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2007年11月27日

459 脳の静脈と脳硬膜静脈洞の血栓症の眼科診断(翻訳原案)

脳の静脈と脳硬膜静脈洞の血栓症は眼球の周りの静脈還流も悪化させ眼科を複視や頭痛を主訴に訪れることのある疾患です。眼科医が治療の主導権をもつわけではありませんが適切な診断を行って神経内科などに早急に患者を渡す必要のある疾患です。
(Cerebral venous and dural sinus thrombosis)これも米国眼科学会の疾患取り扱いマニュアルの翻訳案です。
ーーー引用開始ーーー

脳の静脈と脳硬膜静脈洞の血栓症
(Cerebral venous and dural sinus thrombosis)

I. 脳の静脈と脳硬膜静脈洞の血栓症の診断を確立するのに必要なアプローチを説明します。
A.この病気の病因について説明します。
1. 手術や外傷による静脈洞または、皮質静脈の二次的な閉塞
a.外傷、手術
b. 遺伝的、または後天的な凝固能亢進状態
c. 様々な神経学的な医師神経外科的疾患
d. 中耳の炎症(耳の炎症に伴う水頭症)

B.血栓症の疫学の関連側面を定義します
1. 何歳でも起きます。 しばしば見落とされます。

C.病歴での妥当な成分を記載します
1.頭痛、乳頭浮腫
2. 様々な局所的な神経学的症状と兆候
3. 痙攣
4. 錯乱、昏睡

D.脳の静脈と脳硬膜静脈洞の血栓症の診断を確立するために適切な検査結果について説明します。
1. 造影つき頭部コンピュータ断層撮影法CTはめったに有効ではない
2. 磁気共鳴映像法ないし磁気共鳴静脈造影法は通常診断に有効です。 また、CT静脈造影法も役立ちます。
3. 従来の血管造影は通常は必要ではありません。
4.腰椎穿刺で脳脊髄液(CSF)開口時の圧力を測定し、またCSFを分析する
5. 診断が確定しているなら更なる原因検索を考えます。

II. 脳の静脈と脳硬膜静脈洞の血栓症の危険因子を定義します。
A. 外傷、手術
B.遺伝的、または後天的な凝固能亢進状態
C. 様々な神経学的ないし脳外科的疾患
D. 中耳炎/乳様突起炎

III.脳の静脈と脳硬膜静脈洞の血栓症の鑑別診断を記載します。
A.脳卒中、痙攣、昏睡を起こすあらゆる原因
B.頭蓋内圧亢進(ICP)(「原発性頭蓋内圧亢進」としてしばしば誤診される)のあらゆる原因疾患

IV. 脳の静脈と脳硬膜静脈洞の血栓症の治療と経過観察に関連する患者取り扱いについて説明します。
A. 薬物療法について説明します。
1.緻密な観察
2. 6カ月間の抗凝血剤(最初の治療法)。しかし、基礎疾患が抗凝血剤を必要とするならより長い期間試用します。
3. 適切な薬剤治療にもかかわらず臨床症状に悪化があれば、血栓融解療法を行います。
4.痙攣と、脳圧亢進を治療します。
5. 視覚機能を経過観察します。
6. 中耳炎や他の基礎的感染が存在しているなら、それを治療します。

B.脳の静脈と脳硬膜静脈洞の血栓症の外科療法の選択肢について説明します。
1. 通常は必要ではありません。水頭症なら脳室ドレナージをします。乳頭浮腫からの視力障害があれば、シャント造設か視神経鞘開窓術をします。

V.脳の静脈と脳硬膜静脈洞の血栓症の血栓症の治療に伴う合併症、その防止と対策を記載します。
A.血栓融解剤、抗凝血剤、および抗血小板薬を使用します。

VI. 血栓症関連の合併症について説明します。
A.脳梗塞、脳出血
B.死
C.肺塞栓
D. 痙攣
E. 脳圧亢進
F. 乳頭浮腫からの視力障害

VII.適切な患者への指示について説明します。
A. 経口避妊薬は中止します。
B. 頭痛が続くなら内科医に相談します。
C. 妊娠中と分娩後は要注意です。
D.視覚機能の経過観察のための視野検査。

追加情報
1. AAO, Basic and Clinical Science Course. Section 5: Neuro-Ophthalmology, 2004-2005.
2. Ferro JM, Lopes GC, Rosas MJ. Do randomised clinical trials influence practice? The example of cerebral vein and dural sinus thrombosis. J Neurol. 2002;249:1595-6.

ーーー引用終了ーーー
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日本眼科学会では米国眼科学会から版権を取得して、米国における各眼科関連疾患の取り扱いの基準を日本語に翻訳する作業を進めています。そのうち神経眼科に関連する部分の翻訳の一部は日本神経眼科学会を通じて依頼を受け、清澤が担当して進めました。その翻訳原案の一部をこのブログに記載します。ここでは単語を補ってなるべく分かりやすく記載するように勤めますし、原稿が更に加筆されますので今後印刷されるものとは詳細が異なります。
その第2項目がこの”脳の静脈と脳硬膜静脈洞の血栓症の眼科診断”
です。

何かと参考になれば幸いです。翻訳上の難点などお気づきの点がありましたらコメント欄にお教えください。

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今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
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