お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2008年10月25日

702 シンポジウム”新技術と倫理”を第62回日本臨床眼科学会で、聞いて来ました

今日は今月2度目の日本全国規模の眼科学会である第62回日本臨床眼科学会に参加しました。
まず朝一番は新技術と倫理という15番のシンポジウム。

6
岩手医大黒坂大二郎教授のテーマは”白内障における新技術と倫理”、白内障の手術をレジデントにさせる際にどこまでそれを患者にしらせるべきか?また患者はそれを許容してくれるか?といった話題を取り上げて論じました。新しい機材を業者から借りて難易度の高い手術症例の白内障を行う際にも、単に新しい良い機械で手術を行うとだけ説明し、なれない機械を使って手術するという事を伝えないのはフェアではないのではないかという事も話されていました。ごもっとも。(本音:気の効いた開業医は自分の大事な患者さんの紹介は病院眼科御中ではなく、さりげなく気の合う上手な手術者個人当てに紹介を出すものですが。)

7

鹿児島大学の坂本泰二教授は網膜疾患治療と倫理という話をしました。先日このブログで取り上げた九州大学における網膜色素変性症の臨床試験の内容に付いても説明が有りなるほどと思いました。しかし、学内倫理委員会を通過しただけで、政府の審査はまだ1~2年はかかるという事でした。大学ではアバスチンの硝子体内投与など保険で承認されて居ない治療を行う際には学内倫理委員会を通しますが、私立の医療機関などでは素の同意がおろそかになりがちです。それは大変に危険な事であるといっていました。また、現在判断の基準にされがちな審査員の直感は倫理判断基準で最低限要求されている3条件(事実と価値の区別、一貫性、公平性)を満たす事が出来ず、重大な研究への障害を起こしていると述べました。最近、患者の報告をするには本人の同意が求められるようになって、症例報告が急激に減り、困難を来たしているという事でした。

8
理化学研究所神戸研究所の高橋政代先生は網膜再生研究で考えねばならない事-倫理は誰のものかという話をしました。西欧のキリスト教では卵が生命の始まりなのでそれに手を加えることは生命に手を加える事で、ブッシュ大統領にもローマ教皇にも教義上許されぬ事なのだそうです。マスコミでは倫理を取り上げますが、科学を基本的に知らない人が素の議論に加わると、偏見で判断するから他分野の人が入るならば基本的な説明を理解してから議論に加わって欲しいというやや過激な、しかしもっともな発言が印象に残りました。

best doctors logo vertical (ベストドクターズとは)

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

管理頁
清澤眼科医院通信最新ページへ(リンク)します

Categorised in: 未分類