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2007年7月14日

383 モヤモヤ病(特発性ウィリス動脈輪閉塞症)とその眼症状

モヤモヤ病 (管理頁

特発性ウィリス動脈輪閉塞症(どうみやくりんへいそくしよう)と呼ばれる病気と同じです。脳血管のX線写真にみられる血管像が、口から吐かれたたばこの煙のモヤモヤした様子に似ていることから、当時の東北大学脳外科教授の鈴木二郎先生が1966年にモヤモヤ病と名づけました。(私も眼科医ながら脳外科に進んだ同級生や先輩に混じって、数年間その脳外科病棟回診について回り、かわいがって戴きました。)発症年齢は4~5歳と、40~50歳にピークがあり、女性のほうがかかりやすく、女児は男児の約1.5倍います。

サボテン5脳底部動脈の狭窄[きようさく]、閉塞[へいそく]:先天性の原因(多因子遺伝)や、自己免疫疾患、全身的に起こる血管炎など、いろいろ推測されていますが、不明。モヤモヤ病が起こる前に頭部・顔面を中心とした部位に、扁桃炎[へんとうえん]、副鼻腔炎[ふくびくうえん]、中耳炎[ちゆうじえん]などをくり返していたという報告が多くみられ、鈴木先生も常々それを言っておいででした。

サボテン6脳底部の動脈(ウィリス動脈輪)の血管壁が線維性に肥厚して、狭くなり、やがて閉塞します。脳の血管に徐々に閉塞が起こると、周辺の小血管にいくつかの側副血行路(抜け道)ができ脳への血流を維持しようとします(その側副血行路が脳血管撮影でみられるモヤモヤした血管です)。

サボテン7
この疾患の子供の脳内部には十分な血液を供給できない状態が生じ、(血液中の二酸化炭素濃度が下がるので)ラーメンを息で吹いて冷ますなどの行為に伴って一時的に脳は酸素不足になり、虚血の症状をおこします。またモヤモヤ病を持つ成人では、側副血行路が完成しても、加齢とともにもろくなり破れやすいので、脳内出血を起こします。この出血は40代をピークとして現れます。

サボテン8モヤモヤ病の眼症状:
25年前、鈴木教授は血管撮影で脈絡膜のクレセント(眼球後部の血管影)が目立つことが多いといっていましたが、眼球に虚血が現れることは(同様に脳に虚血を起こす高安病(脈なし病)に比べれば)少ないです。

サボテン9東京医科歯科大学でも脳外科の成相直講師が多くの患者を見ています。その一部は、脳出血による半盲をきたして脳外科から眼科に紹介されて受診しています。その障害部位は左右いずれかの中大脳動脈と後大脳動脈の支配領域の境目辺り(分水嶺watershed zone)に多く、半盲のほかに影響を受けた大脳皮質の部分によっては視覚失認やゲルストマン症候群(左右失認、手指失認、失算、失書)などの大脳皮質症状を伴うこともあります。

(この項目は、もう少し追加事項を準備中です.
参考になるリンク(英文ですが)

今日も最後まで眼を通してくださりありがとうございます。

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