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2008年1月18日

492 眼瞼痙攣・顔面痙攣の重症度

8fec28e0.jpg私の眼瞼痙攣や片側顔面痙攣の重症度はどの程度のものなのですか?と考える患者さんは少なく無いでしょう。そのような質問を戴き、答えを用意しました。このブログでは、一般的な答えを示してからその問答を掲示します。

3このような尺度の一つにボトックス注100試用成績調査調査票<眼瞼痙攣>に用いられた、眼瞼痙攣のジャンコビックスコアというものがあります。
これは眼瞼痙攣を重症度と頻度で評価しようというものです。まずこれを紹介します。

次に同様の片側顔面痙攣の調査で片側顔面痙攣を評価するのに使われた評価尺度を紹介します。

8Jankovic score

A  重症度
0:痙攣を全く認めない(正常)
1:光・風・振動などの外部刺激によってのみ痙攣が誘発される
2:軽度な痙攣を認める
3:痙攣を認め他の顔面筋との差異が分かる
4:他の顔面筋の痙攣を伴う著明な眼瞼痙攣を認める

15B  痙攣の頻度0:痙攣を全く認めない(正常)
1:通常よりまばたきが多い(20回/分以上の頻度)
2:まばたきが著しく増加し、ときに1秒程度持続する程度の痙攣を認める
3:1秒以上の持続する痙攣が認められ、日常生活に支障をきたしているが
  50%以上開瞼している
4:痙攣によってほとんど眼瞼が閉じた状態のため、機能的には失明状態と
なって読書やテレビをみることが出来ない

以上のスコアが一般の患者さんの中でどの程度の頻度で分布しているかという情報を私は残念ながら持ち合わせていません。しかし、私の印象ではこの重症度が2以上で頻度も2以上であれば、すぐにでもボトックスによる治療の適応にはなるであろうと考えます。 

16次に片側顔面痙攣では、ボトックス注100試用成績調査調査票(片側顔面痙攣)で臨床経過を評価するのに使われた重症度、痙攣変化、そして改善度の表を引用いたします。これも参考になるでしょう。

片側眼瞼痙攣の重症度

以下の5段階で評価する。
1:正常
2:症状はあるが、日常生活、就労・就学に差し支えない( 軽度 )
3:日常生活または就労・就学に支障はあるが一応可能( 中等度 )
4:日常生活に支障を来たし、就労・就学も不可能( 重度 )
5:日常生活に支障を来たし、他者の介助を要する( 極めて重度 )

清澤注:眼瞼痙攣の評価に比べてかなり大雑把な感じを受けますがまずはこの程度としてください。

19片側顔面痙攣の痙攣変化
(片側顔面痙攣のボトックス治療の前と後との痙攣頻度を評価するための痙攣の頻度評価尺度です )

上部及び下部顔面筋の痙攣を以下の4段階で評価する。
1: 消 失
2: 軽 度 :1分間に1回未満の痙攣が認められるか、
       あるいは顔面筋の随意収縮に誘発される。    
3: 中等度  :1分間に1回以上の痙攣が認められる。
4: 重 度 :ほとんど常時痙攣が認められる。

なお、上部顔面筋には眼輪筋、皺眉筋、前頭筋が、また下部顔面筋には口輪筋、大頬骨筋、小頬骨筋、笑筋、広頸筋、オトガイ筋が含まれます。

27 改善度
(これは片側顔面痙攣のボトックス治療の前と後での痙攣の強さを評価するための評価尺度です )

症状の経過に基づき、以下の基準で判定する。
1: 著明改善 :すべての顔面筋の痙攣が消失したこと、もしくは上部または
        下部のいずれかの顔面筋の痙攣が消失し、他方の痙攣が軽度
        まで改善したことがある。
2: 改  善 :上部及び下部のいずれの顔面筋の痙攣も軽度まで改善した
        ことがある。
3: やや改善 :「改善」までは達しないが、いずれかの評価項目で改善傾向
を認めたことがある。
4: 不  変 :いずれの評価項目でも改善の傾向が認められなかった。
5: 増  悪 :いずれかの評価項目で悪化の傾向が認められた。
6: 判定不能

14さて、あなたの顔面の筋肉の痙攣はどの程度でしょうか?またボトックスの注射でどの程度の改善が得られたでしょうか?自分の評価と医師の評価は異なる場合もあるかも知れませんが、自分で注射を受けた後、このように評価をしてみるのも良いかも知れません。

寄せられた質問とお答え

17にもさんからの相談  [眼瞼痙攣の重症度]

両瞼がぴくぴく痙攣し、眼科医からは、軽症の眼瞼痙攣と言われました。痙攣があるだけで、眩しいとか眼が閉じてしまう事は今のところありません。
痙攣は、笑った時に、眼の下の筋肉が収縮する際にも出るようにもなり、人前で思い切り笑うこともできません。
鏡で見ても、ぴくぴく動くのが確認できます。
先日ネットで病気の事を調べていたら、重症度スコアというものがあり、4段階評価の内の3でした。
3に内容は、「瞼の痙攣が起きたときに、他の顔面筋との違いが分かる」という内容で、私の症状と合致します。
軽症と診断され、少し安心していましたが、実は重症なのかなとも考えてしまいました。
また、井上眼科医院の若倉先生のコメントも拝見しましたがよほど重症にならないとぴくぴくとはしないという内容もありました。
実際のところ瞼がぴくぴくするだけどいう症状は、どれくらいの重症度なのでしょうか。
先生のご意見お待ちしております。

3
清澤のお答え
ご心配が良く分りました。
眼瞼痙攣は頻度と重症度で評価します。これはジャンコビックという人が考えた評価基準です。この重症度の 3は、「瞼の痙攣が起きたときに、他の顔面筋との違いが分かる」と されているということですが、他人(医師)から見て明らかにその筋肉が分るということであって、本人が鏡に中でさがして見つけられるという意味ではありません。
もうひとつの頻度も重要な要素です。はっきりした痙攣(閉瞼の発作)がいつもあるのかどうかという尺度です。この場合にはいつも続いているという感じではありませんね。
そう考えますと、このケースは痙攣では有るが極軽い方かと思います。

6
多くの眼瞼痙攣は瞼がぴくぴくと痙攣していつも閉じてしまうというよりも、開瞼と閉瞼を軽くスムーズに繰り返すことが出来ないというニュアンスです。また、この相談者の記載を拝見しますと、眼瞼痙攣よりも片側顔面痙攣の可能性も感じられます。
その片側顔面痙攣ですと(最初に行われた副作用調査で用いられた調査票にある)評価の基準は別のものがありますので、原稿を改めて清澤眼科医院通信に近日中に眼瞼痙攣と顔面痙攣の評価尺度について改めて回答を掲示しましょう。

8
治療法は同じボトックスですが、ジスキネジアである眼瞼痙攣よりも神経の圧迫で起きた顔面痙攣の方がボトックスにははるかによく少量で反応します。
このような患者さんでボトックスの注射をしますと、はっきりと痙攣が一度止まり、それが6ヶ月かそれ以上の期間続きそうな印象を受けます。若倉先生も軽いもののほうがよりよく効くという事を言っていますし、私もそう思っています。どうぞ多数の治療例のある施設でのボトックス治療をご検討ください。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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