お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2007年11月27日

458 脳動脈瘤の眼科における診断 (翻訳原案)

脳動脈瘤は、それ自体を眼科医が治療すべきものではありませんが、複視や眼窩深部の痛みとして患者が眼科を受診する可能性も高く、また脳外科から眼科としての患者の評価を求められることも多い疾患です。 (管理頁

ーー引用開始ーー

脳動脈瘤

I. 脳動脈瘤の診断を確立するためのアプローチを説明します。

A. 脳動脈瘤の病因について説明します
1. 動脈壁の欠陥
2. 先天的な傾向によっておきますが、動脈瘤は後天性の病変です

B. 脳動脈瘤の病気の疫学関連の特徴を定義します
1. 中年の女性でおきるのが、最も一般的です
2. 普通は神経眼科的な兆候と症状を伴っています。
3. 動脈瘤破裂のリスクは、年齢、瘤の大きさ、位置、家族歴、および臨床症状に依存します。動脈瘤破裂の危険性は、動脈瘤の知識を持つ脳外科医や神経内科科医が評価します。

C. 脳動脈瘤の病歴の適切な内容を記載します。
1. くも膜下出血を示す突然の頭痛
2. 脳神経麻痺(後交通動脈瘤では第3脳神経(動眼神経))の麻痺
3. 視力障害はウィリス動脈輪前方の動脈瘤で起きます。視野障害は、より後方から起こる動脈瘤で見られます。
4. 海綿静脈洞症候群は海綿静脈洞内の動脈瘤でみられます。

D. 脳動脈瘤の診断を確立するための適切な検査結果について説明します。
1. くも膜下出血を診断するための造影なしのコンピュータ断層撮影(CT)
2. くも膜下出血を確認するための腰椎穿刺
3. 造影した、頭部CTや磁気共鳴画像(MRI)で動脈瘤が見える事があります。
4. 磁気共鳴血管造影(MRA)またはコンピューター断層血管造影(CTA)は、また時にはその両方を組み合わせで用いると、脳動脈瘤の診断に役立ちます。
5. 従来からの血管造影は今でも第一選択です。MRA、およびCTAの両者または一方が動脈瘤の診断に否定的であり、しかも臨床症状からは動脈瘤が疑われる場合には、血管造影は血管内手術のときに同時に行われます。

II. 脳動脈瘤の危険因子を定義します。
A. 家族歴
B. 外傷 (血管壁の解離)
C. 多嚢性嚢胞腎
D. 弾性組織病 (Ehlers Danlos病)
E. 感染性心内膜炎

III. 脳動脈瘤の鑑別診断を記載します。
A. 雷鳴頭痛または人生で最もひどい頭痛
B. 脳神経麻痺を起こす全ての原因となる疾患
C. 視神経症を起こすすべての原因となる疾患

IV. 脳動脈瘤の患者の処置と経過観察における管理について説明します。

A. 脳動脈瘤の薬物療法の選択肢について説明します。
1. 複視、頭痛などの症状を治療します。
2. くも膜下出血と血管痙攣の管理をします。
3. くも膜下出血であるならTerson症候群の有無を確認します。
4. 遺伝学的カウンセリング

B. 脳動脈瘤の外科の療法の選択肢について説明します。
1. 血管内手術か又は外科的動脈クリップの設置

V. 脳動脈瘤治療に伴う合併症の防止と管理について記載します。
A.動脈瘤の破裂
B. 脳卒中
C. 脳神経の圧迫症状 (複視や視神経症)
D. 視野欠損
E. 不完全な閉塞に伴う動脈瘤の再発

VI. 脳動脈瘤の原疾患に関連した合併症について説明します
A.破壊的なくも膜下出血を伴う動脈瘤の破裂
B. 動脈瘤破裂であるならTerson症候群を考慮します。
C. 脳梗塞に伴う血管攣縮
D. 破裂すれば、脳神経や脳実質の圧迫が表れます。
E. 痛み、頭痛

VII. 脳動脈瘤の適切な患者への指示について説明します。
A. 家族性の動脈瘤における遺伝学的カウンセリング
B. 手術せずに残しておく場合の動脈瘤患者に対する注意。(胸腔内圧を上げるバルサルバ負荷を避ける、外傷に注意、運転をしないこと。)

追加の情報源
1. AAO, Optic Nerve Disorders, 1996, p.91, 119-128
2. AAO, Basic and Clinical Science Course. Section 5: Neuro-ophthalmology, 2004-2005.
ーーーー
引用終了

日本眼科学会では米国眼科学会から版権を取得して、米国における各眼科関連疾患の取り扱いの基準を日本語に翻訳する作業を進めています。そのうち神経眼科に関連する部分の翻訳の一部は日本神経眼科学会を通じて依頼を受け、清澤が担当して進めました。その翻訳原案の一部をこのブログに記載します。ここでは単語を補ってなるべく分かりやすく記載するように勤めますし、原稿が更に加筆されますので今後印刷されるものとは詳細が異なります。
その第1項目がこの脳動脈瘤です。

何かと参考になれば幸いです。翻訳上の難点などお気づきの点がありましたらお教えください。

9
今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
管理頁
清澤眼科医院通信最新ページへ(リンク)します

Categorised in: 未分類