お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2008年9月15日

669 第5回眼瞼点顔面痙攣友の会例会、当日に医師に聞きたい質問のリストと清澤の回答

第5回眼瞼・顔面痙攣友の会会場で渡された質問集に対する清澤のお答えです。各答えに対する質問は、参加確認のはがきで集まったものだそうです、おって足します。 (管理頁

黒澤さんもこの会の報告の記事を書いておられます⇒リンク併せてご覧下さい。

91367
1、質問(1名):
1、万能細胞の研究がこの疾患をストレートに解決に導くのは難しいと思います。万能細胞を何がしかの疾患の治療に使おうとするには、万能細胞をどの様に分化させて、何の細胞としてどう使うとこの疾患が治るはずであると言うストーリーが必要です。眼瞼痙攣を起こす事も有るパーキンソン病や脊髄小脳変性症の患者さんの脳に万能細胞から分化させたドーパを分泌できる神経細胞を移植すると言うようなストーリーが将来出てくるかもしれませんが。

91366
2、質問(1名):
2、私は若倉先生の作った軽瞬、速瞬、強瞬に1から3点をつけて総計を0から9点として軽重を見る方法が良いと思っています。これは私と若倉先生の小さな本に出て居ますのでお試しください。ジャンコビックの程度分類(⇒リンク2008年01月18日 492 眼瞼痙攣・顔面痙攣の重症度 )は今ひとつ軽症例と重症例の分離が良くない気がします。この疾患を障害年金などの対象にする運動は確かに必要で聖マリアンナ大学の署名集め(⇒リンク)には私たちも協力しています。

91365
3、質問(5名):
3、眼瞼痙攣の原因は脳の錐体外路の機能障害なのですが、まだその先までは良く説明されては居ないと言うのが現状です。ボトックスの副作用は注射後の一定の期間に閉瞼が弱くなるとか、複視がでるとか、皮下出血が少し有る程度で、永続する障害はありません。

91364
4、質問(6名):
4、眼瞼痙攣は飲み薬で治すような疾患ではないのですが、患者の半数はボトックス一度の投与でもう注射をする必要は無いといいますのでので、これを治ったと言う事も出来るでしょう。3月ごとなどの一定の間隔でボトックスを注射していた患者さんでも、いつの間にか注射間隔が長くなったり、もう打つ必要がなくなったりする患者さんも稀ではありません。

91363
5、質問(3名):
5、眼面痙攣に有効な顔面体操はまだ有りません。未然防止策も残念ながら私は知りません。

91364

6、質問(7名):
6、片側顔面痙攣に対してジャネッタの手術と言うのがあります。これは耳の後ろの骨に穴を開けて、神経と血管の間にスポンジを挟むものです。高齢者や、すでに手術を受けた事の有る方、腫瘍などのある方などの非適応の条件が有ると聞いています。日本で恒常的に行っている施設は僅かです。会場では施設名を挙げて答えましたが、耳が聞こえなくなるなどの重大な合併症の危険も少なからず有りますので、勧めたいわけでは有りません。希望があれば、受診者に個別に紹介しましょう。このほかに、重い眼瞼痙攣に有効な眼輪筋切除と言う手術が有ります。痙攣は軽くなりますし、手術した事には感謝されますが、患者さんがボトックスを打ってもらう必要な頻度は減りません。

91365
7、質問(1名):
7、ボトックスには最高年齢の制限は有りません。

91366
8、質問(3名):
8、ボトックスは薬剤が生物製剤であるため、ボトルの中の薬剤の量に多いときと少ないときが有るようです。上下に100単位から20%ぶれれば、聞くときと弱いときの差は簡単に2倍にもなります。私は目の周りには2,5から5単位を6箇所、口の周りはその半量で4箇所を基準にしています。

91367
9、質問(3名):
9、以前そのような説がありましたが、最近は精製純度が高くなっていて抗体が出来て効果が弱くなる事は無いとされています。ですから抗体による作用減弱は考えなくて良いです。

91368
10、質問(3名):
10、ボトックスの新薬は日本ではまだでないでしょう。新たな治療法はリボトリールやアーテンなどの飲み薬の併用、ボトックス、渇きに対する対策、クラッチやサングラスなどの使用と言ったところを組み合わせて個々人に最適の治療をくみ上げると言う事だと思います。リボトリールなどでギャバAの受容体を刺激すると、症状が軽くなりますから、おそらくギャバ受容体の何がしかの変化が病態生理に関係していると思いますが、まだ統一的な説明は完成していません。

91369
11、質問(2名):
11、漢方薬は有効なものを知りません。アーテンとリボトリールは次回までのつなぎとして併用します。飲み薬を使ってボトックスを避けようとするのは誤りでしょう。針治療も確立された用法は今のところ有りません。

91370
12、質問(3名):
12、眼瞼痙攣は頭部頚部のジストニアの一つの形です。それに口の周りのおかしな水を吸うような動きの加わったものがメイジュ症候群です。ジストニアの症状緩和のもっとも有効な手段はやはりボトックスをジストニアの起きている筋に注射する事です。

91371
13、質問(4名):
13、診療内科ではなく心療内科の事でしょう。デパス等はその重要なものです。しかし統合失調症の薬等では何を使っても眼瞼痙攣はおきることがあります。薬を換えると言う対応は致しにくく、薬を使った上からボトックス注射で遅発性ジスキネジアの痙攣を押さえ込むと言う治療のスタイルになる事も有ります。具体的薬剤名は私のブログの薬剤性眼瞼痙攣の項目をご覧下さい。

91372
14、質問(1名):
14、まずボトックスが効かないと言う訴えをする患者さんが一割は居る事を覚悟しないといけないでしょう。効かなくても量を増やしてボトックスを主に使う治療が第一です。その後で、顔面の皮膚をその下の筋と共に切り取って目を閉じる力自体を弱める手術、眼輪筋切除術が考えられます。目や頭の痛みもボトックスが有効との話が有ります。更に、抗鬱薬のSSRIなどを痛みの抑制に使う事もできますがこれは多少の使用経験の有る意思で無いと危険です。

91373
15、質問(2名):
15、心臓病、老眼(正しくは老視です)、白内障や緑内障による視力の低下はいずれも老化に伴って増えてきます。眼瞼痙攣は50歳台、60歳代、70歳代に多い疾患ですから目の成人病がその年齢層に起きるのは不思議では有りません。あれば、通常のごとく治療を加えればよいです。瞼の皮膚弛緩が眼瞼痙攣の強い閉瞼の連続の結果で起きる以外には因果関係はなさそうです。

91374
16、質問(1名):
16、飛蚊症の多くは老化に伴って近視の有る眼に置きやすい後部硝子体剥離で見られる現象です。眼底を確認して網膜剥離や網膜裂孔など手術が必要なものが無いことを確かめてもらって置いてください。反対側も同じ目ですから起きるかもしれませんが、基本的には無害な正常の老化に伴って起きる現象ですから、もし起きてもあわてないで眼科担当医にご相談ください。

91375
17、質問(1名):
17、顔面神経痛と言う診断名は医学用語には有りません。顔面神経が運動神経であって感覚神経ではないからです。おそらく痛みが有るならば三叉神経痛でしょうし、顔面神経なら顔面神経麻痺かあるいは頑健神経の痙攣(つまり片側顔面痙攣)と言うわけです。三叉神経痛ならば、抗痙攣薬などで痛みを抑える方法が有ります。ごそうだんください。

91376
18、質問(2名):
18、私はボトックスを勧めたいですが、高価な薬ですし効かないと言う理由でボトックス治療を断る患者さんは確かに居ます。アーテンやリボトリールがその場合には処方でき為すが、段々に量を増やすとその中毒になって減らす事も出来なくなりますからご注意ください。アーテンで体重が年に5キロも減ったら、アーテンの所為では有りませんから、むしろ内臓の癌の可能性を除外してもらってください。

91377

19、質問(1名):
19、瞼の手術を中心に行う形成外科の先生方と我々眼科の医師の見解が異なる場合が有ります。まず瞼を引き上げる力が弱いのが眼瞼下垂です。老化でも、長期のコンタクトレンズ使用でも、筋無力症でも見られます。その場合には、原因を取り除く事が出来ないならば、眼瞼挙筋短縮術や瞼の吊り上げ手術が出来ます。一方目を閉じる力が強くてしかもそれを自分でコントロールできないために瞼が下がるのは眼瞼痙攣です。この場合、不随意に目が閉じるのでボトックスを目の周りに注射して、目を閉じる筋を麻痺させ、相対的に開きやすくするわけです。このようなものに対していたずらに瞼を開くように手術しますと、目に風が当たるので、目の乾燥が強すぎて表面に傷を生じ、反って患者を苦しめる事になりかねません。

best doctors logo vertical (ベストドクターズとは)

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

管理頁
清澤眼科医院通信最新ページへ(リンク)します

Categorised in: 未分類