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2008年7月21日

616 AZOOR (Acute zonal occult outer retinopathy)

AZOOR (Acute zonal occult outer retinopathy)という疾患があります。
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“急性で 区域性であり 潜在性であって 網膜症の外層を冒す疾患”という症状をそのまま述べたような疾患です。
層状構造の網膜の中でも光受容体細胞である視細胞が存在し重要な視覚機能を有する網膜外層が主に障害されるが、通常の眼底鏡検査では病変が見えないというもので、眼科医にもなんだか良く分らない疾患です。

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 経過とともに網膜と色素上皮の萎縮像を呈する事も有るといいますが、その変化は必発ではありませんし、症状が回復してしまう場合も有ります。ステロイドが効いたという報告もありますが、一般には視神経炎の様には効かないと考えられます。

 原因は今も全く不明です。その発生は急性で、若い10歳代程度の年齢の人に見られ、主な症状は光視症と視野欠損 (暗点など)です。急に視力が下がって受診することが多いでしょう。

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 早期診断に際しては、電気生理学的検査(網膜電図)、特に最近現われた多局所ERG(multifocal electroretinogram)が有力とされています。

つまり、網膜の各部分の電気現象を分離して調べて、網膜の一部分の区画に機能低下があるのだけれども、それに対応する網膜には色の変化や萎縮などがないというわけです。球後視神経炎などの眼球後方の病変ならば網膜電気図には低下が無いはずというわけです。
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Gass JD. Acute zonal occult outer retinopathy. Donders Lecture: The Netherlands Ophthalmological Society, Maastricht, Holland, June 19, 1992. J Clin Neuroophthalmol. 1993 ;13:79-97.は抑えておくべき最初の報告です。

要点は:主に若い女性にみられ、片眼ないし両眼に発症。網膜外層機能が 1つまたは複数の区域で急速に障害され、光視症、眼底鏡におけるわずかの変化、網膜電図異常などの特徴を有する症候群である。追跡診察にて視野欠損が持続し、ほとんどの症例は慢性の光視症と色素上皮萎縮の区域を呈す、という内容です。(この雑誌は後にJ Neuroophtahlmologyに名前が変わっていて、コンピュータには出てこないです。)

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今回の発表は

9-2)発表演題:長岡奈都子、清水恵、田中明子、清澤源弘、望月學:AZOORの一例、2008年第23回東京医科歯科大学同門会集談会、2008年7月21日。

私はこれに似た論文を、2001年に発表していますが、今回は特殊な処置後というところが新しい話でしょう。その間に因果関係はなさそうですが。。(リンク)

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前回の論文は
Case of acute zonal occult outer retinopathy resembling retrobulbar optic neuropathy
Authors: Manabu Ogawa; Hiroshi Mori; Nobuyuki Nemoto; Motohiro Kiyosawa; Manabu Mochizuki; Keiko Momose; Masato Wakakura; Hisao Ohde
Published in: Neuro-Ophthalmology, Volume 26,2001, pages 217 – 222です。

しかし、実はこの局所網膜電図は、網膜の位置を決めるのに本人の固視を利用しているので、この固定視が不良になる中心暗点を持つ症例では網膜の電気反応が十分に弱くなくても中心部の局所ERG記録に低下が記録される可能性があります。それゆえ、中心暗転を示す視神経炎でも低下を記録できる可能性がありますので、診断にはご注意ください。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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