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2008年8月6日

632 網膜色素変性症 retinitis pigmentosa, pigmentaru retinal dystriphhy

網膜色素変性症(もうまくしきそへんせいしょう)の難病情報センターのページは非常に良い説明を掲示しています。

殊に難病情報センターのページの特定疾患情報(一般利用者向け)をご覧になるのは患者さんんとその家族にとって有用でしょう。また 診断・治療指針(医療従事者向け)も眼科医および非眼科医にも役立つ情報が含まれて居ます。これらの内容を清澤流に”おばあちゃんにも分るように”書き下し文にして見ます。

1. 網膜色素変性症とは?
網膜色素変性症は目の中にある網膜という光を感ずる神経の膜に異常をきたす遺伝性で、進行性の病気です。網膜色素変性症では網膜の中の視細胞という細胞が最初に障害されます。視細胞は一番最初に光に反応して光刺激を電気信号に変える働きを担当しています。
断面(図:清澤注、眼球の内面のごま塩を撒いたような網膜の変化がこの病気の特徴です)
この視細胞には
(1)杆体細胞:網膜の周辺に多く分布して、主に暗いところでの物の見え方とか視野の広さなどに関係した働きをしています。
(2)錐体細胞:網膜の中心部である黄斑と呼ばれるところに分布して、主に中心の視力とか色覚などに関係しています。

視野狭窄

図:視野狭窄(清澤注:街がどの様に見えるかを示した別のページからの図です。このように周りが見えなくなりますが、視野の中央は保たれ、視力はよい事が有ります。)
網膜色素変性症ではこのうち杆体が主に障害されることが多く、このために暗いところで物が見えにくくなったりし、この症状が”とりめ”、夜盲とよばれます。視野が狭くなったりするような症状も最初に起こしてきます。また、病気の進行とともに視力が低下してきます。

また一口に網膜色素変性症といっても原因となる遺伝子異常は多種類ありますので、人によって症状は多彩です。

2. この病気の患者さんの頻度は?
網膜色素変性症の頻度は通常4,000人から8,000人に一人と言われています。
網膜色素変性症は遺伝病ですが、実際に遺伝が認められるのは全体の50%程度です。

3. この病気はどのような人に多いのですか
網膜色素変性症には男女の差はありません。
常染色体劣性網膜色素変性症ではしばしば両親が遠い親戚どおしであったりします。
それぞれ発症年齢には個人差が多く出生時にすでに相当進行しているタイプや、子供の頃から自覚症状を訴えるタイプもありますが40歳ぐらいになって初めて症状を自覚する患者さんも多くいます。(清澤注:実際に見かける患者さんにも色素沈着が無く、極軽い初期の患者さんがしばしばいます。)

4. この病気の原因は?
この病気は視細胞や、網膜色素上皮細胞に特異的に働いている遺伝子の異常によって起こるとされています。しかし今のところ、明らかに原因となる遺伝子がわかっているのは網膜色素変性症の患者さん全体の極く一部です。
大部分の患者さんではいまだ原因遺伝子は不明です。今後さらに多数の遺伝子異常が明らかにされるものと期待されています。(現況は、専門外来に検索を依頼すると遺伝子異常が分る事が稀にあるという程度です。)

5. この病気は遺伝するか?
明らかに遺伝傾向が認められる患者さんは全体の50%で、後の50%では家族内には病気の人が確認できません。

夜盲

6. この病気ではどのような症状がおきますか?
視細胞の障害にともなった症状がでてきます。
最も一般的な初発症状は暗いところでの見え方が悪くなる、夜盲です。(清澤注:お祭りの夜に、友人は歩けたのに、その患者さんだけ暗くて歩けなかったなどと表現します。)(夜盲の図:出典
さらに病気が進むと次第に視野が狭くなってきます。
その後、視力の低下や色覚異常がともなってきます。
この病気は原則として進行性ですが、症状の進行度には個人差があります。

7. この病気にはどのような治療法がありますか?
この病気には現在のところ根本的な治療法はありません。
対症的な方法として、
遮光眼鏡の使用、
ビタミンAやその仲間(清澤注:例えばアダプチノールがそれです)の内服、
循環改善薬による治療、
低視力者用に開発された各種補助器具の使用
などが行われています。

眼科疾患の中でも非常に進行の遅い疾患ですので、
視力視野の良いうちから慌てないことが肝要。
矯正視力や視野結果を理解して自分の進行速度を把握すること、
進行速度から予測される将来に向けて準備をすること、
視機能が低下してきても各種補助器具を用いて残存する視力視野を有効に使い生活を工夫することです。
ハンディー拡大読書器
(補助器具:拡大読書器の図)
将来期待される治療法として、遺伝子治療、網膜移植、人工網膜などの研究が現在はまだ主として動物実験で行われています。

8. この病気の経過は?
この病気は進行の早さには極めて個人差があります。
30代でかなり視力、視野が低下する方もいれば、70歳でも1.0の良好な視力の方もいます。
長い経過の後に矯正視力0.1以下になる方は多いですが、暗黒になる方はむしろあまり多くありません。

同じ病名であるからといって同じ症状や重症度、進行度を示すわけではないことを十分に理解して下さい。進行度をみるためには定期的に何回か診察や検査を受けて初めてその人の進行度を予想することができます。

さて、私の説明を理解していただけたでしょうか?同じ病名でも進行が個人によって全く異なるという点が重要です。病名を聞いて心配をしすぎない事も重要です。

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◎今日の花はマリーゴールド
マリーゴールドは、キク科コウオウソウ属のうち、花がきれいで観賞価値の高い園芸用名称。原産地はメキシコ。5-10月にかけて花が見られ、独特の強い香りがある。この花の花びらから抽出されたキサントフィル脂肪酸エステル混合物に含まれるヘレニエンという色素は暗順応改善薬の原料として用いられている。バイエル社はマリーゴールドの花びらから抽出した脂肪酸エステル混合物に高い暗順応改善効果があることを発見し、ヘレニエンを有効成分とする暗順応改善薬「アダプチノール」が作られた。この薬は現在でも目の薬として使用されているが、此処数ヶ月は原末の供給途絶を理由に日本の市場からは姿を消している(清澤注:)。
春播きの一年草で、発芽適温は比較的低い。3月中旬頃に室内でまくと、小さな万寿菊のほうは、一月も経たないうちに花が見られる。花言葉「生きる」。
聖母マリアの祭日に咲いていたため「マリア様の黄金の花」とも呼ばれている。(清澤注:納得しました。)(本文はWikipediaを参考にしました)

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