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2008年7月27日

621 ステロイド緑内障

ステロイド緑内障
管理頁

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始めに:
 治療に使ったステロイド剤が原因で、続発的に起こる緑内障です。原発性緑内障のときと似た症状があらわれますが、その眼圧の上昇は30mmHg以上などとかなり高くなることも少なくは有りません。たとえばアレルギー性結膜炎や角膜炎などの治療のために、ステロイド点眼薬を1ヶ月以上長期にわたって連用すると、もともと健康であった目でも眼圧が上昇してくることがあります。原発開放隅角緑内障とほぼ同じ経過をとり、放置すると視神経萎縮を起こして失明しかねません。

以下の文章はeMedicine Specialties > Ophthalmology > INTRAOCULAR PRESSURE Glaucoma, Drug-Inducedを参考にしています⇒リンク Douglas J Rhee, MD
ーーーー抄訳での引用開始ーーー
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背景
いくつかの異なる薬剤が眼圧を上昇させますが、その中には開放隅角緑内障の機序によるものと、閉塞隅角緑内障の機序によるものが有ります。ステロイド誘発性緑内障は開放隅角緑内障の一型であって、通常は局所に対するステロイドの使用によって起きます。しかし吸入したり、経口投与されたり、静脈投与されたりしたステロイドでも緑内障は見られます。様々な状態にたいして処方される薬剤には、これとは別に隅角の狭い眼に閉塞隅角緑内障を起こすものがあります。(本稿ではこれには言及しません。)

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開放隅角型の薬剤性緑内障

薬剤による眼圧上昇としては開放隅角の機序による事が多いです。ステロイドは眼圧上昇をきたす事が有ります。しかしステロイドを使っている患者のすべてが眼圧上昇をきたすわけではありません。危険因子としては、元々あった開放隅角緑内障、緑内障の有る家系である事、強度近視、糖尿病、膠原病(特に慢性関節リウマチ)などがあります。

更に、眼圧に影響する患者の数はステロイドの投与経路にも拠ります。多くの患者は点眼や眼の周りへのクリーム、それに硝子体注入にも反応します。眼圧上昇の発症頻度が低いのは静脈投与、経腸、吸入などです。慢性的なステロイド治療を受けている人は、失明にいたる視神経の萎縮を引き起こす眼圧上昇があっても、診断されて居ない場合が有ります。

ステロイドによる眼圧上昇は普通ステロイド使用から数週間以内におきます。多くの症例ではステロイド投与をやめれば、数週から一か月で眼圧は元に戻りますが、まれには眼圧が高いまま残ります。さらに、状況によっては眼圧上昇があってもステロイドの使用を続けないわけには行かない場合も有ります。その場合の治療法は原発開放隅角緑内障と同じでよいのです。

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病気の原因

詳しいステロイド緑内障の原因はわかってはいません。しかし、ステロイドによる眼圧の上昇は前房隅角での房水流出抵抗の上昇によるものです。 ステロイドに反応して作られるタイガー蛋白(trabecular meshwork-inducible glucocorticoid response (TIGR) protein)の働きで、グルコースアミノグリカンが線維柱帯に貯まったことによるとされ、この物質は房水の流出を邪魔します。このほかに、細胞骨格を変化させて、房水やグルコースアミノグリカンの除去が変化するという説もあります。

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頻度
ほとんどの患者が眼圧の検査を受けてはいないのでステロイド投与患者内での眼圧上昇率は不明です。それらの患者さんは眼下の検査で投薬中に眼圧上昇が見つかるかも知れませんし、また眼圧上昇が視覚障害をきたすようになって見つかるかも知れません。点眼治療を受ける患者はたいてい眼圧を含む眼科検査を受けています。眼圧上昇のリスクはステロイドの強さとこれを用いる頻度に依存します。もともと開放隅角緑内障を持つ患者ではそのステロイド点眼による眼圧上昇の危険性が高く、 慢性閉塞隅角緑内障や2次性開放隅角緑内障では正常の目とその頻度は変わりません。

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正常人の3人に1人が、また開放隅角緑内障の患者の90%は0.1%デキサメタゾン点眼4週で6mmHg以上の眼圧上昇を示したと言う人がいます。トリアムシノロンを硝子体中に注射すると、緑内障でない眼の50%は眼圧上昇を示し、この眼圧上昇は術後約6か月持続擦るといいます。

症状

ステロイド緑内障では眼圧の上昇はゆっくりしたものです。ですから原発開放緑内障のように自覚され自覚される症状はわずかです。

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病歴
持続的にステロイドを使うような、ぶどう膜炎、膠原病、喘息、皮膚炎などの全身的な疾患の有無が問題です。原発性開放隅角緑内障の病歴がある患者、糖尿病、強度近視、結合織疾患の患者はステロイドレスポンダーの可能性が高いです。

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検査:一般的な眼科検査を行います。特に行うべき検査は視野測定です。

鑑別: 慢性閉塞隅角緑内障、外傷性隅角乖離、低眼圧緑内障、色素性緑内障、プラトー虹彩症、偽落屑緑内障、ぶどう膜炎等を考えて除外する必要がある。

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治療:

まずは薬剤治療です:ステロイドが中止できるならまずその投与を中止する。その結果多くの場合には眼圧が低下します。
局所的にステロイド点眼をしている場合には弱めのステロイドの使用を考えます。これらの薬剤では眼圧上昇も弱いですが、抗炎症効果も弱いです。非ステロイド抗炎症薬NSAIDも別の選択肢です。
ステロイドを辞めても眼圧が下がらないか、ステロイドを中止できないときには標準的な眼圧降下薬を使います。

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次に手術的な対応:
目標眼圧に眼圧を下げられないならば、あるいは患者が薬剤治療に耐えられないならば手術療法が考慮されます。隅角が広く、眼内に炎症が無いときにはアルゴンレーザーに依る線維柱帯形成術も検討できます。
薬物でもレーザーでもだめならば手術が必要です。通常は線維柱帯切除(トラベクレクトミー)をします。 新生血管や眼内の炎症が有る場合には、水を抜くインプラントも使います。

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結論
もし担当の一般眼科の医師で眼圧のコントロールが付かないなら、緑内障の専門医に紹介してもらう必要があります。

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外来患者のケア
ステロイドを使う全ての患者は眼科検査をあらかじめしてもらっておくべきです。局所にステロイドを使われる患者には、一定の間隔で眼科医による検査での眼圧測定が必要です。ステロイドに因る眼圧上昇は、ステロイド開始の2ないし6週で見られます。ステロイドを中止すれば、薬剤治療だけでその多くでは眼が数週から一か月で元に戻ります
眼圧の上昇程度と視野の変化程度によって、経過観察の間隔は変わります。
手術で眼圧を下げた患者の術後の経過観察は普通に手術した患者と同じでよいでしょう。

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予防
緑内障を発生させる可能性の有る薬剤の使用は最小にすべきです。もしその薬剤を使わねばならないならば、眼圧を見ておくべきです。眼圧さえコントロールできれば予後は悪くありません。

長期に亘ってステロイドを使う患者には眼科の検査を受けるように指導されるべきです。
ステロイドを使う場合にはステロイド反応者(レスポンダー)ではない事をあらかじめ調べておくべきです。
ーーーー抄訳終了ーーーー

6
清澤注:
さて、ステロイド緑内障の概要がお分かりいただけたでしょうか。元の文はどうも一般の医師を対象にしたもののようです。なるべく分りやすく、薬剤名を省略し、概要を説明したつもりです。
ステロイドは実際には使いやすく効果も有る薬剤なので避けて通るべきものではありません。しかし、使ったばあ印眼圧が上がる事は、以外に多い事ですから、眼圧には注意してもし、実際にこの眼圧上昇になった場合には、担当の先生と対応をご相談ください。びっくりする必要はありません。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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