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2009年5月5日

884 未破裂の前交通動脈瘤に眩しさを訴えるものがある、という論文が出ています。

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それはNeurol Med Chir (Tokyo). 2009 Apr;49(4):159-61.に出ている
Photophobia as the visual manifestation of chiasmal compression by unruptured anterior communicating artery aneurysm. Case report.です。

著者はHagihara Nらで、佐賀の病院の脳外科からの報告です。

内容は、”37歳の女性が視力低下を伴わない眩しさの訴えで来院し、未破裂の前交通動脈瘤が見つかった。彼女は進行性の羞明を一年間訴えていた。神経画像診断は視神経交叉に接する前交通動脈瘤を示した。この眩しさは動脈瘤のクリップで消えた。眩しさを訴える患者では前交通動脈の動脈瘤も考えるべきである。”というものです。

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”眩しいと言ったら前交通動脈の動脈瘤も考慮すべきである”と言ってしまいますと奇妙な結論になってしまいますが、このような症例報告の落ちとしてはやむをえないところでしょうか?

このような視神経交叉への圧迫で羞明を訴えるものは
Photophobia as the presenting visual symptom of chiasmal compression.というKawasaki A, Purvin VA.の報告(J Neuroophthalmol. 2002 Mar;22(1):3-8)が有名です。彼女は5例の眩しさを主訴として視力や視野があまり侵されていなかった視神経交叉を圧迫する症例をまとめています。3例が下垂体腺腫、そして頭蓋咽頭腫と脊索腫が各一例です。

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それに”視神経より上位の脱髄性病変での羞明”Photophobia associated with a demyelinating lesion of the retrochiasmal visual pathway. Kawasaki A, Borruat FX.(Am J Ophthalmol. 2006 Nov;142(5):854-6.)として脱髄例を加えています。

眩しさは、光刺激に対して眩しいという不適切な光刺激であるという感覚を持つ状態です。角膜の傷であっても、このように視神経あたりに対する物理的な刺激でも訴えることのある症状です。その分類はいまだに適切なものがないと思います。

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このほか眩しさについてのやや詳しい記載は、若倉先生と山田先生と私も加わって作った続・解決!眼と視覚の不定愁訴・不明愁訴というほんの中にもあります。

この中で大石と若倉は

1)角膜、水晶体、網膜などの器質的疾患(睫毛内反、先天白内障、先天緑内障、先天無虹彩、白子網膜症、レーベル先天黒内症など)の有無を検討する。
2)斜視眼、弱視眼に生じる羞明感は一種の混乱視である。
3)眩しさを愁訴に受診しても必ずしも真の眩しさではなく複視や痛みを回避する行動であったり、(小児チックなど)心因性のものや、眼球上転発作などの)薬剤性のもの可能性も考慮すべきである。

としています。

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そこで先日、トランジションズというレンズ会社のホームページを見ていたら、次のような記載がありました。

ーーー引用開始ーーー

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視力とまぶしさ
ものを見るには、光はなくてはならないものです。しかし、強すぎる光や弱すぎる光は、視力低下を引き起こします。強すぎる光によるまぶしさ、つまり、極度な明るさは、注意散漫になるだけでなく、危険でもあります。日陰から明るい日差しの中に移動したとき、光沢のある金属面の反射など、昼でも夜でも様々な状況でまぶしさに遭遇します。まぶしさは、眼を細めること、眼へのストレス、眼性疲労、そして極端なケースとしては一時的な視力喪失の原因となる可能性もあります。まぶしさは眼のやすらぎと視力を低下させ、健全でより良い視覚を減退させることに繋がります。

4種類のまぶしさ

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1.見えにくくするまぶしさ
あなた自身のメガネレンズに光が反射して、他の人があなたの眼を見ることができない状況、レンズの裏側もしくは内側で反射した光のせいであなた自身の姿がレンズに映って見える状況のまぶしさのことです。夜間の車のヘッドライトもこのまぶしさにあたります。見えにくくするまぶしさは、眼性疲労や不快感の原因となります。
(清澤注:グレアともいうべき散乱光のまぶしさでしょうか)

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2.不快なまぶしさ
明るい太陽光などが、このまぶしさに該当します。人それぞれの感受性により、どのような天気でも、どのような時間でも、また、どのような光の強度でも感じるものです。一定の光の状態から別の光の状態に移動したときなどにも感じます。思わず眼を細めてしまうことや眼性疲労を引き起こす可能性があります。(清澤注:その状態における明順応よりも強い照度の光ということでしょうか。)

3.視界をさえぎるまぶしさ
太陽に顔を向けた時のような、極度に強い光が原因となるまぶしさです。網膜に映る映像のコントラストが低くなるためものが見えなくなってしまいます。
(清澤注:網膜像のコントラストを下げる状況と言いたいわけですね。)

4.眼を襲うようなまぶしさ、反射によるまぶしさ
水面、砂浜、または雪原のような滑らかで光沢のある表面に反射した光が原因となるまぶしさです。非常に強烈な光であるため、ものが見えなくなってしまいます。反射した光は偏光していますので、この種のまぶしさを軽減するためには偏光レンズが必要となります。(清澤注:光の位相がそろわぬとまぶしいと言ってますが、はたしてそうなのでしょうか?)
ーーー引用終了ーーー
というのですが、どうもよくこの分類の言おうとするところがわかりません。どこかにこれを約した翻訳の原本か、この分類の出典があるはずだと思いますので今後それを探してみます。

なお、眼瞼痙攣には眩しさを強く訴える一群の患者がいます。その患者さんの脳糖代謝をまぶしさを訴えない患者群と比較した臨床研究が東京都老人総合研究所で進行中です。それについては追って紹介しましょう。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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