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2007年9月7日

405 第23回 真鶴セミナー 印象記2007.9.1-2

去る土曜、日曜(2007.9.1-2)
は真鶴セミナーが日本大学の石川弘先生の世話で行われ、鬼怒川温泉に行ってきました。その印象記です。真鶴セミナーは故藤野貞先生が深く愛された会で藤野先生はいつも奥様を同道されましたが、今回の家族連れは私だけだったのは残念。

72行きは土曜の12時半で外来を終え、一人で浅草発のスペーシアに飛び乗りました。

私事で恐縮ですが、鬼怒川温泉駅の直前に通過した下今市は、先週93歳で大往生を遂げた私の伯父であり、神経眼科に私をいざなってくれた小原博亨が30年前に名古屋鉄道病院を退職して多治見県立病院に入るまでの間に数年間診療していた阿久津眼科医院がある町です。

フルメトロンH Oharaの名前は確かWalsch and Hoytの臨床神経眼科旧版に30歳過ぎの網膜芽細胞腫の報告者として引用されて載っているのですが、今日ネットで探すと日本点眼薬社のフルオメソロン点眼液の文献の3) 小原博亨 他:日本眼科紀要 28,625,1977と4)小原博亨 他:日本眼科紀要 28,619,1977に僅かに残っています。

71確か先代の阿久津先生と私の伯父小原は大阪医科大学の同級生だったのです。車窓から見る駅のホームには、今も阿久津眼科内科医院の看板が出ていました。今の代の阿久津先生は北里大学の2期生で清水教授や若倉先生の一期下だったか?などと思ううちに鬼怒川温泉に着きました。

駅前の無料の足湯で家族と落ち合って徒歩3分の金谷旅館へ。駅前はあまり景気が良いという風情では有りませんでした。到着と同時にセミナーが開始でした。

第1日(平成19年9月1日、土曜日)

631、片頭痛後に見られた中心性同名半盲
古賀紀子(明海大眼科)、石川弘(日大眼科)
メモ:片頭痛は閃輝暗点を示すことがありますが、一過性ではなく永続的な血管障害をも起こすことがあり、視覚領に微小な梗塞を起こせばこのように視野の欠損が残ることがあります。どのような特徴のある閃輝暗点が危険なのかはわかりません。視野とMRI画像上の病巣の大きさの関係が話題になりました。私の経験では、実際の病巣をPETの糖代謝低下域で見ますと、CTやMRI上の変化範囲よりもはるかに病巣は大きいです。ある種の偏頭痛薬(イミグラン?)は危険というような話も出たようでした。

2、外側膝状体性同名半盲を呈した高血圧性脳出血
津田浩昌(南多摩病院)ほか
メモ:外側膝状体に病変がある視野は側方から切れ込む暗点またはその部分を残して上下に同名半盲を示すことがフリセーン先生の研究で有名です。区画性半盲という?、藤野貞先生はこの外側膝状体の血管分布をライフワークにしていて、血管の分布はさまざまでどんな視野も出るというのが口癖でした。

62
3、難治性視神経症の一例 伊藤義徳
メモ:パルスステロイドを行うといったんは反応したように見え、しかし視力低下を繰り返して半年くらいで手動弁程度に視力が低下した症例で、視神経鞘の髄膜腫らしい画像が見えるという症例です。視神経鞘の髄膜腫には放射線をかけるというのが欧米では定石らしいのですが、日本の放射線科医師はなかなかかけてくれないというのが会場で話題になりました。視力の低下を遅らせるだけですので、放射線による視力障害を起こしたのではないかと患者さんに疑われるような治療はしたくないと放射線科医が考えるということでしょうか?東大?にはこの治療を引き受けてくれる医師がいるとかという噂。
米国での師匠Peter Savinoにも視神経髄膜腫の放射線治療という得意な演題がありました。

4、高齢者に見られたoptic gliomaの一例
深作貞文、藤江和貴。若倉雅登(井上眼科病院)
メモ;今回のセミナーでは視神経腫瘍が多く示されました。この症例は視神経の鞘ではなく、視神経本体に出るグリオーマです。

アクアポリン5、視神経炎における抗アクアポリン4抗体の意義に関する田施設研究 高木峰夫(新潟大学)
メモ:アクアポリンは水の分子を選択的に通す、生体膜にあるチャンネル分子で、5種あるそうです。デビック病に相当する脊髄炎を伴う視神経炎がこの抗アクアポリン4抗体を持った患者さんではしばしば診られるらしく、それを新潟大学では調べています。演者の熱意が伝わる講演でした。この図は以前からこのブログに出したかったアクアポリン4の画像です。

6、片眼の乳頭腫脹の奥にあるもの 高橋洋司(盛岡赤十字病院)
これも視神経の腫瘍を疑ったという症例でした。何しろ今回のセミナーでは視神経腫瘍の症例が多かったです。高橋先生は岩手医科大学助教授を退官し赤十字に移ってからいっそう活発に神経眼科を研究しておられます。

特別講演1:一過性視覚障害について 加島陽二(日大練馬光が丘)

61懇親会:会の晩はいつものおなじみの懇親会。今回も多くの神経眼科に興味のある眼科医が集まり、今の話題、そして昔話をしました。
お隣は北里大学で神経眼科を担当している石川先生。彼らが担当する国際瞳孔学会ももうすぐです。もうジュニアという称号は卒業ですが、ペンシルバニア病院のトーマス・ヘッジス・ジュニア大先生もジュニアですから、ご勘弁。今の日本神経眼科学会の事務局は彼が支えているのです。

(2007.10.21 二日めの議題など追加しました。)

9月2日日曜日
7、SSOHにおける視野のバリエーション 富士本尚也 ら(井上記念病院)
上部乳頭低形成、30例のうち両眼性8、片眼性22.下耳側欠損57%、上耳側まで及ぶ例が4例。必ず静的視や測定を施行する。参考:Yamamoto T他, JJO2004:48:578-583多治見スタディーでのSSOH
コメント:私の記事 376 トップレス乳頭症候群 topless disc syndrome, 上方視神経部分低形 SSOH 上方乳頭低形成 参照

8、複数の甲状腺関連自己抗体を発現した眼科筋炎野一例 渡辺敏樹 堀江大介 気賀澤一輝(杏林アイセンター):TSH,抗サイログロブリン抗体、抗TPO抗体、TRAb. TSAbなどに高値があって、T3、T4は正常。内分泌的に橋本病、免疫学的にバセドウ病の例があると。
コメント:62 甲状腺眼症と眼窩筋炎⇒リンクにも記載したように眼窩筋炎と甲状腺性眼症は合併しやすいです。ここにも書いたが2007不明愁訴不定愁訴で若倉先生もTSAbを重視との事です。

9、鑑別不能型表現性障害と考えられた症例の治療経過について 壺内鉄郎(水戸医療センター) 気賀澤一輝(杏林アイセンター)

10、TriIRIS-C9000 を用いたた他覚的AC/A比測定 浅川賢 石川均
コメント:調節の変化を測定できるのがトライイリスです。残念ながら私も医科歯科大学にも無く、むち打ち症の評価などで必要なときは梶田先生に評価をお願いしています。

11、IFIS症候群 後関利明 他(北里大学)
2005年ChangとCampbellはα1ブロッカーのハルナールを飲んでいる患者が白内障手術時に虹彩だっしゅつを起こしやすいと報告した(JCRS 2005:31:664-73)。intraoperative floppy iris syndrome術中虹彩緊張低下症である。ブナゾシン(商品名デタントール)使用中の3人中2人にも同様の症状があったという。
コメント:江東高齢者医療センターの手術場での会話で、フロッピーアイリスという言葉を最近になって聞きました。もう眼科医の中では知っているべき単語のようです。

特別講演2:小児の眼筋麻痺

帰りは井上眼科病院院長若倉雅登先生とご一緒でした。押しも押されもしない日本神経眼科学会理事長。井上眼科病院では、出来上がった眼科医師を採用するのではなく、自前で研修医を採用してしっかりと育ててゆくという新たな方針で、育てた若い医師がもう伸びてきたそうです。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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