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2008年10月2日

681:サンケイリビングの「市民健康セミナー」眼瞼痙攣報告(質疑応答付き)

眼瞼痙攣の方が居たら、よい治療法があるとお伝えください。
眉間じわから、まぶしくて眼を開けない患者さんまでいます。

眼瞼痙攣に関するサンケイリビングの「市民健康セミナー」は10月3日(金)にヤクルトホールで開催され 若倉先生(井上眼科)、清澤(清澤眼科、医科歯科大)敷島先生(慈恵医大)、東海林さん(眼瞼・顔面痙攣友の会)が眼瞼痙攣に関するお話をしました。最後には井上眼科の大石先生も加わって参会者からの質問にお答えしました。

その参加者は総数441名と大盛会でした。若倉先生によりますと日本の眼瞼痙攣患者総数は30万人に及ぶとか。このような会を通して眼瞼痙攣の患者さんが自分の疾患に気がつき、私たちを訪れることを期待いたします。

用意した質問事項とそのお答

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1) ドライアイについて

質問1-1):ドライアイの人数、CL(コンタクトレンズ)、LASIK(近視矯正手術)との関係
お答:眼瞼痙攣の患者の半数以上はドライアイを合併しています。コンタクトレンズ、ことにハードコンタクトレンズの装用者や、長時間の使用など無理な使い方でコンタクトレンズを使う患者さんでもドライアイの頻度は高いです。レーシックでは、いったん角膜表面を削ぎ起こして、その後でレーザー光線で角膜を削ってからこの角膜弁を戻すので角膜の感覚神経が切断され、角膜知覚が大幅に失われます。その結果反射性の流涙が減ってドライアイを引き起こすことが知られています。ヒアレイン点眼の投与や涙点プラグ装着などが有効な治療法です。

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質問1-2):ドライアイと眼瞼けいれんの関係
お答:ドライアイがあって眼瞼痙攣が起こるのか?眼瞼痙攣があって適切な瞬目ができないために涙液層が維持できないためドライアイになるのか?は必ずしも明らかではありませんがこの両者は多くの場合に合併しています。私はむしろ後者の場合が多いかと考えています。この両方の治療を同時にしないと眼瞼痙攣も眼瞼痙攣もともに解消することができません。

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質問1-3):涙点プラグについて
お答:個体のシリコンプラグ(商品名スーパーフレックスプラグ)と、液体で体温で15分程度でやわらかく凝固するコラーゲンプラグ(商品名はキープティア)の2種があります。従来はシリコンプラグを多用しましたが、コラーゲンプラグが出てからはそのほうが、違和感もなく、設置後の脱落もないのでコラーゲンプラグをお勧めすることが多いです。コラーゲンは公称では2-3月の有効期間ということですが、4-5カ月たっても再度入れなおす必要を訴える患者さんはまれにしか見受けません。最初は両眼の下涙点にいれ、それでも渇きが強いと上にも追加で入れることがあります。

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2)眼瞼下垂について
質問2-1):下垂とは、その原因
お答え:瞼を吊り上げる筋肉である上眼瞼挙筋やミューラー筋が緩んで瞼が下がり、やがて瞳孔の大部分が上瞼で覆われるの至った状態を指しま^す。患者は額の筋で瞼を上げようとするのでひどい頭痛や疲れ感を訴えます。(1)先天性のもの、(2)老人性で眼瞼挙筋が瞼板からずれたもの、(3)動眼神経の麻痺が起きていて瞳孔散大や眼位の外斜を伴ったもの。それから(4)頸部の交感神経麻痺があってミューラー筋がまひしているホルネル症候群などがあります。また特殊なものには(5)外眼筋が委縮するミトコンドリアの異常を持つ筋肉の委縮症やハードコンタクトレンズを10年以上使った患者に見られるものなどもあります。

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質問2-2)下垂と眼瞼けいれんの関係
お答:眼瞼下垂と眼瞼痙攣は基本的には全く別物です。痙攣は眼輪筋という眼を閉じる筋の過緊張ですが、眼瞼下垂は瞼を持ち上げる筋の麻痺です。なお、長期にわたって眼瞼痙攣が続くと瞼の皮膚が緩んで眼瞼皮膚弛緩をきたし、それが垂れ下がって瞳孔にかかることがあります。また、眼輪筋の収縮が強くてボトックスもあまり効かないときには眼輪筋の切除を施す場合があります。この場合には余剰の皮膚の切除と合併した眼瞼下垂を修復することがあり、その選択は誤りではありません。

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質問2-3):下垂と心身症状
お答:眼瞼下垂は心身症で起きるたぐいのものではありません。患者の心の弱さのせいにして患者を批判するのは誤りです。手術を含む適切な対応が望まれます。

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3) 眩しさについて
質問3-1):「まぶしさ」とは
お答:目に入ることを体が期待する光の量と実際に目に入る光の量のミスマッチを感じる感覚とでも説明してみましょうか?しかし、角膜に傷があったり、ヘルペスの感染が角膜にあったりすると、普通に考えると痛みに感ずるべきものも眼では眩しさと感ずるようです。眩しさの原因は必ずしも光だけではありません。

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質問3-2)嫌光感について
人の網膜は強い光にあたると、その感度が急激に下がり、暗い部屋に入ればその感度がゆっくりとですが上がってきます。これを暗順応と名順応といいます。その順応力は1000倍とも言われています。また瞳孔の直径が暗い部屋で7ミリに広がったときと、明るい部屋で1ミリになったときでは瞳孔の断面積だけを考えても50倍も入る光の量は変わります。明るいからと言って必ずしも眩しくはないわけですから、単に目に入る光の量が眩しさを規定するわけではないということはお分かり願えるでしょう。自分が期待する光の量と入る光の量のミスマッチが眩しさを説明する一つのカギです。眼に痛みの原因になる病気があるなど眼の状態が良くないと、光は大変わずらわしく感じられます。

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質問3-3):「まぶしさ」と眼瞼けいれん
お答:眩しさを感じる眼瞼痙攣とそれを感じない眼瞼痙攣の患者がいます。その脳の状態をPETで調べると脳の働きの分布に違いがあることが分かっています。眩しさは眼瞼痙攣の重要な症状の一つであって、それを克服できれば眼瞼痙攣も軽減されるはずです。

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4) ものを見る持続力について
お答:眼の疲れを眼精疲労といいますが、これは明確に定義できません。近句を見るためのメガネがあってないとか、目が異常に乾いているとか、逆さ睫毛が眼球表面をこすっているとか、その他の眼球に負担がかかる状態であれば、長時間の読書には困難が伴うでしょう。読書が続けられないという患者さんを診察する場合にはその続けられない理由を探し出す必要があり、その状態を解消する手を打ちます。

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5) 「片目を閉じたい」について
お答:この質問の答えになるかどうかわかりませんが、眼瞼痙攣では目を開いていることを維持するのに、反対眼に刺激を与え続けると使う側の目が開ける場合があります。そのような状態を知覚トリックと呼びますが、もし眼瞼痙攣の患者さんが片目を閉じていたいというならばこのセンソリートリックを使って反対の目を開こうとしているのかも知れません。

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6) 痛みについて
お答:眼瞼の痙攣には痛みが伴うことがあることは最近注目されています。ボトックスで瞼の異常な痙攣を止めるとこの眼の痛みも止まりますので、適切な時期にボトックスを注射することは良い対策であるとされています。また、日本の健康保険では認められてはいませんが、三叉神経痛にもボトックスが有効であるという文献が出ています。

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6-2)痛みのあるところに病気があるとは限らない?疼痛性障害とは?
お答:最近心療眼科の領域で話題になっている病気にセネストパシーという疼痛を主訴とする疾患があります。白内障の手術の後などに、本人は異様な痛みの持続や異物間を訴えるのですが、実際にはごみも糸も残ってはいなくて、炎症もないという状態です。そのような場合には、抗炎症剤や鎮痛剤ではなくてうつ病の薬が有効な場合があるとされています。がん化でもそのような治療に心得のある医師にご相談なさってください。

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これらの質問と答えは、サンケイリビング健康教室の参加申し込み者からの質問の一部を若倉先生が選択し、その答えの準備としてこのブログの解説者の清澤が用意したお答です。質問者の意図とずれたお答が交じってしまいましたら御容赦ください。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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