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2008年8月18日

640 視神経乳頭小窩(ピット)への漿液性剥離の合併 Optic pit and central serous detachment

視神経乳頭小窩(乳頭ピット)と言うのは視神経乳頭に先天性で深い不自然な窪みの有る状態です。そのような乳頭小窩を持つ患者さんの網膜に中心性漿液性網脈絡膜症のような漿液性で非裂孔原性の網膜の剥離を見ることが有ります。ピット黄班症候群

視神経乳頭小窩(optic disc pit)と中心性漿液性網脈絡膜症(central serous retinopathy)をキーワードにして英文でサーチしますと3374件ものヒットが有ります。

たとえばPahwaは、28歳男で右視力が0,1、蛍光眼底撮影で乳頭小窩の染色があったが光凝固はしてないという症例を報告しています。

(Pahwa V. Optic pit and central serous detachment. Indian J Ophthalmol [serial online] 1985 [cited 2008 Aug 18];33:175-6. Available from: http://www.ijo.in/text.asp?1985/33/3/175/30815)

先天性の視神経乳頭小窩はまれにしか見られない視神経乳頭のクレーター状のくぼみです。視神経乳頭小窩は両眼の事もあるが多くは片眼であす.小窩は単一であり、乳頭の端付近に見られることが多い。乳頭小窩は乳頭の端を越えては広がらないが、乳頭が変形して卵形の事がある。下外側の4分の1の部分にあることが多く、鼻寄りにあることは稀で、更に上半分にあるのはまれである。視神経ピットはもっとも軽いレベルの脈絡膜欠損(コロボーマ:別項目参照)であると考えられています。

通常は20歳から40歳で気付かれますが、報告は小児から60歳に及びます。その頻度には男女差がなく、家族歴がある者は稀であるとされています。

30-40%では視力低下を伴う漿液性の剥離が見られる。漿液性剥離は視神経の端から広がる水滴状か、後局部に楕円形で存在し、それが長期に亘って続くと色素沈着や脱色素斑となり、時には類嚢胞状黄斑浮腫や黄斑円孔が形成される。黄斑変化の理由は不明だが、起源については、視神経の発達異常を考える人と、眼杯の閉鎖不全を考える人がいます。それに対応し、網膜下液は硝子体由来なのか、くも膜下腔由来なのかの2説がある。

病理の報告は少ないですが、乳頭小窩はグリアと神経線維の残渣、それに網膜色素上皮からなる網膜組織で出来ているようです。乳頭小窩部分では篩板が欠如していますが、組織の乱れは視神経鞘の中で終わっています。乳頭小窩は先天性の虹彩、視神経乳頭、脈絡膜などのコロボーマ(欠損)を伴うことがあります。また、黄斑浮腫、黄斑円孔、黄斑嚢腫や黄斑の色素沈着を伴う事もある。若年からの腎臓の機能低下と眼球のコロボーマが合併する症候群も知られています。

臨床症状を欠くこともあって、その場合に乳頭小窩は眼底検査で偶然見つかります。視野欠損が多くの症例に見られ、マリオット盲点拡大と扇状の欠損、傍中心ないし中心暗点を示します。

自然に網膜剥離が復位した報告もあるがそれは稀で、黄斑剥離の視力予後は不良である。網膜に復位をもたらすあらゆる治療方法は自然経過に任せる治療法よりは優れている。様々な治療法には、眼帯やマニトール点滴、ベッドでの安静、ステロイド投与、光凝固、ジアテルミー、冷凍凝固、網膜下駅の排除、強膜内陥術、眼内へのガス注入等があるが、最善の治療法は未確定です。

永続的な黄斑障害があるなら、3月は様子を見ます。自然の網膜復位が得られたら、光凝固治療をしても良いです。もし復位が得られないならば、ベッドでの安静と半圧迫眼帯を2日行って、引き続き網膜光凝固を行ってから2月様子を見ます。それでも剥離が残るならば、眼内ガス注入の後で光凝固を加えることができます。それでも復位が得られないならば、硝子体切除後に空気ガス置換を行って、更に光凝固を加えるのが推奨されるなどと記載されています。(http://www.djo.harvard.edu/print.php?url=/physicians/gr/620&print=1)

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