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2009年3月6日

802 第6回例会 質問リスト

第6回例会 質問リスト

hikki
前もって与えられた質問に暫定的な答えを用意してみました。当日会場での質疑応答の参考になさってください。清澤

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Q1:
瞬きの回数が少なく、意識してする様にするのですが、そのまま開けられなくなってしまいます。眼瞼けいれんのメカニズムを教えて下さい。
A1:
A:開瞼失行を合併しているもののようです。重症の眼瞼痙攣にはしばしば見られます。指を目の外上に添えていたりしますが、ボトックスのほかクラッチメガネも有効です。目を開くことを脳から脳幹の神経核に支持する機構が侵されているというメカニズムです。

6
Q2:
喉の飲み込みが悪くなったり、視力が低下することも眼瞼けいれんのせいでしょうか?
A2:
頭頸部ジストニアが咽頭筋に広がることはあると思います。視力の低下は目を開けない時に結果としてはあるでしょうが、矯正視力は一般的には下がりません。このほか、白内障や緑内障を合併して視力が下がっている場合がありますので、眼科としての一般的検査は一緒に行う必要があります。

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Q3:
ボトックスの薬の切れる時期が毎回異なりますが、どうしてですか?

A3:
薬の切れる時期は確かにそのつど違いますね。あるとき4カ月効いた人が2か月で切れることがあります。生物製剤なので実は量が違うのか?患者さんの体の状態が異なるのか?原因ははっきりしません。

9
Q4:
むずむず脚症候群の症状が出てまいりました。治療薬はドーパミン受容体作動薬プラミぺキソールの低用量投与とありました。服用しても害はありませんか?眼瞼けいれんに悪く作用する薬はどういった薬ですか?

A4:
むずむず脚症候群自体がよくわかってはいない疾患です。ジストニアのある患者さんにはドーパミン受容体の変化(減少)がありますから、その使用で症状が変わる(改善するはず?)かもしれません。他の医師の処方でドーパミン作動薬などはあまり使ってほしくはないですが、試行錯誤ということになるでしょう。眼瞼痙攣に悪く作用するのはまずベンゾジアゼピン関連の薬剤ですが、精神科関連の薬剤はすべて望ましくないといっても過言ではないでしょう。
450 薬剤性眼瞼痙攣https://www.kiyosawa.or.jp/archives/50888133.html参照

10
Q5:
①左目に何か刺さった痛みがあり20~30分間目が開けられない②下顎が前に出てきて喋り方がおかしくなる③読書で目が疲れる。このような時はどうしたら良いですか?

A5:
①はドライアイがあるか、眼瞼痙攣それ自体の症状であるかの見極めを。②はメイジュとの関連を考えてみたい。③はドライアイ対策と眼鏡の調整からお始め下さい。眼瞼痙攣では疲れ目はいつも強いです。

1
Q6:
ボトックスを何回受けても効果がありません今後もボトックスを受けた方が良いのでしょうか?眼瞼けいれんで治癒した方はいるのでしょうか?どの位の割合、期間で治癒しますか?

A6:
ボトックスの効きが悪い患者さんはどうしてもボトックスを注射させていただく患者さん全体の1-2割はいます。涙点プラグを含むドライアイの処置、リボトリールやアーテンの併用、眼輪筋切除なども試みます。私はこのようなボトックスの危機の悪い患者さんにもボトックスを続けることをお勧めします。自然に症状が軽くなり、気がついてみたら”ここ数年ボトックスは打ってないですね。”という患者さんはいますが、血管圧迫によって起きる片側顔面けいれんの圧迫する血管をよける手術以外には、この疾患に対する確立された本質的治療法はありませんので、長い目でこの疾患と付き合う覚悟を持っていただく必要があります。
定位脳手術というものが最近始まっているそうですが、その安全性や有効性に関する情報はまだ少なく、日本で行ったという話もまだ聞いてはいませんので、これは将来の治療法としての可能性があるというにとどまります。

2
Q7:
顔面右まぶた下部痙攣(神経痛)でいつも重く感じており、先生にお聞きしたら直らないと言われました。何か良い手当てはないでしょうか?

A7:
まず、眼球の表面に乾き目に伴う傷はないか?また、眼窩内に痛みの原因となるものがないことをMRI画像診断で調べます。痛みがドライアイの治療で改善しなければ、痛みを抑える目的で、抗鬱薬のパキシルを試したり、ペインクリニックの医師に神経ブロックを相談することも可能かも知れません。

7
Q8:
顔面、眼瞼けいれんの手術はどのような手術ですか効果はありますか?

A8:
1)眼輪筋切除:目の周りの眼輪筋を切除する手術のことでしょうか?受けてよかったという声は聞かれますし、それなりに効きますが、先人の報告ではボトックスを打つ回数は減りません。またそれを行うのはその処置に慣れた先生でないといけません。
2)片側顔面けいれんの血管圧迫を避けるジャネッタ手術は、若い患者で症状が強い方についてその施行を脳外科に紹介することがあります。それなりの効果はあるようにも聞きますが、耳が聞こえなくなったりする合併症の危険も少なくない頻度であり、特殊な例以外には勧められません。少なくも慣れた先生の居る施設を選びましょう。
3)眼瞼下垂の手術ことにミューラー筋の短縮なども行うことがありますが、眼瞼下垂の手術を安易に行われるとただでさえ涙液層が不安定なのですから、ドライアイがひどくなって大変苦しくなることがあります。慎重に相談してからお受けください。

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Q9:
眩しさやショボショボに効く薬はありますか?

A9:
ドライアイが直接の原因と考えると、ヒアレインがそれですが、効果は10分しか続かないので涙点プラグ(引用にリンク)の挿入を勧めます。10分で挿入でき、コラーゲンのキープティアなら不快感はありません。有効期間は4-6週。自己負担両眼下で6000円。生ものですからどこにもいつでもあるものではありません。入れ直すならスーパーフレックスかさらに柔らかいイーグルプラグで、値段は同じですが、ずっと残ります。しかし、欠点は硬さのあるものを挿入するわけですので、違和感を訴えて摘出に終わることもあるということです。涙を増やす飲み薬エボザックもありますが、飲み薬でもっとも適切なものはあまりありません。
また、別の研究で脳の中にまぶしさを感ずる部分が視床にあるという結果がPETでわかっているのですが、特異的にその部分を抑える方法は提唱されてはいません。

9
Q10:
アーテンが効かない体質もありますか?それとアーテンの副作用も教えて下さい。

A10:
アーテンもリボトリールも補助薬です。それで治るわけではなく、ボトックス注の間隔が伸ばせるならようだろうという程度の薬とお考えください。効くか効かぬかは人による差が大きいと思います。
なおアーテンの作用は:パーキンソン病では、ドパミンの低下にともない、アセチルコリン系の神経が強まっています。このお薬は、その神経の亢進状態をおさえます。レボドパに比べ効果は劣りますが、手のふるえや体のこわばりなど初期症状に有効です。他の薬といっしょに用いることもあります。
その副作用としては、吐き気、口の渇き、便秘、尿が出にくい、かすみ目などです。まれに、興奮、もうろう状態、幻覚などの精神症状が出現することがあります。精神症状は高齢の人にでやすいので、注意してください。多くはありませんが、長期服用により緑内障を引き起こすおそれがあります。よく分かっていませんが、高齢の人の認知症の発現を早める可能性も指摘されています。
【重い副作用】 ..めったにないですが、初期症状等に念のため注意ください
幻覚、錯乱..現実でない人や物が見えたり声が聞こえる、混乱状態、取り乱す。
緑内障..目が痛い、見えにくい、かすんで見える(光の回りに虹の輪)、頭痛、吐き気。

10
Q11:
ボトックス注射後に目の周りのしわ、どちらかの目に下垂が出るのはどうしてですか? 治療が原因ですか?

A11:
皮膚の張りがなくなるのでだらんとしてしまうのです。長期にわたる眼瞼痙攣では異常な緊張や、手指による刺激もあって眼瞼皮膚弛緩も強まってきます。その場合に私は眼輪筋切除をなれた医師に時期を見て依頼しています。

11
Q12:
難病としての各関係機関への申請をされていますが、その後の進展状況を教えて下さい。 眼瞼けいれんの研究は今どこまで進んでいますか?最新情報を教えて下さい。

A12:国の難病にはまだ指定されていないと思います。障害者年金の支給を受けられるようになったという方のお話を聞いていますので、今後その道は開けてくるでしょうが、まだおおっぴらにOKと国の答が変わったわけではありませんので、慎重に重症の患者さんに限って申請の例を増やしてゆくのが必要です。特に薬剤関連(遅発性ジスキネジア)のものなどでは、今後の申請の道がふさがれないように、申請への慎重さも要求されるでしょう。

botox1(ボトックスの分子模型)
Q13:
ボトックス注射以外で眼瞼けいれんの治療法は何かありますか?
それと、ボトックス注射は高齢になっても対応できるのでしょうか?

A13:様々ありますが、もっとも有効で眼瞼痙攣の治療の柱になるのはボトックスでしょう。このほかに併用が有効なのはドライアイの治療、補助薬としてのアーテンやリボトリール、それにクラッチ眼鏡などです。ひどい時には皮膚切除も行うとよいでしょう。年齢によってボトックスが危険で打てないなどという事はありません。
(薬剤の使用説明を見ますと、眉間皺には65歳までと記載がありますが、それを超えたら効かないとか危険というのではなく、皮膚のしわが皮膚の弛緩に夜から効きにくいと言っているのかも知れませんね。)

12

Q14:
眩しさで目を閉じてしまう症状を緩和するにはサングラスが有効ですか?      有効ならば購入する時に大事な点を教えて下さい。

A14:
眩しさの対策は、サングラスとドライアイの対策を併用することです。サングラスにも目にあった度を入れねばならないので眼科での処方箋に従って作ってください。有効とされるサングラス用の特殊な染料があり、文献で調べて米国から取り寄せてはみましたが、これはみどり色でした。しかし、レンズを染めるのは大変難しそうで、眼鏡店と話をしてはみましたが、実際にこれを使用した経験はありません。ほかのみどり系のものでもよいのか否かはまだ私にはわかりません。
ドライアイには涙点プラグを勧めます。

13
Q15:
眼瞼けいれんでボトックスが効かない場合はしわとりも効かないでしょうか?   
抗生剤を飲んだらボトックスの効き目に影響はあるのですか?

A15:
効かないというのは、けいれんが止まって十分に楽になったとは思わない、ということであって、筋肉の弛緩が起きない体質であるということではありません。ですから、しわ取りに使うことは可能と思います。抗生剤との相互干渉は言われていますが、それほど心配する必要はなさそうです。

14
Q16:
東大の浅島教授によると、幹細胞を移植すればそこから神経が伸び脳神経も改善すると言っている。これをこの病気に応用できませんか?

A16:
新しい開発中の分野としての神経の幹細胞移植という分野には敬意を表すにやぶさかではなく、パーキンソン病などでは比較的早期の実用化が考えられますが、ジスキネジアではストーリーがそれほど明らかではないので、ジスキネジアでの幹細胞移植の実用化は当分はなさそうに思われます。
まだまだ無理でしょう。脳のどの部分の、どの細胞が弱っているのかさえもわからないのですから。

51
Q17:
顔面けいれんで開頭手術をしましたが再発してしまいました。ボトックスをしましたが、物が二重に見えてしまいます。今後も続けていくと目や顔がおかしくなることは、ないのでしょうか?

A17:
ジャネッタ手術を受けられたのでしょうか。この方のお話が本当とすれば、ジャネッタ手術には再発がありうるということですし、手術の機序~考えても再発や効かないことはありうると思います。しかし、複視が起きるのはジャネッタ手術では予想される合併症ではありませんので、むしろボトックスによる一時的な合併症でしょうか。どの眼筋が侵されたのかを考えて対応してもらう必要があります。ボトックスでは外眼筋に入って、眼瞼下垂が起きたり複視になったりすることは数パーセントあるといわれていますが、いずれも元に戻るものですから、しばらくは我慢して待てば戻る可能性が高いと思われます。

4
Q18:
ボトックスを受けてから1ヶ月を過ぎる頃からふらつきと記憶の低下があります。3ヶ月過ぎると気にならなくなるのですが、ボトックスと関係があるのですか?

A18:
ふらつきや記憶の低下はボトックスの副作用には記載がないと思いますが注意して観察するのが必要でしょう

2
Q19:
26年前から洗面器の水の中に目を開けたまま顔を1分間付けていることをやっていたんですが、それは、眼瞼けいれんの原因の一つとも考えられますか?

A19:
何の訓練として、あるいは何のためにこのような運動をしたのかが気にかかりますが。眼瞼痙攣の発生とは全く関係がなさそうに思いますがいかがでしょうか?

*上記質問は第6回例会参加ハガキから集計したものが友の会から与えられ、その答えを清澤が考えてみたものです。 (本会後補充、清澤)

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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