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2008年10月30日

709 インフリキシマブ(レミケード)と眼

インフリキシマブ(レミケード®)と眼

以前眼を見せていただいた事のある方からインフリキシマブ(レミケード®)の眼への影響について質問を受けましたので調べてみました。

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インフリキシマブ(レミケード®)は抗ヒトTNFαモノクローナル抗体製剤であって、最近の慢性関節リウマチの治療に取り入れられている薬剤です。TNFα(腫瘍壊死因子)はクローン病や関節リウマチなどの免疫•炎症性疾患の病態形成に重要な役割を果たしています.インフリキシマブ(レミケード®)は,実際に,クローン病や関節リウマチを対象としたインフリキシマブの臨床試験において,優れた効果が確認され,インフリキシマブを用いた治療法が浸透しつつあります。さらに,疾患修飾性抗リウマチ薬の効果が不十分な活動性関節リウマチ患者に対しては,インフリキシマブとメトトレキサートの併用療法が確立されており,症状•症候の軽減,関節破壊進展の防止,身体機能の改善効果が期待できるともされています.

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その副作用については、1)腫瘍壊死因子は免疫にかかわる因子なので、その作用を抑えると、結核など感染症の危険が高まる。2)効かない人が3分の1ぐらいいる。3)長期使用によるがんのリスクを心配する声もあると記載されていました。
欧米では、インフリキシマブが急速に普及し、米国では、クローン病患者の半分ぐらいに使っている病院もあるというのですが、日本では医師も患者もまだ慎重で、薬によるコントロールを最終目標にするところでも、関連病院を含めてインフリキシマブを使っている患者は16%程度と言っているページもありました。

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 某病院のページを見ると、インフリキシマブは8週間に1回の投与なので、通院に付き添いが必要なくらい体の不自由な方や仕事で忙しい男性に適しているそうです。インフリキシマブは、点滴中に投与時反応と呼ばれる、発熱・血圧低下・蕁麻疹などの症状を引き起こすことがあります。投与時反応が出た場合には、次回の点滴には前もって予防薬を内服することで、ほとんどの場合、問題なくインフリキシマブの投与を継続することが可能とのことです。また、わが国で認可された量(3mg/kg)が欧米でのそれ(10mg/kg)に比べ少ないために、途中からインフリキシマブの効果が減弱することがあるとも記載されていました。

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眼科に於いても、平成19年1月26日、従来効能の関節リウマチおよびクローン病に加えて、「ベーチェット病による難治性網膜ぶどう膜炎(既存治療で効果不十分な場合に限る)」の効能が追加され、既に医療機関で同製剤による治療が行われています。
この薬剤の副作用については、腹痛、気管支炎、感染症が報告されていて、発熱、じんま疹、血圧低下、呼吸困難などの多くの即時型副作用が点滴中に起こることがあるようです。

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インフリキシマブの全例市販後調査をみますと、細菌性肺炎、結核、ニューモシスチス肺炎、敗血症、真菌感染症、非定型抗酸菌感染症、帯状疱疹などの日和見感染症が報告されています。最も多い感染症は細菌性肺炎で、5,000 例中 115 例(2.3%)に認められています。インフリキシマブ使用開始前の日本リウマチ学会ガイドラインの策定にもかかわらず、結核は 2,000 例の中間解析では 11 例(0.55%)に認められましたが、5,000 例の解析では 15 例(0.3%)にとどまっています。

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眼科に関係するかもしれない合併症としては特に記載が無いのですが、自己免疫疾患に関する記載で、当初、抗核抗体、抗 DNA 抗体の誘導が観察されることから全身性エリテマトーデスの発症頻度が高まるのではないかと懸念されたが、その報告は散発的で、逆に、全身性エリテマトーデスに有効であるとの報告も見られるとされています。一方、多発性硬化症や視神経炎などの脱髄疾患はこれを悪化するとされ禁忌であるとの記載が有ります。
一般的な隠れた感染症の可能性と視神経炎などの除外にはご注意ください。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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