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2009年1月26日

776 先天性外眼筋線維症 CFEOM

picture http://www.childrenshospital.org/cfapps/research/data_admin/Site339/mainpageS339P18sublevel13.html

先天性外眼筋線維症Congenital fibrosis of the extraocular muscles (CFEOM)という疾患があります。以前からこの単語が気になっていたのですが、本日はこの単語を調べて簡単な解説を加えてみましょう。その旧い名前はGeneral fibrosis syndromeです。

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まず概要を説明しますと、この症候群:外眼筋線維症 (CFEOM)は非進行性で先天性の眼球運動が制限される眼筋麻痺による斜視と眼瞼下垂を主症状とする症候群です。それには3種のバリエーションが知られています、これがCFEOM1、2、そして 3です。KIF21A がCFEOM1の原因として、またPHOX2A/ARIXが2型の原因として知られています(https://www.kiyosawa.or.jp/archives/50665670.htmlもご参照ください)。最近になって、CFEOMが外眼筋に対する動眼神経や滑車神経の脱神経によるものであるということも分子生物学の研究でわかってきました。

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やや詳しく話してみます。
外眼筋線維症 は先天性で両側性に起きる非進行性の外眼筋麻痺で、眼瞼下垂を伴う場合と伴わない場合があります。現在少なくとも3つの型(CFEOM1、CFEOM2、CFEOM3)がある事が分かっています。

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動眼神経核、動眼神経とその支配筋(上直筋、下直筋、内側直筋、下斜筋、眼瞼挙筋)の一部あるいは全てに病変があり、滑車神経核と滑車神経とに支配される筋(上斜筋)の一部に変化がおきることもあります。

一般に外眼筋麻痺により、視線の方向によって斜視角が変わる非共同性の斜視が出現しますが、特に上下方視には極度の制限があり、側方視でもある程度の制限を伴うことが多いです。このため、頭の向きを傾けて最小のずれでものを見て補償しようとします。上方視や側方視では異常な輻輳運動がみられます。

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屈折異常や弱視も認められることが多いです。時に中枢神経の障害や異常な神経の結合により顎を動かすと片方の目が開くMarcus Gunn現象を伴う場合があります。

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眼科でCFEOM患者の評価を行う場合、まず完全な家族歴を聴取し、さらに眼科的な検査を行う必要があります。さらに、目や体のその他の部分に危険がないかを見なくてはなりません。眼球の向きの異常、眼球運動の範囲、頭位の異常、眼球の後退、瞼裂の幅、眼球運動の行き過ぎや不足での修正する動き、眼球を外から引っ張った時の抵抗、そして視機能の測定なども行われます。

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CFEOM1ではKIF21A遺伝子(12p11.2-q12)のエクソン(8, 20, 21)に変異を認める。
CFEOM2ではPHOX2A遺伝子(11q13.3-q13.4)変異が関与している。
CFEOM3では第16染色体上(q24.2-q24.3)に異常がある( Invest Ophthalmol Vis Sci. 1999 Jul;40(8):1687-94 CFEOM3: a new extraocular congenital fibrosis syndrome that maps to 16q24.2-q24.3.Doherty EJ, Macy ME, Wang SM, Dykeman CP, Melanson MT, Engle EC.)が、遺伝子座は未だ同定されていないようです。

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CFEOM の発症率は1/23万人とされ、CFEOM1と3は常染色体優性遺伝、CFEOM2は常染色体劣性遺伝とされています。

鑑別疾患としては、ブラウン症候群(Brown syndrome)、デュアン症候群(Duane syndrome)、進行性外眼筋麻痺(Chronic progressive external ophthalmoplegia (CPEO))、メビウス症候群(Moebius syndrome)、進行性の脊椎側彎に動眼神経と滑車神経麻痺を伴う水平注視麻痺(Horizontal gaze palsy with progressive scoliosis (HGPPS))、Cranial nerve III and IV palsy)などが挙げられます。

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治療としては、根治的な治療はまだできませんが、屈折異常や弱視の矯正そして眼瞼下垂症の手術などが行われます。

Semin Ophthalmol. 2008:23(1):3-8.にはHeidary Gほかが著した先天性外眼筋繊維症(Congenital fibrosis of the extraocular muscles)の総説が出ています。さらに興味のある方はご覧ください。

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また次のページも参考になりそうです。http://www.childrenshospital.org/cfapps/research/data_admin/Site339/mainpageS339P18sublevel22.html

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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