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2008年7月12日

610 コンタクトレンズとその保存液が赤い!

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数ヶ月前に、”当医院で処方したコンタクトレンズの片方と、そのレンズケース中の保存液が赤くなった”という訴えで、ある患者さんが当医院を訪れたことがあります。その時はそのレンズを引き揚げてレンズを製造会社にお渡しして調べてもらいましたが、全く異常はなしということで何かわからないままに終わりました。 (管理頁

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眼には特に異状なく、会社からの報告書が来るころまで充血も角膜浸潤も何の異常もなく経過しました。着色したレンズは交換するとして、疲れ目用のビタミン剤のサンコバはその色が赤い事がしられていますが処方してはいませんでしたし、患者さん自身もサンコバを他院からもらって使ったりしてはいないというお話でした。

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本日、別の製薬会社の社員が持ってきてくださったパンフレット(core-network of ocular infection:医科学出版社)を見ていましたらおやと思う記事に出会いました。それは。”コンタクトレンズと眼感染症 特にセラチアを中心とした感染疫学” という松本光希先生の書かれた記事です。

その概要をまとめますと次のようなものです。

いわくーーーーーーーーーー

セラチア
培養皿上に赤い色素を産生したSerratia marcescens(図の出典)
○セラチアは腸内細菌科に属するグラム陰性桿菌で人を含めた動物の腸内、また、土壌や水中など環境の至る所に生息する菌である。

セラチア培養試験管(図は様々な培養条件で示されるSerratia marcescensによる赤色色素 (prodigiosin) 産生:図の出典
○以前は、セラチアは赤い色素(プロジギオシン)を作る無害な菌と考えられていたが、最近は抵抗力の落ちた宿主に重篤な感染症を引き起こす日和見感染菌として認識されるようになった。

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○眼科領域でも角膜炎、結膜炎や眼内炎等の起炎菌となり得、臨床の場からはもっぱらプロジギオシンを産生しない株が分離される。

○セラチアは多くの抗生物質に自然耐性を示し、消毒薬に抵抗を示すため、院内に残存し感染源となる。消毒にはたとえば1%次亜塩素酸等が用いられるが30分以上の接触が必要である。

○セラチアにはソフトコンタクトレンズに付着しやすい株があり、コンタクトレンズ関連角膜炎において角膜病変からの擦過やコンタクトレンズから緑膿菌と共によく分離される。

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○ある施設ではコンタクトレンズ関連角膜炎から分離された菌はセラチアが最多だったといい、コンタクトレンズ保存液やケースからは実によく分離される。

○臨床分離株のセラチアはMPS(マルチパーパスソリューション、多目的のコンタクトレンズ洗浄消毒液)にも抵抗するとされ、注意が必要である。

○セラチアは金属プロテアーゼないしチオールプロテアーゼを産生し、それが角膜を溶かして潰瘍を起こす。その治療にはフルオロキノロンやアミノ配糖体が使用される。
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さて、私が見た患者さんのコンタクトレンズの保存ケースが赤い色素を産生するセラチア菌で汚染されていた、というのはうがちすぎた妄想でしょうか?今となっては調べようも有りません。培養を考えなかったのが惜しまれます。

もしこのように赤くなった保持損駅の中の使い捨てコンタクトレンズを見た方が居られましたら、どうか細菌培養でセラチアを探してみてください。

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なお、このセラチアは以前コンタクトレンズの感染症の原因菌として当ブログの話題に取り上げたフザリウム(枯草菌:真菌の一種)とは全く別のものです。
96 コンタクトレンズに関連したフザリウム角膜感染症の最新情報⇒リンク

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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