お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2007年9月15日

409 子供の内反症(さかまつげ)には手術が必要か?

小児の内反患者の気持ち質問箱に寄せられた[逆さまつげの手術]での質問と私の答えです。(図の出典) (管理頁

7質問:
現在3歳11ヶ月の息子の事でご相談です。

3歳児検診で「両眼視障害の疑いかな?」と言われたのがきっかけで、眼科に行きました。「下が逆さまつげで黒目にキズが付いているので、それで良く見えていないんだ」と診断されました。

8この時の視力は右0.8左0.5でした。「手術した方がいいかな」と勧められましたが、とりあえず薬をもらってさしています。

内反症以前、2歳3ヶ月には、たまたま目にゴミが入り、キズが付いたかもしれないと思い受診した時にも、”下が逆さまつげで黒目にキズが付いているし、2歳を過ぎるとまつげも硬くなりキズがつきやすくなるから”と手術を勧められましたが、踏み切れず、これから痩せてお肉が取れる事を期待して薬で治療していたら治りました。(図;出典、こんな感じでしょうか?)

9この時も今回も、親が手術に踏み切れない気持ちがあり、セカンドオピニオンで別の病院に行ったところ、そこでは「6歳まで様子を見て良い。今使っている薬も必要ない。あまり神経質にならないで下さい。」と全く正反対の診断でした。ここでの視力は左右とも0.5でした。

11
本人を観察していると、見づらそうにしていたり、目をこすったり、目やに、充血などと気になる症状はありません。それでセカンドオピニオンの病院では様子見で良いとの事でした。

12どちらの先生の見解を優先させればいいのか、更に別の病院に連れて行った方が良いのか迷っています。出来れば手術は避けたいのですが、必要ならやるしかないとも考えています。

視力が0.5なのが気になります。そのまま様子を見て視力や両眼視障害は大丈夫なのでしょうか?

お答え;

子供の内反症を手術するかというのは難しい質問です。

眼瞼内反の図日本人はおっしゃるとおり頬の肉が厚く、下瞼の睫毛が角膜に触れたがります。
それが角膜の細かい上皮の脱落をおこし、角膜糜爛と呼ばれます。この図(出典)は下瞼が内側に倒れて角膜に触れる様子をわかりやすく示しています。

点眼薬では古くはフラビタン、最近ではヒアレインが処方されることが多いでしょう。経験の深い先生ならホッツ法や埋没糸法などの手術を勧めてくれるるかもしれません。最近多くなった外眼部手術にはあまり経験がない先生ならまず手術は不要とおっしゃるでしょう。

トラコーマの内反一方、大人に見られるトラコーマからおきる内反症は患者の自覚症状も強く、角膜に血管が進入して失明すにつながります。ことに発展途上国では国民の失明の重大な原因のひとつであり、今でもその手術は重要な眼科医療の一部分となっています。

13私のブログにあります
76 逆睫毛、(さかまつげ)、睫毛乱生、睫毛内反、そして眼瞼内反
https://www.kiyosawa.or.jp/archives/50478867.htmlにリンクもご覧ください。

14さて、私の個人的な思い出で恐縮ですが、私は小学校入学前に耳鼻科でアデノイドの手術というのを受けさせられました。これは喉のリンパ節が炎症性に肥大し、そこに菌も付いて悪循環になるからリンパ節を含む組織を切除するというものです。

1が、今思うとまったくのどが腫れて困るなどの自分に解る自覚症状があったわけではなく、原因不明の熱に苦しんでいたわけでもありません。小学校への入学時の検診で耳鼻科医に指摘されただけで、その手術を受けなくてはいけない必然性がどこにあったのか今もわかりません。

2
当時の子供の目にも、きれいでもない畳の病室で手術を待たされた不安な気持ちや、納得してもいないのを親に押さえつけられて喉のアデノイドを切られたときの思い出は(医師に対しても親に対しても)不快以外の何者でもありません。

3それを強いたのが子を思う親の気持ちだったのはもちろんわかりますが、後に小学校2年で柿の木から落ちて腕を骨折して声も出ないほどの痛みを感じながらそれを治療してもらったり、中学生のときにプロレスごっこで絞め落とされて昏倒し唇を切って縫合してもらったり、大学生になってからは激しい腹痛から見つかった虫垂炎を腰椎麻酔で切ってもらったり、といったようなはっきりした自覚症状があって治療を受けた場合とはまったく違う思い出です。

4この場面では、角膜に傷があるといっても糜爛だけで潰瘍があるわけでもなく、それが永続的な視力低下にいたるわけでもないですから、今は、泣く子を押さえつけてまではしなくてよい手術ではないかと思います。

(相談コーナーの常ですが、患者を見ないで何かを述べるのはとても危険です。もしよろしければ一度見せてください。)

5もっともこういうことをあまり言いますと、斜視の手術も必要なのか?といわれてしまうのでしょうが。私は斜視や弱視の治療は本当に必要なものだと思ってお勧めしています。

職員

Categorised in: 未分類