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2007年6月28日

374 塗るボトックス、アルジレリンとは

塗るボトックスと称するアルジレリン(アルジルリン)がインターネット上で最近話題になっています。(管理頁

ボトックス皺取り今まで私は高名なスミスケトルウェル研究所のアラン・スコット博士によって開発された眼瞼痙攣の治療薬としては本流であるボトックス(ボツリヌスA毒素)を愛するが故に、このアルジレリンをまったく無視してきました。が、最近の世の声を聞くと単に無視しているだけではすまないのかとも思うようになって来ました。

アルジレリン(アルジルリン)

アルジレリン(Argireline)というのは、6個のアミノ酸が結合したしわ取り用物質であるヘキサペプチド-3(hexapeptide-3)のことです。アミノ酸6個ですから化学物質の構造としては至極簡単です。

アルジレリンは欧米を中心に「塗るボトックス」とも称され、それを混入した化粧品が多少のいかがわしさを伴いながら通信販売のサイトなどで販売されているようです。

このアルジレリンは、米国の形成外科医、Dr.Hilton Becker,MDによって開発されたという記載がありましたが、そのフロリダに居る医師のホームページには多くの業績が出ているのに、この物質のことは何も書いてありませんでした。

ボトックスと同様に神経伝達の経路に働きかけ、表情筋の緊張をほぐすことで、表情じわを改善するという歌い文句で化粧品成分として宣伝されています。

この文章の、先野部分に引用したこの物質の解説ページには、アセチクコリンを含む小胞がシナプス前膜と膜融合を起こして神経伝達物質をシナプス間隙に放出する段階を阻害する機序を示す図が掲示されています。(しかしこの図には原著論文の出典も引用もなく、公認された理論である保証が得られません。)

ボトックスと同様にアセチルコリンの運動神経終末からの放出を抑制するとすれば、ボトックスのように眼瞼痙攣の治療にも使用が可能な可能性もあるのかもしれないと考えられます。

そこで先のページでは皮膚のシリコン型を取って、これを分析し、皮膚のしわが減ったというデータを示しています。(しかしこれも医学論文として認められたという記載が無いので、数とか実験手法が正当であるのかどうか信頼性が保障されません。)

アルジレリン皺取り
この物質は、皮膚からの浸透がごく浅いようですので、かなりきれいにしわの取れた画像もほかのページでは示されていますが、眼輪筋の深層までは十分には浸透しないかもしれません。そうであれば、私が治療したい眼瞼痙攣にはあまり有効ではないのかも知れませんね。

それでも、ことにボトックスの治療は国民健康保険を適用しても、3割の負担としてもらっても3万円余(一割の患者さんでの1万余円)がかかるわけですから、それよりは比較的廉価に治療ができるのかもしれません。(もちろん日本では薬剤としては認められては居ないのですが、)

また、注射で投与されるボトックスはそれなりの痛みを伴いますので、あの痛みがいやだという患者さんには試してみる適応があるのかもしれません。(と何の根拠も無く私が言って見たみただけのことですが。)

さらに、しわの消去の他にも皮膚の滑らかさや保湿等、肌全体の改善を促す作用も期待できるとの言及もあながちうそではないかも知れません。

2002年に米国で発行された製造や組成関連の特許は、スペインのLipotec社が保有している模様です。(HPを見ることができます)

当初、スペインではオリジナルのボトックス(ボツリヌスA毒素)の医学的使用が許可されていなかったのが、この普及を助けたともいわれています。

さて、日本ではこの化学物質は今後も薬剤としては供給されないのでしょうか?

(私野基本姿勢は、まだこの物質には懐疑的です。知識として調べたところを趣味として披露しただけで、この”塗るボトックス”を含む、現在の所はなんとなく”いかがわしい印象の化粧品”の利用をお勧めするわけではありませんので、そこの所のご理解をよろしくお願いいたします。)

また新しい情報が入りましたら追加してお伝えいたしましょう。

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