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2007年9月23日

413 進行性核上麻痺の眼の問題

PSP正面進行性核上麻痺(Progressive supranuclear palsy:PSP)とは脳の変性性疾患で、その原因はいまだに知られて居らず、治療法も確立されていません。進行性核上麻痺はすべての運動が進行性に麻痺し、視覚の障害、言語障害、そして飲み込みの力が弱くなる事によって不自由をきたすという特徴があります。その有病頻度は10万人に1,3人程度(新規の発生頻度は100万人に3人程度)です。パーキンソン病の5%程度の頻度とも言われる少ない疾患です。図の出典論文  (管理頁

PSP側面
進行性核上麻痺の患者は意識や行動にも変化をきたし、抑鬱状態を示したり、進行性の認知症になったりもします。

この疾患はパーキンソン病などともある面似ていますが、別の神経系の疾患です。

5今回、進行性核上麻痺で本が読めないという患者さんを家族に持った方から、その眼症状の対策についての質問をいただきました。そこで調べて見ますと、格好な問答が出ていました。

次に示す問答は、進行性核上麻痺についての良くある質問集からの”視覚の問題は進行性核上麻痺でもっとも重要か?”という質問への答えです。

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http://www.psp.org/page/faq進行性核上麻痺は眼科医にとって必ずしも対策が立てやすい病気ではないのですが、この返事を読んで見ると、私にも可能な対策がないわけでもなさそうです。参考にしていただけたらと思いますので概要を翻訳して原典の出典を記して掲載します。(当ブログ内のパーキンソン病の眼症状も併せてご覧ください⇒リンク

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問い:
視覚問題は進行性核上麻痺PSPでの最も重要な徴候ですか。

答え;
ほとんどの場合、進行性核上麻痺での視覚に関連する問題は歩行に困難を生じた後3年から5年で発生し、進行性核上麻痺患者にとっては、少なくとも歩行困難と同等に難しい問題を引き起こします。目の主要な問題点は、眼ををきちんと対象に向けることの困難さに有り、しばしば読むことが困難になります。

2進行性核上麻痺の患者を見慣れていない眼科医は、”視力表の個々の文字が読めるのにもかかわらず新聞を読むことができない”と訴える患者に出会って困ってしまいます。

患者さんによっては軽い白内障を手術を受けて治しても、このような問題が解決しないと訴えます。

患者は、読んでいる文章の最初の行の最後の端に達した後に、次の行の初めに自動的に移ることが難しいと感じます。これは読書用のメガネを必要とする老眼とは全く異なった状態です。(縦に視線を動かす日本語の新聞ではその困難は強いかもしれませんね。:訳者清澤)

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もう一つの進行性核上麻痺に共通な視覚の問題は、会話の間にアイ・コンタクトを維持することができないということです。 これは患者が老年性のボケを生じているか、あるいは会話の相手を嫌っているか、または無関心であるかといった間違った印象を相手に与えがちです。これと同じ目の動きの不調は心因性の「トンネル状視野」の徴候を産み、(脇が見えなくなりますから;訳者清澤注)車の運転も困難になります。

人形の眼PSP進行性核上麻痺でのもっとも普通に見られる目の動きの問題は、目を上または下に向けることができないということです。 これは食事ができなかったっり、飛行機のタラップを降りられないなどの症状を起こします。この問題は患者や家族を苛立たせますが、医師はより容易にその異常を検出することができます。図は意図的には上を向けないがあごを引けば眼が上に動く(つまり核上性麻痺である)ことを示す物です。出典

この縦方向の目の動きの減少は、医師がこの病気が進行性核上麻痺(PSP)であることに気がつく最初の糸口となります。 他の状態、特にパーキンソン病や正常な老化などでも、目を上に動かす事は時々難しくなります。 但し、進行性核上麻痺では目を下に下ろす事が困難な事態を起こすことが特徴的です。

進行性核上麻痺(PSP)の更に別な目の問題は、異常な瞼の動きである場合もあります。 –つまり動きすぎだったり、動き足り無かったりして、これが眼瞼痙攣と呼ばれています。

そのほかの少数の患者では、瞼の緊張の解除は良いにも拘らず、眼を眼を開くことに困難を訴えて、瞼を開くのに前頭筋や指を使います。この状態は開瞼失行といいます。約20%の患者が眼瞼痙攣や開瞼失行を示します。(これならば、ボトックス注射などの治療も可能です。:訳者清澤注)図:この図には、びっくりした表情で瞬きの減少と顔面筋にジストニアがあると説明が付いています。出典

顔面ジストニアPSP
一方、他の進行性核上麻痺の患者は眼を閉じることの困難を訴え瞬目頻度の減少を示します。1分あたり約15回からから25回の瞬目が正常なのですが、進行性核上麻痺PSPの人々では、これが1分あたり平均で3回か4回に減っています。これは目が乾いていらいらする原因となります。それらは容易に流涙を引き起こし、それ自体が患者にとって不愉快な状況を生みます。(この症状なら、涙点プラグなどの治療も可能でしょう。;訳者清澤注)

14終わりに:(清澤からのメッセージ)
下向きの眼球運動の不調、それ自体を十分に改善させることは困難です。両眼に同様に下基底(ベース)のプリズムでも用いて、視線を上に置くことで何がしかの改善感を得ることができますかどうか?新聞を左に倒して左から右に視線を動かすように構えてもらって、今より多少新聞を見ていただくことができるでしょうか?

眼瞼痙攣や、開瞼失行ではボトックスおよびその他に試すことのできる手段は少なくなさそうです。また、瞬目減少に伴うドライアイにも点眼や風除け眼鏡、それに涙点プラグなどが試して見られそうです。ご相談ください。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
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