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2009年2月26日

795 清澤眼科医院神経眼科専門外来の2008年度について

2008年度の清澤眼科医院神経眼科専門外来について
という報告書(改訂版)を江本医師が作りましましたので、来院される患者さんの参考に、ここに報告いたします。なお本文中にも記載していますがこれは清澤と江本がこの特殊外来を始めた2008年9月以後年末までのまとめです。 清澤源弘

2008年9月中旬から年末までの約3ヶ月の間に、神経眼科専門外来で総合的に評価・精密検査を行った166名の方についての報告です。当院で最も多い神経眼科疾患は眼瞼けいれんで、300名以上の方が通院治療されておりますが、ここには全身的な評価が必要であった一部の例しか含めておりません。
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受診者の年齢は1歳から93歳までで、平均年齢は50.1歳でした。
40歳代から60歳代の方が多く、過半数を占めました(図1)。

図1
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男女比は、およそ1:2で、女性が多い傾向でした(図2)。

図2

平均的な罹病期間(病気の期間)は約2年で、長い方は30年でした。
その間に数ヶ所の総合病院、大学病院の眼科、神経内科、脳外科を経て精密検査を受けたことがある方がほとんどでした。
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千葉県や埼玉県など、関東の他県から来院される方が46%と最も多く、都内(23区外含む)から来られる方は36%、江東区内から来院される方は17%、東北、九州など遠方の方は1%でした(図3)。最近は、関東以遠の方が増える傾向にあります。

遠方から来ていただき、また仕事を休んで来られている方も多く、誠に申し訳ありませんが、平均的な待ち時間は1時間ぐらいです。症状が出てから平均2年ほど経過しており、その間に、他院ですでに精密検査をしているにもかかわらず、診断がついていないケースもあり、誤りがないように慎重に評価・診断を行うため時間がかかってしまいます。MRI、血液検査などを行うと、約2週間後には結果がそろいます。
血液検査は検診で行われる一般的なものとは異なり、目に障害をきたす全身の病気にしぼった特殊なもので、大学病院で行うような専門性の高い内容のものです。
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当院で診断された神経眼科疾患は、眼瞼下垂(まぶたが落ちてくる)、眼瞼けいれん(まぶたが開きにくい)など、眼瞼(まぶた)の疾患が25%と多く、次に、視神経症(視神経の病気)が16%、複視・眼窩疾患(二重に見えたりする状態・眼の奥の病気)が13%、眼の痛み・不快感、頭痛などが11%でした(図4)。

眼瞼下垂では、原因の究明が大切です。お年の影響で、まぶたの筋肉がゆるみ、まぶたが下がってくるものが一番多いですが、ホルネル症候群のように癌や血管障害でまぶたが落ちてくることもあります(「目と内科の病気について」参照)。まぶたの手術でなく、内服薬で治療する重症筋無力症などの全身の病気を除外した後で、手術が必要なケースには、御本人の意思を尊重し、希望される方に手術をお勧めしております。手術例では、今のところ重篤な合併症はなく、みなさん改善しております。
眼瞼けいれんに関しては、基本的にはボトックス注射による治療となり、90%程度の方に改善がみられております。
視神経の病気は、様々な原因でおこります。他の神経症状を合併していないかを調べる神経学的診察に加え、MRIや大学病院で行うような特殊な血液検査を組み合わせて診断しております。治療は原因に応じたものとなり、改善の度合いも原因により異なります。健康なもう一方の目にも再発し失明する病気もあり、再発予防の観点からも診断が重要となります。
眼窩疾患(眼の奥の病気)では、甲状腺眼症(甲状腺に関連する眼の病気。甲状腺:首にあるホルモンを分泌する組織で、甲状腺ホルモンは、体の新陳代謝を活発にする働きがあります)が最も多く、眼窩吹き抜け骨折(眼の周りの骨の骨折)後の複視も多く見られました。
眼のまわりの不快感・痛み、頭痛などの症状も多くみられました。細菌感染や炎症、動脈瘤、脳腫瘍などがないか、精密検査を行います。治療は原因に応じたものとなります。精密検査にて重篤な病気が隠れていないことが確認されたケースでは、痛みや不快感を和らげる内服薬や点眼薬等で治療を行います。
脳神経麻痺は、神経を栄養する血管の血流障害によるものが多いですが、脳腫瘍や動脈瘤、血管奇形によるものもあり、MRIや血液検査での精密検査が必要です。MRIは症状に応じた撮影法の選択が必要です。
斜視は、原因、年齢により治療の選択が異なります。眼振は症状を軽減する治療法があります。一過性の視覚障害は、脳梗塞の前兆であることや、不整脈を合併していることがあり、注意が必要です。MRIだけでなく、MRAで脳血管の評価が必要です。
その他には、他の原因による視力低下、めまい、羞明(しゅうめい:過剰にまぶしく感じる状態)などの他の視覚症状、心身症(ストレスで病気になる状態)などを含んでいます。

神経眼科の症状があり、当院で精密検査を行い、新しく見つかった全身の病気には次のようなものがありました:
多発性脳梗塞(非常に小さい脳梗塞がたくさんあるにもかかわらず、初期には症状があまりありませんが、進行すると、のみこみが悪くなったり、歩けなくなったりするので治療が必要です)、癌の転移、脳動静脈奇形、血管が脳神経を圧迫しているもの、甲状腺機能異常症、痴呆、副鼻腔炎(いわゆる、ちくのう症)、糖尿病、高血圧、ビタミン欠乏症、高ホモシステイン血症(血液中のホモシステインが高くなって、血液が固まりやすくなり、血管がつまりやすくなる状態)、クレスト症候群(膠原病の一種)、貧血、起立性低血圧(立ち上がると血圧が下がり脳貧血になるもの)、眼瞼けいれん、眼瞼ミオキミア(まぶたがピクピクするもの)、偏頭痛、パーキンソン病(体が硬くなり、手のふるえが出たりします)など。

中には、脳血管が解離して(血管が割れていて、おいておくと血管がつまり、半身麻痺など重篤な後遺症をおこすことがあります)緊急性のあるケースもありました。
甲状腺機能異常は一般的にも珍しい病気ではありませんが、当院で新たに見つかるものは、甲状腺機能が正常であるバセドウ病(甲状腺ホルモンの分泌が増えて、ドキドキしたり、イライラしたり、汗をかいたりします)や橋本病(甲状腺を攻撃する抗体のため、甲状腺が破壊され、甲状腺ホルモンの分泌が低下し、疲れやすくなり、体がむくんだりします)が多いようです。目の症状がありながらも、甲状腺は問題ないといわれ続けてきた方もあり、その中には甲状腺自己抗体(自分の甲状腺を攻撃する抗体)を測定されたことがないケースもあるようです。
副鼻腔炎(ちくのう)は、比較的多く見られる病気ですが、目の不快感の原因であったり、頭痛の原因であったりします。人によっては視神経症の原因となって目がみえにくくなることもあります。

江本博文

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この文章は2009年02月20日
786 清澤眼科神経眼科外来の実績概要https://www.kiyosawa.or.jp/archives/51200683.htmlに加筆したものです

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