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2009年3月27日

825 糖尿病網膜症の病態と治療戦略~黄斑浮腫を中心に

糖尿病網膜症の病態と治療戦略~黄斑浮腫を中心にという女子医大八千代医療センター眼科の船津英陽先生のお話を、おなじみの葛南地区眼科勉強会で聞いてきました。糖尿病の網膜症。中でも網膜の中心付近に浮腫を起こして視力が下がる黄斑症の話です。

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帰ってきてから、印象記をこのブログに乗せようと思ってメモを取って聞くと割としっかり聞き取ることができます。(糖尿病の患者さんにはやや専門的すぎるでしょうが、自分の知識のまとめにと思って記載していますのであしからず。
南砂ではもう桜が咲いた。浦安はまだですか?ととぼけた話をしてきましたが、これは桜ではなく、梅でした。陳謝して訂正します。)

ーーお話の概要ーーー

糖尿病では様々なサイトカインが眼内に分泌され、内血液網膜柵の破綻や血管透過性の昂進などの様々な事象が同時に起きています。ですから通り一遍な治療方針で臨むと不適切な治療になってしまうこともあるという話から始まりました。

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1)血管透過性の昂進とは
網膜循環障害とは
サイトカインとは:細胞に働く作用因子で微量出作用し周りのみでなく分泌する細胞自身にも働く。ネットワークになっていて生体の恒常性を維持する。

糖尿病の網膜浮腫とサイトカイン:単一のサイトカインVEGFばかりでなくICAM-1、IL6など多くのものが糖尿病網膜症の発生に関与している。

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2)眼科の諸検査が与える糖尿病での網膜の情報
?眼底検査では網膜の肥厚、浮腫、漏出部位、硝子体の状態が分るが、黄斑浮腫の評価は不十分

?OCTでは網膜の肥厚と浮腫の形態が特に分る

?FA(フルオレッセイン蛍光眼底撮影)は漏出部位と黄斑浮腫がよくわかる。

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黄斑浮腫に対する治療の変遷
1988 炭酸脱水素酵素阻害剤など
1992 硝子体手術 日本では殊にこの硝子体手術の適応が広がっている。
このほかステロイドの眼内やテノン腔内注射などが出て来ている

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現在の治療には次のものがある。

?黄斑に対する光凝固
?TA(トリアムシノロン アセトニド、ケナコルト®)
?抗VEGF抗体:これらは血管透過性の抑制に効く
?硝子体手術:これはサイトカインの除去や、網膜への牽引の除去に効く

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3)黄斑凝固
直接凝固と格子状凝固がある。
網膜色素上皮の萎縮した例、腎症のある例、漿液性剥離のある例には効かない

4)硝子体手術
もともとは後部硝子体剥離を作っていた。浮腫が改善しても視力の向上は必ずしも見られない。

5)薬物療法
?炭酸脱水酵素阻害剤(ダイアモックス)
?TA(ケナコルト):VEGFの阻害効果
ケナコルトはガラス体内注入とテノン嚢内注入とどちらが良いかという話。(眼夏上昇に注意、10%にあるという話)
ケナコリとの効果は一時的で光凝固は効果が長い。
?抗VEGF抗体(アバスチン、マックジェン)ケナコルトよりも効きは弱いらしい

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6)今後の方向
軽いものにはケナコルトか光凝固が
重症例には硝子体手術が適応である。
視力で分けると0,5以上がケナコルトか光凝固それ以下は硝子体手術が適応であるとまとめられました。

最後にクリニックと基幹病院の役割分担の明確化とその両者における治療方針の共有が必要です、との結論でした。

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ーー感想ーー
適切に現在の治療の概観を与えてくださいました。

私よりも前に開業した多くの開業医の先生方は、蛍光眼底撮影や光凝固までを行ってますが、私は出入りの病院にその先は依頼しています。

お話はよくわかりましたが、レジメを下さると章立てを間違わなくて済んだと思います。

船津先生に会の後で聞いたことは、どの時点で基幹病院に渡すべきか?ということです。

お答は、”軟性白斑がしばらく残るようならばというところではいかがでしょうか?”ということでした。大学の内科では全ての糖尿病例をルーチンで回してくださいますので、そのすべてにFAというわけにはゆきません。

眼科医からの紹介があれば、多くはFAからはじめますから、何でもという送り方でられても大学では困るわけです。かといって網膜症が既に進んでいれば、何を見ていたのだということになります。潜在的に網膜光凝固を行っておいてもよいのだが、という頃が大病院への紹介のし頃ということです。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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