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2007年8月11日

394c 抗リン脂質抗体症候群にみられる諸症状

抗リン脂質抗体症候群antiphospholipid antibody syndrome APASという概念があり、この中に虚血性視神経症などの眼症状を起こすものが存在します。本セクションはその諸症状をまとめてみます。
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はいび101998年の全国疫学調査によれば、1997年の抗リン脂質抗体症候群の受療推計数は、3,700人とされています。しかし、この診断が付いていない患者も少なくは無いと思われます。

この病気の患者の約半数は、全身性エリテマトーデス(SLE)に合併しています。この患者さんでもその可能性は十分に調べてもらうのが良いでしょう。

はいび11この他、強皮症など他の膠原病に合併することもあるとされます。また、他に膠原病などの基礎疾患がなくても発生する(原発性抗リン脂質抗体症候群)ことがあります。

流産をくりかえす習慣性流産の患者さんや若くて特に動脈硬化がないと思われるのに脳梗塞や虚血性視神経症などの血栓症を起こした患者では、この病気である可能性があるとされ、比較的若年の虚血性視神経症患者がこの疾患を持つこともしばしば見られるところです。

はいび5原発性抗リン脂質抗体症候群の原因は不明で、家族性もないですが、膠原病や自己免疫疾患以外にも、悪性腫瘍や感染症(梅毒、AlDS、肝炎、伝染性単核症など)、薬剤(クロルプロマジン、プロカインアミド、ヒドララジンなど)、血液疾患などで陽性をみることがあるということが知られています。

HLAクラス IIとの関連では、SLEにおいてDR7、 DR4、DR9(DRB1 0901)、DQ7など、原発性においてはDR53、DR5、DR52などが報告されているそうです。

はいび2

表:抗リン脂質抗体症候群にみられる症状

血栓症
<静脈系>
血栓性静脈炎、網状皮斑、下腿潰瘍、網膜静脈血栓症、肺梗塞・塞栓症、血栓性肺高血圧症、Budd-Chiari症候群、肝腫大など。
<動脈系>
皮膚潰瘍、四肢壊疸、網膜動脈血栓症、一過性脳虚血発作、脳梗塞、狭心症、心筋梗塞、疣贅性心内膜炎、弁膜機能不全、腎梗塞、腎微小血栓、肝梗塞、腸梗塞、無菌性骨壊死など。 習慣流産、自然流産、子宮内胎児死亡、血小板減少症
自己免疫性溶血性貧血、Evans症候群、頭痛、舞踏病、血管炎様皮疹、アジソン病、虚血性視神経症など

はいび6症状の頻度としては、下肢の深部静脈の血栓症が最も多く、症状としては再発しやすい下肢の腫脹と疼痛が特徴です。脳の血管に血栓ができ、脳梗塞や一過性脳虚血発作をきたすことも比較的多くみられます。その他脳血流障害による片頭痛、知能障害、意識障害、てんかんなど種々の中枢神経症状もみられることがあります。また、肺に血栓が飛んで、肺動静脈血栓症や肺高血圧の原因となり、呼吸不全を起こし命にかかわることもあるということです。

はいび7心臓の血管に血栓が飛んで心筋梗塞を起こしたり、末梢動脈の閉塞による皮膚潰瘍、網膜動脈の血栓による失明も起こることがあります。つまり、ひとつ、もしくは、いくつかの血管が血栓による閉塞によって、それぞれ、多彩な症状を呈する可能性があるのです。

習慣流産は、妊娠第1期(3ヶ月以内)に2回以上の自然流産があるか、第2期以降(通常妊娠5.6ケ月以降)に1回以上流産の経験がある場合をいいいます。

血小板減少に関しては軽度であることが多く、皮膚に紫斑ができたり、脳出血や、消化管出血による吐血や下血という出血症状は少ないとされています。

まず日常生活における血栓症の危険因子の除去が重要で、具体的には禁煙、高血圧や高脂血症の改善、経口避妊薬の中止が必要です。

このシリーズの最後には抗リン脂質抗体症候群の治療法を振り返って見ます。

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

関連項目へ繋ぎます。
394a 抗リン脂質抗体症候群に伴う眼症状 ⇒リンク
394b 抗リン脂質抗体症候群の採血では何が見られる? ⇒リンク
394c 抗リン脂質抗体症候群にみられる諸症状⇒リンク
394d 眼科で使える抗リン脂質抗体症候群の治療法 ⇒リンク

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