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2009年3月16日

815 ”開瞼失行への代替的な治療法としての眉の吊り上げ”という記事が出ています

”開瞼失行への代替的な治療法としての眉の吊り上げ”という論文が
Browlifting as an alternative procedure for apraxia of eyelid opening;
Nicoletti AG, Pereira IC, Matayoshi S;
眼科の形成手術という雑誌の1月号に出ています。
(Ophthalmic Plastic and Reconstructive Surgery (OPRS) 25 (1), 46-7 (2009 Jan-Feb)

原発性眼瞼痙攣は原因不明の疾患で、自然に瞼が痙攣する疾患で、原則的に目の疾患は合併しません。その患者さんの或るものでは眼輪筋の攣縮で目をあけることができないことがあります。そのような患者では眼発制の眼瞼痙攣に開瞼失行を合併しています。ボトックスは選ばれうる治療法ですが、特に開瞼失行のある症例では効果が不十分なことがあります。開瞼失行は上眼瞼挙上腱膜前転術(levator aponeurosis advancement)や前頭筋吊り上げ術(frontalis suspension)、それに上半分の眼輪筋切除で治療できます。この著者は、ポリプロピレン糸を用いた眉のつり上げを眼瞼痙攣を伴う開瞼失行の治療法として初めて提唱しました。この方法は代替的な治療法であり、侵襲が少ない方法です。

清澤のコメント:先週の眼瞼痙攣コアミーティングでもこんな手術があるという話題が出ていました。通常は、ボトックス注射が主流なのですが、それが十分に聞かない(全体の約10%の)患者さんに対して次に何を行うかという場合に種々は登場します。眼輪筋の切除が最も普通に行われ、時に眼瞼挙筋の短縮が加えられます。しかしその眼瞼挙筋の短縮が強いと角膜の露出や乾燥が強くなって、苦痛が増しますから、挙筋短縮は最小限にしてくださいと私が手術を依頼するときには、形成外科医にお願いしています。
blowkifting画像の出典この画像はこの論文とは無関係なページからのものです。手技のイメージを得ていただくために引用します(清澤)。眼筋筋の切除は直接的に閉瞼を弱めて開瞼を容易にさせるだけではなく、センソリートリック(知覚トリック:皮膚にものが触れる感じがあると目が開き易くなるというこの疾患に特有な特徴)を利用して開瞼を容易にさせる効果もあります。
眉や瞼の釣り上げには、額の骨膜から糸を通して瞼を引き挙げて固定しますから、それを考えますと、眉の吊り上げには知覚トリックの要素も効果として現れているるかもしれません。
何れにしろ、この眉の吊り上げという方法は、通常は眼瞼挙筋の力が不足している先天性眼瞼下垂などを中心とする眼瞼下垂の手術にやむを得ず用いられる方法ですから、もしこれを行う場合には露出性角膜炎になってしまわぬように慎重に行ってもらうのがよいでしょう。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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