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2009年1月23日

768 白内障にだまされるな

記者さんが私にインタビューしてこの記事にしてくださいました。(本文は2009.1.22のニッカン現代より引用。図は下記の米国のページから借用で、本文とは無関係です。この図はAAOのスライドでも見た気がするのですが、米国衛生研究所( National Institutes of Health:NIH)の中のNational Eye Instituteに版権があり、すでに多くのページで使われているもののようです。)

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ーーー引用開始ーー
◎特集・白内障にだまされるな

c(図:白内障での曇り方)
 「白内障と思って別の病気を見落としてしまう患者さんが実に多い」と言うのは「清澤眼科」(東京江東区南砂町)の清澤源弘院長だ。
 白内障は目の中の水晶体が濁って視力障害をきたす病気で、加齢とともに増えていくが、手術で視力の回復が期待できる。どういう〝見落とし〟があるのか? 清澤院長に聞いた。

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 太り気味のUさん(56歳)は5年前に検診で白内障と診断された。 治療が必要かと別の眼科医に聞くと、「白内障が進行すると、前から歩いてくる人の顔が見えない、〝8〟と〝9〟の区別がつきにくいなどの症状が出てきて、日常生活に支障きたしてくる。そのときが手術をするタイミング。様子を見て、治療の時期を決めましょう」と言われた。

d(図:糖尿病黄斑症での見難さ) ここ1年ほど〝見えにくい〟と感じることがUさんは多々あった。しかし〝日常生活に支障が出てきた〟と思うレベルではない。しかも眼内レンズを入れる白内障の手術にも恐怖を感じていたので、「手術はもっとひどくなってから」と考えていた。
 つい先日、「そろそろ」と思って眼科を受診したところ、「なぜもっと早く来なかったのですか!」といわれた。白内障が進行していたのかとUさんは思ったが、そうではなく、もっと怖い糖尿病網膜症が進行していたのだ。「白内障の視力低下は手術で取り戻せますが、糖尿病網膜症で落ちた視力は簡単には取り戻せません」と言われた。

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「こういうケースは珍しくありません。〝見えにくくなってから〟〝日常生活に支障が出てきてから〟という眼科医の言葉をそのままに受け取って、多少見えにくくても、白内障の症状だと思って放置する患者さんが少なくないのです。見えにくい理由が別の病気によるものだと分かったときには、その病状がかなり進んでいた、というケースもあるのです」
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 強い近視で白内障もあるTさん(59歳)は、〝見えにくいのは白内障が原因〟と信じていた。知人から「手術を受ければ見やすくなる」と勧められても、手術が嫌で眼科にはいかなかった。これがアダになった。
a(図:加齢黄斑変性での見え方)
「白内障で視力が悪かった為、物が歪んで見えていることに気が付いていませんでした。物が歪んで見えるのは近視性の黄斑変性によるものでした。白内障手術で水晶体の濁りを取り除いても、網膜の変性による歪みや中心暗点は改善できないので、視力の回復は限られたものでした。」(清澤院長)

g(図:緑内障での見え方;出典は下記)
 Nさんの72歳の母親は視力低下で白内障の手術を受けた。しかし、本人が自覚していない「正常眼圧緑内障」があり視野が狭かった。眼圧が高ければ白内障手術前に緑内障があることもよく分かるが、日本人には眼圧が高くない緑内障も多い事が最近は知られている。せっかく白内障の手術を受けたが、Nさんの母は視野欠損を取り戻せなかった。
 清澤院長が言う。

「白内障が〝隠れみの〟になって他の疾患に気付かないことは多い。これを避けるには、見えにくいときは勝手に白内障だと思い込まず、精密な眼科検査をすぐに受けること。白内障の治療をする眼科医は隠れた他の疾患も探しているのです。」
ーーー引用終了ーーー

さてあなたはいかがですか?
数年前にも話題になりましたが、現在の白内障の点眼薬は白内障をの進行を遅らせるという効能効果であって、白内障を消すものでは有りません。なぜか点眼するうちに0,6くらいの視力が0.9位に改善する事もありますが。
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白内障の普段の診療では患者さんを拝見して、お話をして、他の変化も含めて困ったことが起きていないかを見ながら点眼薬を処方しています。米国の組み換え遺伝子を使った積極的な新しい白内障目薬の話もこのところ聞きません。

こんなわけですから、忙しい患者さんや込み合った診療施設では行われがちでは有りますが、毎回は診療を受けることなく眼薬を家族に受け取ってもらって薬だけ続けているという治療は本末転倒です。
この記事でお答えしたように白内障と思って視力が悪くなってから眼科に行ったら、違う病気がずっと進行していたなどということのないようになさってください。

参考に各病気の時の見え方を示す絵を拝借してつけてみます。各図の原典はhttp://www.ncbi.ie/information-for/education-professionals/the-eye-and-eye-conditionsです。

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記者のWさんからの私へのメッセージ;
清澤先生、ありがとうございます。
白内障に関する記事、1月22日(23日号)掲載予定です!

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