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2008年10月14日

692〔遺伝性視神経症〕 レ一ベル病および優性遺伝性若年性視神経萎縮症

〔遺伝性視神経症〕
視神経炎のような症状で発症し、中心視力の低下や視野の欠損を示すが、網膜の変化は少なく、やがて視力の回復を十分に示さぬまま視神経が萎縮を強めていく疾患である。家族性とされるが、必ずしも同一家系内にその類似した症状の患者が見荒れるとは限らない。おじなどに視力の悪かった人が居たという場合には詳しく話を聞いてみる価値がある。

遺伝性視神経症には種々のものがあるが、いずれも難治である。比較的多いものとしてはレ一ベル病(レーベル遺伝性視神経症)と優性遺伝性若年性視神経萎縮症があり、これらが公的なホームページには記載されている。

A レーベル病
■定義
青年ないし中年の男性に多く,片眼又は両眼の比較的急激な視カ低下で始まる視神経症をおこす疾患で,母系遺伝を示し同一家系内に発症が証明されることがある。

現在この診断を告げる場合にはミトコンドリア遺伝子の解析を行って、視力障害がすでに起きていていずれかの知られている遺伝子変異が或る場合にそれを告げる。遺伝子異常が有ってもまだ発症していない場合も有るし、今後も発症しない場合も多いことに注意を要する

■疫学
日本では井街の大規模な家系調査が1973年に発表されている。その後の諸報告から推定すると,現在350~400家系が確認されていると考えられる。医科歯科大学でも年に数例の新規の患者に遭遇する程度の頻度を持つ。ミトコンドリア遺伝子異常が発見されてその診断に信頼性が得られるようになったが、未知の遺伝子もあろうし、既知の遺伝子があっても必ずしもその遺伝子が発言しているという保証は無いから、慎重な診断が必要である。

■病因
ミトコンドリアDNAの塩基配列に点突然変異が発見され,これまでに確実に疾患に関係ありとされるのは,11,778、3,460,14,484番目の各塩基の点変異である。更に9,804,15,257番などまだ異論はあるが1次変異の可能性を指摘されているものがいくつかある。日本人の症例は大半が11,778変異を有した症例である。発症のきっかけとしてタバコ,糖尿病,アルコール,頭部外傷などが関与したと疑われる症例の報告があるとされる。遺伝のみが発症に関与するわけではないということであろう。

■治療
coenzymeQ剤は真島らによってその有効性が提唱され、ミトコンドリアの呼吸鎖を助けるので有効であるという理由が説明されている。このほかビタミンC、循環拡張剤などが試みられるが,特異的効果的治療法ではなく、それらも保険適用が認められて居るわけではない。患者を前にして一概に確立された治療法はなし、と説明するのは最善ではないかもしれない。

■予後
11,778変異の大部分は両眼とも0.1以下にとどまるが、稀に若干の回復をみるものが報告されている。ミトコンドリア遺伝子はすべてがその変異を示すわけではなく一部の遺伝子が変異を持つ家系も有る(真島らの文献参照、清澤共著)、多くのミトコンドリア遺伝子が変異した場合のみにおいて発症にいたるものと考えられる。遺伝相談ではそのあたりも勘案した判断が必要であろう。

B 優性遺伝性若年性視神経萎縮症
■定義
10歳未満で発症する優性遺伝性の視神経症である。初期には視カ低下のほかに中心視野が侵されるために第3色覚異常様の色覚異常を示し,視神経乳頭は耳側から次第に退色するのが臨床的特徴である。

■疫学
日本で確認された家系数は少なく、医科歯科大学眼科では実際にこの疾患には遭遇しては居ない。男女差はないとされる。

■治療
明らかな有効性が確認された治療法はないので、ビタミン剤などの処方が行われる。

■予後
視カ低下は緩徐であり,0.2~0.3以上の視カを保持する例が多いが,高齢になると視力低下が更に進行する例があるようである。

(難病情報センターの治性視神経症の項目を参考にして清澤の経験を加えてその見解を記載しています。患者さんからの質問がありましたので暫定的に掲示しましたが、この項目はまだ作成途中です。)

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