お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2008年3月19日

535 亜鉛欠乏と眼に関する話題

8
管理頁
送られてきた都医ニュース(⇒リンク)によれば、最近の東京内科医会第21回医学会 平成20年3月8日)で、亜鉛の欠乏症が意外に多く、その結果として床ずれなど様々な症状が現れる事があるという話(The Story of Zinc ― 日常臨床における亜鉛の役割 ―)がされたと報告されていました。。⇒リンク

9
その要旨は入手できませんでしたが、倉澤隆平先生(佐久市立国保浅間総合病院名誉院長、長野県東御市立みまき温泉診療所顧問)のお話は「亜鉛欠乏症は、味覚障害のみならず、食欲不振や褥瘡の原因となっている。血清亜鉛値は65~110μg/dlが標準値とされているが、正常値ではない。従って、基準値内でも症状から亜鉛欠乏症を疑うことが必要。高齢者の食欲不振や褥瘡に対して、亜鉛補充療法として「プロマック」を投与するだけで驚異的な効果が得られた。また、長野県内の大規模調査で高齢化に伴い血清亜鉛値が低下することも分かってきた。百聞は一見にしかず、是非とも試してもらいたい」というようなお話だったようです。

10
倉澤隆平先生は2002年秋にこのことに気づき,患者の治療と実態調査に取り組んできたという事です。

3
眼科でも、結核の治療薬のエタンブトール治療中に亜鉛欠乏が起きる事が知られています。エタンブトールは亜鉛をキレート沈殿させて血中の亜鉛濃度を低下させ、エタンブトールの抗結核効果をひき出します。この治療中にともすると視神経でも亜鉛不足がおきてエタンブトール視神経症を起こすということです。

4
この場合にはエタンブトール治療中に色が鮮やかに感じられなくなって、やがて中心暗点を生じ、矯正視力も下がって来ます。(この中心暗点が視神経交叉部の腫瘍の視野に似ているというのも神経眼科医の大事な一口知識です。)

6
その治療にはまずエタンブトールの投与を中止させる事が必要です。最初私はそのような患者に牡蠣(海のカキ)などの亜鉛を多く含む食品の摂取を勧めたり、コンビニのビタミンコーナーで売っている亜鉛錠を自費で購入して摂取する事を勧めたりしていました。そうしますと大抵半年くらい掛けてゆっくりと視力が戻ってきます。

7
その後、薬剤部に相談しましたら、亜鉛を賦形薬(増量剤)として含む胃薬のプロマックが使えることを教えられました。後からお仲間の神経眼科医に聞いてみますと、かなり多くの神経眼科を専門とする医師はこの事をすでに知っていました。

8
しかし、今でも全ての眼科医ががこの特殊な薬剤の使用法(エタンブトール中毒に因る視神経症に亜鉛製剤、殊に胃薬を使うとよいという事)を知っているわけではなさそうです。

9
一般的な亜鉛に関する知識としての話題に戻ってみます。

亜鉛欠乏の症状は味覚障害をはじめ,褥瘡の発症・治癒遅延,食欲不振・拒食,舌痛・口腔咽頭症状,皮膚症状,貧血,慢性下痢など多様であり,その多くは亜鉛補充療法で比較的容易に改善・治癒するといいます。

そもそも身体は,2~3gの亜鉛(Zn)を含んでおり,主に,骨,歯,毛髪,皮膚,肝臓,筋肉,白血球および精巣にみられます。血漿中の亜鉛100μ g/dL(15.3μmol/L)のうち,1/3はアルブミンとゆるく結合し,およそ2/3がグロブリンと固く結合しています。

6
健康な成人による亜鉛の食事性摂取量は6~15mg/日で,およそその20%を吸収します。肉,レバー,卵,海産物(特に牡蠣)はよい供給源とされます。

この内容の出典;⇒リンク

7
今回、この記事を書こうとして、ネットを調べましたら、地域によってはすでに保険診療で亜鉛欠乏症に対してポラプレジンク(商品名プロマック)が投与できる様になっているという事も記載されていました。

4
また、偶然たどり着いた野口医院院長(前 板橋区医師会会長) 野口 晟 先生「亜鉛欠乏 について 」のプレゼン資料も完成された大変良い講義資料でした⇒リンク

10
最後ににJournal of the American College of Nutrition, Vol. 20, No. 2, 106-118 (2001)いに、眼と亜鉛Zinc and the Eyeという英文の総説が見つかりました。そのサマリーはおよそ次のようなものです。

”微量要素の亜鉛は眼でも重要な働きを持っている。この元素は網膜と脈絡膜に多い。亜鉛欠乏は様々な動物の目に障害を起こす。 ビタミンAの代謝を行う網膜と色素上皮での研究が盛んである。 光受容細胞の細胞膜を調節し、光とロドプシンの関係も調整する。シナプスの働きも制御し、抗酸化剤としても働く。北米での亜鉛摂取の不足は慢性の眼疾患の発生に関与する。亜鉛を栄養食品として投与して加齢黄斑変性に対する影響を見る実験は後半に行われているが、その結果は様々で、更なる研究を必要としている。”

5
かなり長大な論文ですがこのテーマに興味のある方には開いてみる事をお勧めいたします。要点は最近流行のオキュバイトなどのサプリメントに加えられる亜鉛が本当に加齢黄斑変性の予防に有効なのか?という事だと思います。

best doctors logo vertical (ベストドクターズとは)

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

管理頁
清澤眼科医院通信最新ページへ(リンク)します

過去90日間で、blog.livedoor.jp/kiyosawagankaにリンクしたブログの数
テクノラティ グラフ

携帯SEO
今日:
昨日:
相互リンクページ

Categorised in: 未分類