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2009年5月17日

893 翼状片に対するベマシズマブの結膜下注射の効果という論文を見ました

アバスチン構造翼状片に対するベマシズマブの結膜下注射の効果という新しい翼状片に対する治療法を考えた人がいて、その紹介の論文が英語の雑誌に出ていました。
ベバシズマブ (Bevacizumab)は商品名がアバスチンで、血管内皮細胞増殖因子 (VEGF) に対するモノクローナル抗体であり、VEGFの働きを阻害することにより、血管新生を抑えたり腫瘍の増殖や転移を抑えたりする作用を持ちます。最近流行りの分子標的治療薬の一つであり、大腸がんの治療薬として日本にはすでに入っていて、抗がん剤として使用される他、加齢黄斑変性や糖尿病性網膜症の治療薬としても期待され、一部の病院ではその眼内での血管増生を抑える治療にも保険医療で使われはじめています。

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翼状片も血管を伴う組織が反応性に角膜の上に伸びてゆく良性の疾患ですから、このような治療法はあってもおかしくはないという感じです。しかし、まだ日本の医療制度の中では認められたものではないので、そのような方法も有るかとしながら、しばらくは自分が使うというのではなく、広まってくるかどうかを見てゆくことになるでしょう。
当分は、”こんな方法が有るそうなのですぐにやってくれ”と言う訳にはゆきません。

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現在は局所麻酔を注射してから、結膜側の翼状片に繋がる組織と角膜上の欠陥を含む組織を一塊として切除し、健康な結膜を上の輪部付近から有茎弁で持ってきて欠損部分を覆うように形成するというのが普通の治療法です。その際、薄めた抗がん剤マイトマイシンを少しつけておくと再発が少なくて済むと考えてその方法を行う医師もいます(リンク)。
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ーーー引用開始ーーー
翼状片に対するベマシズマブの結膜下注射の効果
Teng CC, Patel NN, Jacobson L;
Cornea(角膜) 28 巻(4号), 468-70ページ (May 2009)

目的: 翼状片に対するベマシズマブの結膜下注射の効果を検討すること。

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方法:炎症があって角膜の鼻側に発生した翼状片で人工涙液やナパゾリシン(naphazoline)に抵抗するものをあつめた。プロパラカイン(proparacaine)とモキシフロカイン(moxifloxacin)での点眼前処置後、 ベマシズマブ(bevacizumab 0.05 mL、1.25 mg/0.05 mL)を輪部結膜に注射した。臨床的違和感や充血、それに新生血管の発生を7週に亘って調べた。

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結果: 注射の1週間後、刺激症状と充血はほぼなくなった。2週目でも翼状片の形は残っていた。7週までに血管新生と症状は注射部位で無くなっていた。
結論:原発性の翼状片での血管増成と違和感の症状はベマシズマブの結膜下注射で短期的に消退した。より長い期間での副作用は、その他の成長ホルモンの局所的投与の効果と翼状片の病因論と共に論じられるべきである。
ーーーー引用終了ーーーーーー
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清澤のコメント
ベマシズマブは血管増成因子であって、最近では黄斑変性にも用いられていましたが、今回は翼状片の治療にも使えるという論文が出たわけです。
いずれも国民健康保険に取り入れられるのは先でしょうが、今回ここに紹介をしておきましょう。

補追:
アバスチンで脳転移の画像診断をしようという記事もありました。アバスチン画像http://www.ecco-org.eu/binarydata.aspx?type=doc/Wang_imaging_bevacizumab_final.pdf
というプレスリリースではこのアバスチンに標識すると癌がPETで画像化できるという話もあるそうです。わたくしたちが昔(もう20年も前ですね)、フルオロウラシルで癌の画像化を試みたような話ですね。最近のPETにはFDGのほかメチオニンなどが多く使われています。
Orbital tumor diagnosis by positron emission tomography using 18F-fluorodeoxyuridine
Authors: M Kiyosawa, K Mizuno, K Ishiwata, S Watanuki, M Monma, T Ido, Y Abe, H Fukuda, T Matsuzawa
The distribution of 18F-labeled 5-fluoro-2′-deoxyuridine (18F-FdUrd) in orbital tissue, tumor and aseptic inflammation was examined in rats. The distribution in paraorbital structures, other than bone, was low. The tumor-to-organ ratios were sufficient for tumor imaging by positron emission tomography (PET). Positron emission tomography with 18F-FdUrd clearly showed the experimental orbital VX-2 tumor in rabbits. The difference between the experimental orbital tumor and croton oil-induced aseptic inflammation or a normal orbit was apparently established in the PET image with slow and fast clearance of radioactivity, respectively.
Ophthalmic research. 01/02/198602/1986; 18(5):292-8.

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