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2008年11月6日

716 難聴に視力低下を伴う先天性の症候群

難聴に視力低下を伴う先天性の症候群に付いて調べてみました。後天性ならば原田病などが思い当たりますが、先天性となると、ごく当たり前に記憶すべき疾患にはそれらしきものは思いつきません。

15感音性の難聴に目の症状を示すものとしてはアッシャー症候群(内耳性の難聴と網膜色素変性症を伴う症候群)等が有るのですが、家族性の視神経萎縮の面から見て難聴だけを示すものは見当たりませんでした。江本先生が詳しい解説の書いてあるページを教えてくれましたので、それをいつもの”御祖母ちゃんにも解る”調に書き下し文にして見ます。

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そこで見つかった可能性の有るものとしては、難聴、ジストニア、そして視神経の萎縮を伴う症候群というものです。

Deafness-Dystonia-Optic Neuronopathy Syndrome
[DFN-1, Deafness-Dystonia Syndrome, Mohr-Tranebjaerg Syndrome]
これはコペンハーゲンのLisbeth Tranebjærg博士がGene reviewというページに記載したものです。まずそのサマリーを見ますと次のように記載されています。(本格的な興味のある方はそのページを御精読下さい。⇒リンク)

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ーーーーー引用ーーー
疾患の特徴では、男性のDDON (Males with deafness-dystonia-optic neuronopathy)患者は言葉を話すようになる前の年齢ないし言葉を話せる極若い年齢で聴覚神経性の難聴を発症します。ゆっくり進行するジストニアないしアタキシアを10歳代で発症、そしてゆっくりですが進行性の視力低下も20歳ごろに起こします。 そして知能の低下を40歳ごろに示します。精神科てきな症状、つまり性格の変化やパラノイアが年少のときに現れてゆっくり進行します。難聴は発症のころから持続し進行します。しかし、神経学的な症状、視覚症状、神経精神科的な症状の重症度や進行程度は症例によって様々です。女性の患者では難聴は軽度でジストニアは局所に留まります。
ーーーー引用終了ーーー
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次にこのページに取り上げられている鑑別すべき疾患を短くまとめてみましょう。鑑別すべき疾患のアウトラインが見えてきます。

ーーーー短縮しての引用開始ーーーー
DDONと症状を共有する特定の疾患

注意: TIMM8A遺伝子の変化は常染色体劣性を示す家系の症状に似ています。ですからX染色体性の常染色体に関連するジストニアとの鑑別は複雑です。

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1)メラスMELAS. 視神経萎縮、難聴、そして神経学的な諸症状はミトコンドリアに起因するメラスMELAS (mitochondrial encephalomyopathy, lactic acidosis, and strokelike episodes)を疑わせます。ミトコンドリア疾患も併せてご覧下さい。メラスにはジストニアは通常見られません。その代わり低身長、全身性の痙攣、痩せ、そして反復する嘔吐がメラスには見られます。ミトコンドリアMT-TL1遺伝子に変化が有ります。

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2)ミトコンドリアのSUCLA2に関連するミトコンドリア脳症は筋緊張低下、高度の難聴、筋肉の病理学的異常、メチルマロン酸の濃度上昇が特徴です。眼底は正常です。

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3)知能低下、運動の異常、難聴等を DDONと共有する遺伝性で変性性の疾患には、アーツ症候群Arts syndrome; ファーロー症候群Farlow syndrome; シムケ症候群Schimke syndrome; ウェリス症候群Wells syndrome; シミドレー症候群Schmidley syndromeがあります。

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4)マックレオドMcLeod neuroacanthocytosis syndrome (MLS)は神経や筋肉、赤血球変形の血液変化を伴う中枢神経系に見られる多系統変性疾患です。中枢神経症状には運動障害や認知障害、精神障害を示す大脳基底核病変を含みます。

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5)アッシャー症候群1型(Usher syndrome type I)とアッシャー症候群2型(Usher syndrome type II)。 DDON症候群(DDON syndrome)の患者には最初はアッシャー症候群が疑われる事があります。この両者では視力の低下は網膜(色素)変性によって起きますが、その最初の症状は暗順応の不良です。眼底検査と網膜電気図(ERG)で視力低下の原因を明らかにすることが出来ます。

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6)ウォルフラム症候群Wolfram syndrome (WS)は常染色体劣性遺伝の疾患で、若年性の糖尿病と視神経萎縮を示します。難聴はその60%で20歳までに見られます。運動障害や知能低下、尿崩症、精神的異常を伴う事があります。WFS1遺伝子に異常があります。
ーーー引用終了ーーーー

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さてさて、私のところに通っていてくださる患者さんの中にも、このうちのいくつかの疾患であると思われる患者さんがいます。筑波大学聾学校の校医を長年していますと、確かに網膜色素変性を合併する網膜色素変性の患者さんなど、これらの疾患の何人かを拝見したことがあります。此処の患者さんに関する具体的な質問点は、患者さんごとに違いますので、まずお近くの眼科の先生にお尋ねください。拙文が患者さんやご家族の何がしかの参考になればと思います。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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