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2007年12月14日

470 原田病での白内障手術の時期は?

もとさん(68 歳 男性)から ”炎症がおきていると白内障の手術ができないのでしょうか”という質問をいただきました。 (管理頁

1 ▼▲通信事項▼▲
H7弁置換術(人工弁) 服用薬 ワーファリン・ラニラピッド
H10喘息 服用薬 オノン・吸入薬
H18ぶどう膜炎による網膜剥離(両眼)ステロイド薬(点滴・点眼)退院後1週間に2回通院
H19.1再発入院
H19.9炎症と茶目がくっついてる服用薬リンデロンA液ミドリン液
H19.11ぶどう膜からきた原田病 服用薬リンデロンA液ミドリン液
H19.12視力が両目0.1となり白内障と炎症が進み先生に白内障の手術を希望したが、今おこなうと、炎症があり失明のおそれがある為、来年の2月頃というが、たいへん不自由な為(ほとんど見えない)どうすればよいかわかりません。2月までやはり手術は無理でしょうか?よいアドバイスをください。宜しくおねがいします。                   
まず始めに
(東京都眼科医会の職員教育用の講習会で使われたスライドから)
原田病(Vogt・小柳・原田病)とは:

眼症状は
ぶどう膜全体に起きるびまん性の肉芽腫性炎症で
嚢胞状の網膜剥離から始まり-夕焼け状眼底に終わります
メラノサイトに対する自己免疫反応で起きています
全身症状には
嘔吐・頭痛・めまい・耳鳴り・難聴・毛髪白変などがあります
大量ステロイド点滴治療が行われます

2お答え:
さて、詳細な病歴を提示戴きありがとうございます。それは大変であり、また先の見えない不安が重なっていることでしょう。大体の状況はわかりました。約2年前に原田病(フォークト・小柳・原田症候群、VKH症候群)を発症し、その炎症が終息していないが、その間に白内障が進行して視力が悪く、生活に支障をきたす様になった。今すぐ白内障の手術を行うことが出来ないか?というご質問ですね。
原田秒につきましては私の他のページもご覧ください。

3原田病は、自分の体のメラノサイトというメラニン色素を作る細胞に対して、病的な自己免疫現象によって攻撃が起こされ、炎症をきたす疾患です。炎症は、全身のメラニン産生細胞に対して起こされますから、難聴や耳鳴り(内耳の細胞の炎症)、眼球内の炎症(虹彩や脈絡膜などの細胞への炎症)、髄膜炎(頭痛、脳を取り囲むくも膜にも黒い色素が有るのでそこでの炎症)、それに髪の毛の白変(黒髪を作る毛根の色素産生細胞の炎症)などが症状となります、それぞれが固有に炎症の標的になります。

11眼内炎はそれ自体が網膜剥離(無裂孔性で通常の網膜に裂孔がある網膜剥離とは全く別のものです)を起こしたり、今回のように白内障をきたしたり、また虹彩の前後で周りとの癒着による緑内障を合併したりします。やがて、炎症が燃え尽きる頃になりますと、網膜(厳密に言えば網膜色素上皮という網膜のもっとも外側の層ですが)はその色素を失って、日本人なのにあたかも白人の網膜のような明るいオレンジ色の色合いになり(これを夕焼け状眼底といいます)炎症は終息します。

25実は、原田病の失明原因は、網膜が上記のように荒廃することではなくて、多くの場合には虹彩の角膜との癒着に伴う緑内障です。その場合の続発緑内障では、眼圧が上昇し、視神経がその圧力に耐えられなくなって、視神経が萎縮して永遠に失明してしまいます。

26眼内に多少の炎症が有っても、白内障の手術自体を行う事はおそらく可能でしょう。しかし、そのようなことをしますと、眼圧の上昇を起こす緑内障が発生する確率は、手術をしないときよりもはるかに高いものになるでしょう。ですから、あなたの主治医は眼内の炎症が落ち着くのを待ちたいといっているわけです。

27どうも、現在までの眼内のぶどう膜炎のコントロールは余りうまく行っては居ないと思います。一層のステロイドを使っての治療が必要に思われます。

29この場合、むしろこのような状況では数ヶ月待つ程度で足りるのか?という疑問があり、通常は6ヶ月は活動性の炎症が無いのをみきわめて手術に踏み切る場合が多いとおもいます。担当医は患者さんの現在から先の生活の質と、病気の勢いを見比べて手術時期を提案していると思われますので、担当医とよくご相談の上、治療時期をお考えください。

くれぐれもお大事に。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
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