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2008年12月12日

741 脳から知覚映像を読み出す(neuron 誌論文)を見て。

(株)国際電気通信基礎技術研究所(ATR)のプレスリリースなどに脳表面の血流の増加分布でその人が見ている画像がわかる技術が開発できたことが報じられています。
http://www.atr.jp/html/topics/press_081211_j.html

私たちが、同心円状の光刺激装置を作って被検者の目の前で発光ダイオードを光らせて、放射性酸素とPETを用いて、脳表面の活性化される部位を調べたのは約10年前です。

 その後、時間に対する分解能荷優れたファンクショナルMRIやマグネトエンセファログラムが脳の視覚両のマッピングに用いられるようになりました。

PETの時間分解能力は2分程度なのに対してファンクショナルMRIでは数秒ですから、この研究の結果は予測されたものとはいえ、時代がそこまで来たかという感慨を禁じえません。

その論文の概要を紹介いたします。
Visual Image Reconstruction from Human Brain Activity using a Combination of Multiscale Local Image Decoders .
Neuron , Volume 60 , Issue 5 , Pages 915 – 929
Y . Miyawaki , H . Uchida , O . Yamashita , M . Sato , Y . Morito , H . Tanabe , N . Sadato , Y . Kamitani

あるブログにこの図が出てますのでブログのページを示しておきますね。
http://brainscience.blog92.fc2.com/blog-entry-151.html
どうか見てください。私らの時代の画像技術ではここまで詳細な視覚領脳表面の分析ができようとは夢にも思いませんでした。

ーーーー引用ーーー
脳から知覚映像を読み出す
~ヒトの脳活動パターンから見ている画像の再構成に成功~
-ニューロン誌12月11日号掲載予定(表紙デザインに採用)-

概要

 われわれが見ている世界を脳からの信号を解読して映像化することができれば、夢や空想を、テレビや映画のようにスクリーンの上で再生できるかもしれない。国際電気通信基礎技術研究所(ATR)脳情報研究所・神経情報学研究室の神谷之康室長らのグループは、情報通信研究機構・計算神経サブグループと共同で、見ている映像をその人の脳活動から再構成すること(以下、視覚像再構成)に成功した(他の共同研究機関:奈良先端科学技術大学院大学、自然科学研究機構・生理学研究所)。本研究成果は、複雑な知覚内容を脳からそのままの形で取り出せることを世界で初めて示したものであり、ブレイン-マシン・インタフェース(BMI)など脳を直接介した情報通信技術の新たな可能性を切り拓くものである。

 眼から入った画像情報は大脳視覚野の脳活動を引き起こす。逆に、このとき生じる脳活動パターンを解読することで、見ているものを推定できると考えられる。神谷室長らはこれまで、機能的磁気共鳴画像(fMRI)で計測されるヒトの脳活動を、パターン認識アルゴリズムを用いて解析することにより、知覚内容や身体の動きを予測する、脳情報復号化技術の開発を行ってきた。しかし、従来の手法では、あらかじめ脳活動を計測してパターンを学習しておいた少数個の選択肢(縦縞か横縞か、など)のうちどの図形を見ていたかを当てることはできても、見ているものを「画像」として取り出すことはできなかった。

 今回、神経情報学研究室の宮脇陽一(情報通信研究機構/ATR研究員)、内田肇(奈良先端科学技術大学院大学/ ATR連携講座学生)らは、脳活動パターンから、見ている図形を画像として再構成する方法を開発した。この方法では、まず、視野を複数の解像度で小領域に分割し、それぞれの領域のコントラスト値をfMRIで計測される脳活動パターンから予測する。そして、その予測値を組み合わせることで画像全体の再構成を行う。この手法を用いて、脳活動パターンの学習に用いていない幾何学図形やアルファベットの形の再構成に成功したほか(図1)、1億通り以上の候補の中から正しい画像を同定できることが分かった。また、2秒ごとに得られる個々の fMRIスキャンを解析することで、見ている映像を動画として再構成することにも成功した。

 本研究では、実際に見ている画像の再構成を行ったが、同じ手法を用いて、心的イメージや夢のような物理的には存在しない主観的体験を、画像として客観的に取り出せる可能性がある。したがって、本研究で開発した手法は、心を生み出す脳内メカニズムを探るツールとなると同時に、医療における心理状態のモニタリングや、脳を介した情報伝達システムの開発など、さまざまな分野での応用が期待される。

 本成果はNeuron誌(2008年12月11日発行、米国東部時間;日本では12月12日)に掲載される。本研究は、情報通信研究機構、奈良先端科学技術大学院大学、自然科学研究機構・生理学研究所との共同で行われた。 fMRI計測についてはATR脳活動イメージングセンタの協力を得た。また本研究の一部は、文科省脳科学研究戦略推進プログラム(課題名「日本の特長を活かしたBMIの統合的研究開発」)、情報通信研究機構(400チャンネル規模の超多チャンネルMEGを利用した脳活動計測の精度向上と基礎データ収集および脳情報抽出技術の高度化」)、総務省戦略的情報通信研究開発推進制度(「感覚知覚世界の可視化技術の研究開発」、「脳情報復号化にもとづくコミュニケーション技術の研究開発」)、日産科学振興財団(人と機械の自然な共生を目指す認知科学研究」の支援により実施された。

論文著者名とタイトル
Yoichi Miyawaki, Hajime Uchida, Okito Yamashita, Masa-aki Sato, Yusuke Morito, Hiroki C. Tanabe, Norihiro Sadato, Yukiyasu Kamitani. “Visual image reconstruction from human brain activity using a combination of multi-scale local image decoders”

ーーー引用終了ーーーー
いやはや、ここまでできる時代になったのですね。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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