので、新しい事は無暗には試みるなかれとたしなめられながら保守的に育てられているからです。

あいにく私はヤグレーザー装置を自分の診療所には持っておりませんし、後発白内障の切除に自分が使わせていただけるヤグレーザーの装置が近隣の大学にあるといっても、経験のない手技を患者さんにそこいらで試して差し上げる勇気は持ちません。

という事情ですので、国内のどこかでこの処置をしてくださっている医師をお探しになるか、このビデオの医師を米国までお訪ねになるかを考えるしかないかもしれません。

しかし、このビデオを作った医師を今まで私は知りませんでしたし、その手法があまり広く流布しなかったのには何かの別な理由があるのかもしれないと疑ってみることにも一理あるかもしれないと思った次第です。

あまり役に立てるコメントでなくて済みません。
くれぐれもお大事に。
一度お訪ねくだされば、一緒に対策を考えてさし上げられるかもしれません。

追伸:
その後、この質問者から再度のメールをいただきました。
曰く、このレンズは日本国内にもインターネットに出ている信用できそうな機材輸入業者を通してすでに輸入がなされているそうです。そうしますと、案外国内でこの処置を始めている医師はいるかもしれません。問題になる点としましては、この手技が保険収載されておらず、保険請求の仕様がないということなのでしょうか?
責任を持ってこの処置を行ってくださる眼科専門医がおられましたら、この質問者に個別にお伝えしますので私にお教えください。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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