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2008年7月6日

605 ”<ぱっちりメーク>ドライアイなどの危険性”の記事を読みました

ドライアイは多くの患者さんが眼科を訪れる原因となっている疾患です。今回、上記のような内容の記事が毎日新聞から配信されました。(管理頁
内容は、マイボーム腺から分泌物の排出を妨げる様な女性のお化粧が潜在的にドライアイを生んでいるという鈴木武敏先生の意見を報じたものです。

suzuki eye check chart
鈴木武敏先生は私の古い友人で、真に豊富なアイデアの尽きない眼科医です。眼の調節機能を記録し評価する機械であるトライイリスの開発に関与したり、緑内障のスクリーニングに有効な鈴木アイチェックチャートの開発者としても知られています。最近は両眼開放視野計を開発したと聞いています。

私は大学に勤めていた頃にアイチェックチャートの有効性の評価(⇒以前の記事にリンク)をお手伝いした縁で、今でも親しくお付き合い願っている方です。先日はアイチェックチャートを紹介した論文の別刷を受取りに当医院にもお立ち寄りくださいました。このプリントは先月に奈良市で行われた国際視野学会で外国からの参加者に配布され、大変好評でした

ーーー此処から引用ーーー

<ぱっちりメーク>ドライアイなどの危険性 医師ら調査

2008年7月5日(土)15時24分配信 毎日新聞

目に悪い例
危険な眼周囲化粧(図をクリックすると拡大)

 若い女性を中心に流行中の、まぶたの際にアイラインやアイシャドーを塗る化粧法が、ドライアイなどの病気を起こす可能性が高いことが岩手県奥州市の開業医、鈴木武敏医師らの調査で分かった。

 女性誌などでは「目が大きくはっきり見える」として、まつげの間を埋めるようにアイラインを塗ったり、下まぶたの際の粘膜にアイシャドーを塗る化粧法が紹介されている。

 こうした化粧法の影響を調べるため、20代の健康な女性3人の目の縁に化粧して観察したところ、3時間後には目の表面を覆っている涙の層が部分的にはげたり厚さが不均一になり、目のかすみや痛みを生じるドライアイの状態になった。また、目の縁に濃い化粧をしている24~45歳の受診患者8人について、目の表面の涙が乾き始めるまでの時間を計ったところ、全員が正常とされる10秒を下回った。まぶたの縁には目を保護する油を出す分泌腺があり、この腺が化粧でふさがれたためとみられる。

 粘膜部分に化粧を繰り返し、皮膚炎やまつげの脱毛などを起こした例もあった。鈴木医師は「間違った化粧は病気の原因」と注意を呼びかけている。【柳原美砂子】

——引用終了——-

この様な症例が多いということを鈴木先生は先日、東京医科歯科大学でお会いしたときにもおっしゃっておいででした。特にどの学会で発表したという記事でもなく、症例数もそう多くも無いので、何故今この話題が全国紙の記事になったのかは不明ですが、これは鈴木先生が今回社会に向けての警告を発したという事でしょう。

確かに、瞼縁ぎりぎりに化粧をすることが危険だと教える人もいませんし、そのような化粧法を指導することを規制する術もありません。

話は少しずれますが、それまでにアイラインを強調する目的で僅かな刺青をすでに受けている患者さんが受診することもしばしば有ります。医師がするわけもありませんし、どこで誰が入墨をしたのかな?医師法違反ではないのかしら?(⇒リンク)と思います。私のところにも海外でアイラインを入れてもらったが瞼が腫れたといって両瞼をひどく腫れさせたご婦人が帰国直後受診された事が有りました。

涙3層精密図図の出典
涙は角膜に接した部分をなし体表との親和性を保つのに大切なムチン層、涙の本体をなす水層、そして表面で渇きを抑える油層の3層から出来ています。このうち、涙の蒸発を抑え、涙液層の安定化に役立っているのがマイボーム腺から分泌され、涙の最表層をなす暑さ0.1ミクロンの油層(図の上端の緑の部分)です。

maibomian
このマイボーム腺の開口部はグレイラインといって上下の睫毛の生え際よりも僅かに眼球よりに多数並んでおり、よく見ますとその開口部は小さく並んだ丸い構造物として肉眼でも見ることが出来ます。

この開口部をお化粧で塞いでしまうとドライアイになるという事は眼科医仲間では比較的知られた事で、たとえば奈良県の眼科医松本先生のブログにも”お化粧のやりすぎでドライアイになる方も⇒リンク ”http://blog.livedoor.jp/eyedoctor/archives/50864278.htmlという記事があります。

マイボーム腺の話題(霰粒腫、麦粒腫ほか、⇒リンク)は以前の記事にも取り上げて有りますのでご興味がおありの方はご覧下さい。

318 吉富式マイボーム腺圧迫鉗子によるドライアイの治療はこのマイボーム腺の梗塞を圧出するピンセットの紹介です。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

追伸:では出来てしまったドライアイは治らないのですか?という質問を受けました。ドライアイは基本的には涙の質の劣化と、涙の量の不足です。涙の質の劣化はフルオレセイン染色して見ることが出来る涙液層破壊時間で、涙の量の不足は主にフルオレセイン染色して見ることが出来る涙液メニスカスや濾紙を挟んで測定するシルマーテストで評価します。

その不足した涙を補うのには次の4つの方法があります。

1)室内に加湿器を置く。加齢に伴うドライアイなどで冬の空気の乾燥によるものでは、自分の部屋にいる方ならこの方法も使えます。

2)ガラス面の広い眼鏡を掛ける。風をよけると乾燥が防げます。側方まで風を防ぐモイスチャーエイドは慶応の教授になった坪田先生の若い頃のアイデアです。しかし、涙の10%だけが空中への蒸発で、90%は鼻涙管を経て鼻に流れていますのでこれでも十分では有りません。

3)ヒアレインなどの保湿性のある液体や、マイティアなどの人工涙液の点眼液。これも気持ちがよいですが有効な時間が10分程度ですから一日中の苦痛をしのぐには十分では有りません。

4)さて最後に控えたのが私のお勧めする涙点プラグ。シリコンゴム製で半永久的に置いておけるシリコンプラグ(商品名はスーパーフレックスプラグ、2点で7000円程度)と、液体のコラーゲンを涙洗針で涙小点に注入してこれを患者本人の体温に触れたところで凝固させるコラーゲンプラグがあります。このコラーゲンプラグは注入時の異物感も少なく、自然に脱失してしまう事も有りませんので有効期間は2月とされていて短いですが、ためしに入れてプラグの効果を見るには好適でしょう。私は最近はコラーゲンプラグを多用しています。(578 新しい涙点プラグ、コラーゲンプラグ、キープティア ⇒リンク

さて、このようにドライアイが生じても打つべき手が無いわけではありません。余りがっかりせずに眼科医ご相談ください。

管理頁
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追記:本日患者さんに下瞼の粘膜近くに色を置く化粧は”エビちゃん”がやっているお化粧であるという事を教えてもらいました。そこで調べますと2006年にすでに
”何かの番組で「エビちゃんのアイメイクのポイント」として、「下睫毛と眼球の間の粘膜の部分をアイライナーでぐりぐり塗りつぶす」というのが紹介されてたんですけど、”というフレーズにたどり着きました。⇒リンク
更に、そこには”えみ目を物にする”というページが紹介されていました。⇒リンク

更に興味のある方は、さらに”エビちゃん メーク”で探してご覧あれ。本日の調査は此処まで(2008.8.5)

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