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2007年11月5日

435 側頭葉・頭頂葉・後頭葉障害の視覚症状

側頭葉・頭頂葉・後頭葉障害  

疾患の説明

11概念
大脳皮質の視覚関連領域が冒されると、これに対応した視覚障害症状が現れます。視覚関連領域は後頭葉の第一次視覚領V1に始まって側頭葉方面に広がりそれが何であるかを分析する腹側視覚路(whatの経路)と、頭頂葉方面に広がってそれがどこにあるかを分析する背側視覚路(whereの経路)に大別されます。

其の症状を分析的に診察することによって、その病巣局在の推定を行なうことも可能です。

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病態

1.半盲:片側のV1が障害された状態では、侵された後頭葉とは反対側の視野の左右半分が失われます。

2.純粋失読:左の後頭葉から脳梁膨大部へ広がる病変では、左後頭葉病変による右同名半盲を合併します。残された右側の視覚領と左側にあるWernicke言語野の離断症状のために残された左半視野に提示された文字も理解することが出来なくなります。

3.失読失書: 背側視覚路に含まれる左頭頂葉の角回病変ではかな処理が上手にできない特徴を持つ失読失書が見られ、腹側視覚路に含まれる左下側頭回の病変では漢字処理が強く冒される失読失書が多くみられます。

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4.半側視野内の色覚障害;後頭葉下面の紡錘状回にあるV4は色覚に関連した視覚連合領ですが、その障害では脳病変とは反対側の半側視野に色覚障害があらわれます。

5.視物体失認:後頭葉の下面白質を通り、後頭葉と側頭葉を前後に結ぶ下縦束を含む病変では、視覚的な形態知覚は正常であるにもかかわらず、形態と対応する概念との連合が離断されます。このため金槌を見てもそれが釘を打つ道具であることの認識が出来なくなります。

6.相貌失認: 紡錘状回の中央部を含む両側後頭葉から側頭葉の病変では、親しい知人の顔を見ても認識出来ないという特徴的な症状を呈します。

47.視覚症状を伴う癲癇:海馬は視覚的な記憶を保存する部分で、このあたりに焦点を持つてんかんでは、視覚的な記憶の内容に関連した幻視を訴えることがあります。

8.視覚性運動盲;後頭葉の外側にあるV5野の障害では、視覚的な動きの感覚が失われ、“ボールの動きの有るテレビのスポーツ番組を見るのが辛い“などという訴えをする場合があります。

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9.半側空間無視:右の頭頂葉下部野病変では体軸の左半側に提示された視覚刺激に対する関心を示すことができないという症状を示します。これは注意をどこに向けるかを決定している部分の障害であって、前部帯状回病変でも同様な症状を訴えるものが見られます。

210. 皮質盲:後頭葉にある両側視覚中枢の広範な障害では、視力が無い状態が発生します。特にその病巣が両海馬まで拡大した場合には、自らが盲目であることを否定する症状を伴うことがあり、それがAnton症候群と呼ばれます。

21診断:
これらの高次視機能の欠損症状は神経心理学的に多くの記載がなされているので、その症状に応じた診断がなされます。シングルホトンエミッションCT(SPECT)やポジトロン断層法(PET)などの神経機能画像も大脳皮質における高次視覚関連症状の責任病巣検出率は高いのです。従って、臨床的な神経眼科学的診断にも有用です。

22治療:
脳血管障害など源疾患に対する治療が行なわれる。高次視覚機能障害症状に対するリハビリテーションもなされています。

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