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2007年9月9日

407 運転免許試験における深視力検査

深視覚実際深視力検査の三桿(さんかん)試験

 大型自動車免許や二種免許の取得、更新の際に、通常の視力検査以外に深視力検査が行われまています。また、大手の運輸会社では運転手の適性検査としてもこの検査が社内で行われることがあるようです。

深視力測定装置

(深視力測定装置、写真http://homepage2.nifty.com/sazanamiskyline/newpage4.htmより)この深視力検査というのは両眼を使って遠近の感覚が得られているかどうかを見る検査なのですが、やや特殊な状況を作って遠近を判定させますので、日常生活では遠近感覚の異常を感じていない人でもこのテストには困難を感ずる場合が有ります。

装置

 人間の2つの眼は左右が連動して働いています。両眼で受け入れた感覚は脳で統合され、1つの新しい情報になります。両眼視には同時視、融像と立体視の3つの段階がありますが今回その説明は省略します。

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今回の話題である深視力測定は、(立体視機能があるならばその前段階である同時視と融像はできるだろうと考えて)、両眼視機能の最高級段階である、立体視が得られているかどうかを調べようとしているのです。

立体視においては、右眼と左眼では両眼が左右に離れていることによって与えられる画像が僅かに異なっているのですが、そのずれを検出して眼前にある2つのもののいずれが近くにあるかを識別します。

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 運転免許試験場での深視力検査は、「三桿(さんかん)試験」という方法で行われます。

3本の棒のうち両端の2本が検査を受ける人の前方に左右に少し離れて門のような状態に固定され、その間を別の1本が遠近方向に移動し、この門の手前から向こう(または向こうから手前へと)移動します。

この3本の棒が自分から等距離上に並んだと感じたときにボタンを押し、その中央の棒が左右の棒と同じ距離の位置に止めることができるかを判定します。自動車免許では、約1メートル離れた位置で行った3回のテストのズレの合計が6センチ未満の場合に合格とされるようです。

09088某眼鏡店のHPではこの三桿試験に合格しない3つのケースを想定しています(リンク)
1. 遠近感は問題ないものの、視力が悪く、3つの棒が明視できていない。
2. 両眼視機能の低下・欠如
3. 試験の要領を理解していない。
このページの説明はかなり詳しいものですから、ご参考になさってください。

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結論を申し上げますと、

1でメガネがあっていないならば左右それぞれの眼の視力が出るめがねを運転免許試験用に新調してくださいということになります。しかし左右の近視の度が2ジオプトリー以上異なる眼鏡ではそれを常用することは眼精疲労が強くて困難な場合もあるでしょう。その場合にはコンタクトレンズを勧めるべき場合もあるでしょう。

090852で本当に両眼視機能に全くの欠如がある場合にはこのテストを通すのは無理です。残念ですが、外傷や疾病で片眼を失ってしまった患者さんでは(物の形などを手がかりに見る立体の感覚は残ってはいるのですが)もう両眼視機能を使った立体視試験のパスはできません。大型や2種免許はあきらめて普通免許で我慢してください。

しかし、軽度の立体視機能の低下であれば訓練でそのコツをつかみ、試験をパスすることができるかもしれません。本格的な両眼視は6歳までに完成するので、遠視や乱視の眼鏡を掛けるべき小児時期に掛けないで両眼視教育の機会をのがした患者さんでもそれを大人になってから補うのは困難です。

09084しかし、眼球の向きが微妙に内側または外側にずれていて(これを斜視または斜位と呼ぶのですが)、普段は両眼を生かしての立体視がなされていないが、メガネにプリズムを入れると普段は休ませていたこ両眼視機能が生き返るというケースがあります。

眼科医師の立場で申し上げれば、自己流の訓練でその力をつけるというのはあまり実践的ではないかもしれません。リンク

09083眼鏡店グループのホームページに紹介された眼鏡作成による成功例のおおくはこのプリズム調整(と近視や乱視の矯正)によるもののようです。

090823番目の試験の要領を理解していない。というのも、もしかすると2の立体視機能の軽度の低下を併せ持っているのかも知れません。2の場合にも3の場合にも三桿試験の仕組みを理解して、それに正しく答える練習を数回することでそれがパスできることは少なくはないでしょう。

当医院をお訪ねねくだされば、精密な眼科的な評価をした上で、それらの検査機器の実物を持っている病院や、検査に慣れるための機材を準備できる眼鏡店をご案内できます。

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此処では自宅で205円でできる練習を考案してみましょう。(一度は立体視テストを受けて失格と言われて、それがどんな感じの物かを見たことがあるものといたします。イメージリンク)眼科受診はあくまでお勧めいたします。

1、 まず食卓の上を片つけて1メートル以上の平面を作る。向こうは白壁が猶良い。

深視覚簡易装置2、 削ってない無地の鉛筆2本(断面の塗ってないもの、2本で100円ですか。)を不安定ですが、机の端から75センチの位置に左右に10センチ放して立てる。

3、 5円玉に黒の縫い糸1メートル(100円はしないでしょう)をつけて5円玉は2本の鉛筆の少し向こうに糸の端は手前の机の端から手元にたらして置く。

4、 5円玉の上に模様のない消しゴムを乗せて立てる。(黒くマジックで塗りつぶすと猶良い。)

装置
5、 まずは、上空から見ながら紐を引くと、黒く塗った消しごむを乗せた5円玉が2本の鉛筆の間を向こうからこちらに移動するのがよくお分かりになるでしょう。

6、 机の端に鼻をつけて、眼を机の面の高さより僅かに上に出して構えます。さて練習開始です。顔から鉛筆の距離が遠くなれば困難になります。左右の鉛筆が近くなれば判断は難しくなります。
7、 一回の練習は20回。前後何センチで止められたか記録しましょう。日を変えて数回も行えば勘がつかめ、誤差が少なくなってゆくのが理解できるでしょう。ご家族に糸を等速度に引っ張ってもらい、検査を受ける方がストップと叫ぶなら実際のテストに近い感じにできます。(距離を2m、柱の間の距離を10センチにすればかなり難しく感じます。)

実際の両眼視機能の評価はやや複雑です。問題を指摘されましたら、一度眼科を受診されることをお勧めします。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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