お問い合わせ

03-5677-3930初診受付

ブログ

2007年8月12日

394b 抗リン脂質抗体症候群の採血では何が見られる?

はいび9
管理頁

抗リン脂質抗体症候群の話を専門の内科医師が記載した難病情報センターの記事(⇒リンク)を参考に、抗リン脂質抗体症候群おさらいをしてみます。(眼科医と患者家族の素人への情報です。)

はいび9
抗リン脂質抗体症候群とは
抗リン脂質抗体症候群は、血液中に抗リン脂質抗体(aPL)(すなわち抗カルジオリピン抗体aCLや、ループスアンチコアグラント(ループス抗凝固因子 LAC) 、そしてワッセルマン反応(STS)で偽陽性を起こす抗体を含む概念としての自己抗体が証明され、習慣性に2回以上の流産を起こしたり、動脈や静脈の中で血の固まりが出来る血栓症(脳梗塞、肺梗塞、四肢の静脈血栓症など)を起こしたり、血液検査上で血小板が減少するというような症状や所見をきたす疾患です。

具体的な眼症状は先にまとめましたが、眼科では虚血性視神経症や網膜の循環障害の合併が知られています。
抗リン脂質抗体症候群で見られる血液中の異常には次のものがあります。

1、抗カルジオリピン抗体aCL:はいび8抗カルジオリピン抗体aCLにはβ2-glycoprotein 1(β2‐GP1)依存性の抗体(タイプA) と、非依存性の抗体(タイプB)が存在します。前者はリン脂質依存性血液凝固を抑制しますが、後者は抑制しません。

SLE(全身性エリテマトーデス)を始めとする自己免疫疾患ではタイプAが多く認められますが、感染症ではタイプBが認められるとされています。
認められる抗カルジオリピン抗体(aCL)の免疫グロブリンクラスはIgG、IgM、IgAですが、臨床症状と相関する物の多くはIgGだそうです。

(この辺の知見と症例での実際の変化との関連の整理は眼科よりは内科で行うでしょう)

2、ループス抗凝固因子LAC:
はいび7 
ループス抗凝固因子LACは主にIgGに属する自己抗体で、凝固系のカスケードの中でも第X因子、第V因子、Ca、リン脂質からなるいわゆるprothrombin activator complexに作用し、活性化部分トランボプラスチン時間(APTT)の延長をもたらします。ループス抗凝固因子LACの測定は、APTT又はカオリン凝固時間のmixing test、希釈ラッセル蛇毒時間、血小板中和試験、hexagonal testなどで行われるということです。(このあたりは私の専門外なので伝聞です。)

抗カルジオリピン抗体(aCL)とループス抗凝固因子(LAC)は必ずしも同一患者血清中に両者が検出されるわけではありません。しかし、一般にループス抗凝固因子(LAC)陽性患者の50~60%は、抗カルジオリピン抗体(aCL)を有するとされています。

3、ST:(梅毒血清反応serological test for syphilis)
はいび6
ワッセルマン反応は、抗原としてトレポネーマを用いる方法と、カルジオリピン(CL)、ホスファチジルコリン、コレステロールを用いる方法がありますが、STS偽陽性の血清は、後者を抗原とした場合に陽性を示し、前者では陰性を示します。β2-GP1依存性の抗カルジオリピン抗体(aCL)測定系で抗カルジオリピン抗体(aCL)を測定すると、むしろ抗体価の減少を示し、自己免疫性疾患でみられるβ2‐GP1依存性抗カルジオリピン抗体(aCL)とは反応性を異にしているとされます。

はいび1
次のセクションでは抗リン脂質抗体症候群の臨床的な頻度などを説明します。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。
関連項目へ繋ぎます。
394a 抗リン脂質抗体症候群に伴う眼症状 ⇒リンク
394b 抗リン脂質抗体症候群の採血では何が見られる? ⇒リンク
394c 抗リン脂質抗体症候群にみられる諸症状⇒リンク
394d 眼科で使える抗リン脂質抗体症候群の治療法 ⇒リンク

清澤眼科医院通信最新ページへ(リンク)します

Categorised in: 未分類