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2007年11月27日

456 脳血管の血栓・塞栓性の現象に対する眼科診断

脳の血管には様々な原因で血栓・塞栓性の現象が見られます。その場合患者の少なからぬ部分は眼科を訪れます。その患者を迅速に正しく診断し神経内科に渡すのは眼科医の責務です。
これも米国眼科学会の疾患取り扱いマニュアルの翻訳案です。

ーーー引用開始ーーー

脳血管の血栓・塞栓性の現象に対する眼科診断

I.診断を確立するアプローチを説明します
A. この病気の病因について説明します
1. 凝固能亢進状態、(遺伝的ないし後天的に)
2. 環境因子
a. 手術
b. 長時間の飛行機旅行のような下腿が抑制された姿勢
c. 静脈の鬱滞
d. 心臓の左右シャント
B. 病気の疫学関連の側面を定義します
1. 血栓症に関する家族歴
2. 他の領域での前に起こった血栓症の既往
3. 年配より若者に多いが、どの年齢でも可能
C. 患者の既往歴における要素
1. 急性の神経学的な欠損症状または視力の喪失
2. もし片眼性の視力喪失であれば、眼虚血が疑われる
3. もし両眼性の視力障害であるか同名半盲なら、頭蓋内で視神経交叉より後方の内頚動脈か椎骨動脈領域の病変
a. もし椎骨脳底動脈領域なら、次のような症状を示すことがある:
i. めまい
ii. 複視
4. 静脈性の血栓症では頭痛は普通に見られる
D. 診断を確立するために適切な検査について説明します。
1. 検査で調べる範囲は患者の臨床症状による(静脈血栓か動脈血栓症か)、血栓症(大血管か小血管か?そして、患者の性格と家族歴で異なります
2. 大規模な検査を始める前に内科の罹りつけ主治医、脳卒中専門の神経内科医または血液内科医師への紹介が勧められる

II. 危険因子を述べる
A. 血栓症に関する家族歴
B. 血栓症に関係する病歴
C. 妊娠か分娩後状態
D. 経口避妊薬
E. 喫煙
F. 手術、外傷、旅行

III. 鑑別診断を記載します。
A. 血管系の病気を起こす他の諸原因(塞栓、脈管炎、アテローマなど)

IV. 治療と経過観察での患者取り扱いについて説明します
A. 薬物療法の選択肢について説明します
1. 抗凝血剤か抗血小板薬か
2. 短期間効く薬か長期効く薬か
3. 血栓症の種類と検査結果によります
4. 肺塞栓の防止
5. 経口避妊薬は中止します。
6. 妊娠の間と分娩後は血栓防止が必要です
B. 手術療法の選択肢
1. 血栓融解
2. 肺塞栓の防止は血栓の位置に依存している

V. 治療に伴う合併症とその予防と対策
A. 抗凝血剤と抗血小板剤の合併症

VI. 疾患に合併した合併症
A. 血栓の伝播
B. 再発性の血栓
C. 肺塞栓

VII. 患者への適切な指示
A. 経口避妊薬の中止
B. 遺伝学的なカウンセリング

追加の情報源
1. AAO, Basic and Clinical Science Course. Section 5: Neuro-ophthalmology, 2004-2005.

ーーー引用終了ーーー
引用終了

日本眼科学会では米国眼科学会から版権を取得して、米国における各眼科関連疾患の取り扱いの基準を日本語に翻訳する作業を進めています。そのうち神経眼科に関連する部分の翻訳の一部は日本神経眼科学会を通じて依頼を受け、清澤が担当して進めました。その翻訳原案の一部をこのブログに記載します。ここでは単語を補ってなるべく分かりやすく記載するように勤めますし、原稿が更に加筆されますので今後印刷されるものとは詳細が異なります。
その第6項目がこの”脳血管の血栓・塞栓性の現象に対する眼科診断”です。

何かと参考になれば幸いです。翻訳上の難点などお気づきの点がありましたらコメント欄にお教えください。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
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